【晴れの日の木馬たち】 原田 マハ 著
新年、明けまして、おめでとうございます。年末・年始に読んだのは原田マハの新著。これはなかなか良いです。原田マハの育った岡山が舞台で、これまでの画家をベースとしたものではなく小説家の物語。ただ、倉敷紡績社長・大原孫三郎(大原美術館創設者)も登場し、「絵」とまったく無縁ではない構成になっています。
「最後の場面にたどり着いた読者が、悲しい涙を流すのではなく、幸せな笑顔になるような」、そんな小説を書いて欲しいと言われた「山中すてら」。「史実を横糸に、フィクションを縦糸に」書くのが原田マハの持ち味とのことですが、主人公の「山中すてら」という小説家は見当たらず、ご自身の経験をベースに書かれているものと「推察」します。
途中には悲劇的な場面もありますが、フランスのことわざとして引用されている「雨のち晴れ」のとおり、その後は、「笑顔になるような」作りです。また、夏目漱石も登場する本書では、この時代の文語調文章を縦横無尽に使いこなす原田マハが、極めて優れた文筆家でもあることもわかります。この後、第2部・第3部と続くことが予想され、引き続き、続編が楽しみになる一冊です。
本年もよろしくお願いいたします。









