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TAKの部屋

ムラムラくんという、よく分からない人がよく分からないことを書くブログです。

以前にもまったく同じタイトルのブログを書きましたが、

今回はアルバム「23歳」ではなく、楽曲『23歳』についてです。


そのとき書いたように、このアルバムで

ぼくがもっとも気に入っている楽曲であり

同時にもしかしたら過去の全作品を含めても

いちばん好きかもしれないくらい、

大好きで大切な曲です。


前回紹介した『る~る~る~』とは違い、

めちゃくちゃ難しいコードワークです。

ギターを演奏した佐橋佳幸さんがメイキングDVDで語っていましたが、

「普通の曲にはない展開」が多すぎましてね……

実はKANちゃんのスティービーワンダー系の楽曲を

好んで聞いていれば、なんとなく予想できる展開もあるのですが、

それでもとにかく難しいです。

耳コピ(というか耳と過去の経験を頼りにした手当り次第の解読)に

1年以上かかってしまいました。


でも耳コピしてみると、本当に理論的なんですよね。

普通じゃないけど、理論には沿ってる。

だから綺麗に展開されていく。

そんな感じがありありと伝わってきました。


個人的にもっとも感動したのが、ブリッジの部分。


「そんな辛い思い出も~」


からのコードワークですね。


あくまで耳コピなので、間違っているかもしれませんが……


(Dm7onGから)A♭M7→E♭onG→B♭→FonA

→A♭M7→E♭onG→Dm7→Em7→Fm7→B♭

そこから元キーのA(コードとしてはAM7)に戻る。


前段のサビからE♭に転調して、

その後よくあるベースノートが半音ずつ下がる展開を挟みつつ

最後は力技で元に戻す。


これ、多分ですけど、いわゆる日本の“普通”のアーティストは

まずやらない構造です。

少なくとも、ぼくは見たことも聞いたこともないです。


思えば有名な『愛は勝つ』や『まゆみ』にしても

力技が意外と多いんですよね。

愛勝つの場合だと、Bメロからサビに行く「おーおおおー」の部分で

F#7からA7を挟んで、元キーのDに戻します。

これは23歳ほどはレアじゃないけど、あんまり見ないですね。

普通ならB♭7を挟んで転調してE♭に行くはずです。

ただ、そうすると曲が進むたびに半音上がりが続くので

こうしたんだと思います。

いやぁ、力技にもほどがありますw


まゆみの場合、サビからいわゆるブリッジに行く際に

E♭からFに転調してるんですが、

そのあとの戻し方がマジで力技です。

ビートルズのマジカルミステリーツアーを挟みつつ

「じゃーんじゃじゃん(E♭)→じゃーんじゃじゃん(B♭)→じゃーん(F)」って

力強くFのまま展開させておいて、

最後に「じゃん(A♭)」って鳴らして、「まゆみ(E♭)」に戻すんですからw

転調コードもなにもあったもんじゃありません。


(これ、伝わってますかね?w)


まあ、そんなKANちゃんらしい、

自然な転調と綺麗な展開、からの力技。

そんなところが『23歳』のブリッジに集約されてるわけです。


あと、地味に好きなのが、サビの最後のコード進行。

「作るよ ずっと 作ってたよ 月8曲くらい」

の部分ですね。


ここはKANちゃんが本当によく使う

F#m7→F6→ConE→Cm7onE♭→Dm7→Dm7onG→G7

という展開です。

これだとその先、元キーがCでもAでも戻れるんですよね。

この曲の場合、Aに戻ります。


これ、多分スティービーワンダーの何かの楽曲に

きっとモチーフとなる部分があるんじゃないかな?

そんなふうに感じるほど、部分的なものも含めて、

他の曲でもそれなりに高頻度で使われています。


そして、ぼく的にはこの展開は

「KANちゃんらしい曲だ!」だと感じるポイントの1つです。


とまあ、とても分かりにくいブログになってしまいましたが、

当然こちらもサブシュクがありますので、

ぜひ聞いてみてください。

できれば3回、聞いてみてください。

普通じゃない展開が多いけど、

それが身体にスッと入ってから聞けば、

きっとえも言われぬ爽快感に包まれると思います。



KANちゃんの最新アルバム「23歳」の1曲め。


歳をとるほどに、発表作品を重ねるほどに、

“いいものしか発表したくない”という気持ちが強まった結果、

シンプルかつストーリー性の薄い楽曲を

リリースできなくなったKANちゃん。

しかし89年に発表し92年にはシングルカットされた

『言えずのI Love You』は

“君が好き、でも言えない”という奥行もへったくれもない歌詞なのに

今(2019年当時)でもいい歌だと思うし歌える、

ということに気づいて、

急に開き直ってこの『る~る~る~』を作ったそうです。


このエビソーダは

DVD化された19年のライブ中のMCからの抜粋なのですが

実際に、「君が好き」以外は特にメッセージのない

ストレートな歌詞ですねw

曲調もときどき発表していた初期ビートルズ風で

KANちゃんにはめずらしく

めんどくさいコードがほとんど使われないという、

極めて耳コピ&カバーしやすい、ありがたい楽曲です。


具体的には、(多分)使われているコードは

E、EM7、A、AM7、B、Bm、G#7、G#m、C#m、F#、F#mくらいですかね

あとは最後にキーがFに転調するため半音上がるのと

あとその直前に、転調コードとしてC。

さらに、エンディングでこれまた初期ビートルズらしくF6。

記憶で書いてるのでアレですが、大体はまあ、こんなもんです。

特筆すべきはオンコード(ベースノートを乗せる)が

ほぼないことでしょう。

これがあるとないでは、ギター演奏の難易度がググッと下がりますw


過去にあったあからさまな初期ビートルズテイストの作品を挙げると

『BAD LOOKSのテーマ』(89年、ライブ演奏のみ)

『東京に来い』『練馬美人』(95年)

ですが

そのどれよりも、シンプルな組み立てと歌詞です。


歳をとったぶんだけ、余計なものを削ぎ落としたんですかねぇ。


とはいえ、随所にKANちゃんらしさがあって、

「そろそろ雪が降る~」、「君が微笑んでる~」と

タイトルどおりに語尾を伸ばしてみたり

「日本でいちばんジェントルな彼氏」という

らしい表現が違和感なく出てくるのはさすがです。


あと、ふと思いましたが、この曲のモチーフは『NOWHERE MAN』かもしれません。

ぼくはビートルズは有名どころしか知らないし、

ギターで演奏してみようと思ったこともあまりないので、

コードワークはニワカ以下の知識ですが、

頭に響く音を聞き比べる限り、進行が似ている気がします。

間違ってたらごめんなさい。


ちなみに、この曲。

CDでは一部のギターをKANちゃん本人が弾いてます。

サブシュクも解禁されてますので、

メイキングでの本人談「魂を込めた」渾身のギター(w)も合わせて

ぜひ、ご堪能ください。



では、股。



全然気がついていなかったのだけど、

KANちゃんのニュースが世に出てから、

なぜかこのブログのアクセス数がとても上がっておりました。

特に閲覧者が多かったのが『「愛は勝つ」について真剣に考えてみた』という記事。

『愛は勝つ』というキーワードでこのブログがひっかかるとは思えないのですが、

多くの方が訪れてくださったようで、

その中に1人でも『単なる応援歌ではなく、人生の歌だ』というぼくの勝手な考察が

届いたらいいな、なんて思っております。


夕方、3年ぶりにブログを更新しましたが、

今後はもう少し定期的に、KANちゃんについて書いていきます。

ぼくはただの名も無き物書きで、

ご本人にお会いしたこともなければ、

音楽的なことを詳しく書けるわけでもないけれど、

仮にも27年以上、ずっと一緒に過ごしてきた音楽のことなので

書きたいことはたくさんあるのです。


とりあえず、暗い話はもう書きません。

そして、根本さんがラジオで言ってくださったように、

現在形でKANちゃんを語りたいと思います。


もちろん、自分の思い出話は過去形になりますが、

KANちゃんの音楽はサブシュクやらYouTubeやらで

今も何不自由なく聴けるわけですから、

現在形で語るべきだと思っております。


とにかく、もし何かの間違いでこのブログにぶつかってしまった方は、

騙されたと思って、この歌を聞いてみてください。


ぼくが心から、この人やべえ!!!って思った曲です。

(語彙力……)


猿と犬のサルサ(2001年発表、アルバム『Gleam & Squeeze』収録)