クリニックに通う患者さんの中に、時々予約した時間に来ないAさんがいます。
非常にまじめで、優しい患者さんです。
いつも来ると、にこにこして、淡々と話します。
でも、予約した日に来ない時があります。
そして、数日後、下手したら数週間後、ものすごくしんどそうな顔で来ます。
聞くと、もう薬は切れたが調子が悪かったので来れなかったといいます。
すごくわかりますね。
しんどくなると、起きて、着替えて、クリニックに行くだけでどっと疲れます。
一日ずっと寝ていたいですね。
でも、しんどいときこそ、ほんとうは来てほしいですね。
理由は二つあります。
まず、来ないと薬が切れます。
それでは、ますます悪くなりますよね。
そして、悪い時をみて、わたしが薬を調整しますので、その時見せていただかないと、後になって実はけっこうやりにくいですよ。
たとえば家で熱を出したとしますね。
38度ならみなさんはたぶん我慢しますよね。
でも40度になったら病院に行きますね。
40度の熱が下がって元気になってから病院にいく人は、たぶんいないでしょうね。
もっとも、そんなことをしたら絶対内科の先生に怒られますよ。
実は精神科も同じですよ。
Aさんよ、しんどい時こそクリニックにおいで!なんとかしてあげるから!
そう言いながらも、わたしは歯がよほど痛くならないと歯医者さんにはいかない人です。
人のこと、言えないですね。