精神科医の役に立たない独り言

精神科医の役に立たない独り言

札幌の三浦メンタルクリニックの常勤精神科医が、だるだると書く、まったく笑えず、ウケず、役に立たず、誰も関心を示さない、よって誰からも批判されないから、安心して書き続けられるブログ

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みんなにいつも同じ事を言ってますけど、わたしは仕事のために自分をデブにしたんです。

そう、食欲がコントロール出来なくてデブになったわけではなくて、わざとデブになったのです。

それはまたどうして?

それは簡単でしょう。

だって、わたしは精神科医ですよ。

考えてごらん。

悩み事があって、いろいろ考えた末、やっと勇気を出して精神科の扉をたたきました。

そして診察室に入ったら、なんと先生がガリガリに痩せていて、いかにも神経質そうな顔をしている。

それじゃ、あなたは悩みを打ち明ける気になりますか。

それより、若干肥満気味でいつもニコニコしていて、何を言っても動揺しそうにない医者のほうがいいでしょう。

そうなんです。

わたしはこれを目標にして、良い精神科医に(少なくともイメージだけでも)なろうと思って、日夜勤しみ、生クリームを食べ、コーラを飲み、かつ運動しないでいつもソファに座ってテレビを観るようにして、このような体型にしたのですよ。

ああ、わたしはえらいですね。

・・・とここで今日のブログを終えたら、単なるうぬぼれちゃんのたわごとで終わってしまうのですが、そうはいきません。

ここからは本題!(やっと本題!)

薬もイメージ通りで、怖いか優しいかわかるのですか?

たとえば、前回のブログに書いたような、ピルと抗うつ薬のどちらが怖いのでしょうか。

結論からいうと、そんなイメージなんてまったく役に立ちません。

実際ピルと抗うつ薬と比べた場合、ピルにあって抗うつ薬にない重大な副作用があります。それは血栓症です。

下手をすると、命取りになる副作用ですよ。

しかし、イメージでいくと何となく抗うつ薬が怖くて、ピルが怖くない感じがしますよね。

実はこのイメージは、馴染みやすさと密に関係していますね。
ピルを飲んでいる人が結構多いから、何となく怖くない感じがしますよね。

そして抗うつ薬を飲んでいる人は、周りにあまりいないから、怖い感じをしていませんか?

同じイメージの話ですが、わたし達は風邪薬をよく飲みますよね。
そうすると、何となく風邪薬は優しい薬と思っていませんか。

しかし、その風邪薬を旦那に一年間飲ませた、とんでもおばさんがいたんですよ。
「これをのむと、風邪を引かなくなるよ」とか言ってたらしいです。

そしたらどうなったかと言うと、旦那さんは見事にあの世行き。
そして奥さんは億単位の保険金を手にしたのです。

では同じ1年くらい抗うつ薬を飲むとどうなるでしょうか。

当然びくともしません。

そもそも抗うつ薬は、何十年飲んでも良いように作られていますからね。

この話からしても、やはり馴染みのある薬が、必ずしも優しく、そして馴染みのない薬は、必ずしも怖いわけではないということは、おわかりですね。

精神科の薬がどうして何となく怖い感じがするかどういうと、馴染みがないからですよ。

でもでも、デブはイメージとして優しそうですが、やはりたいていのデブが優しいですよ。

これは間違いないです。

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PMDDには、SSRIが正解です。

とまた、横文字をならべて、コ先生がごまかそうとしていますね。

違うよ。訳を説明します。

9月終わり頃に、東京のセミナーに行ってきました。

わたしは、野村総一郎先生のファンです。

わたしは、実は松嶋奈々子のファンでもあるんです。
それはだれも聞いてないでしょうけど、一応コクっておきます。

松嶋奈々子、ではなくて野村総一郎先生が出るセミナーに泊りがけで行ったら、泊まったホテルのシャリアピンステーキが美味しいこと。

と、これもまた、だれも聞いてないですね。
すみません、すみません。

ところで野村総一郎先生というのは、もともと防衛医大の精神科の教授で、うつ病の治療では、日本の第一人者といっても、過言ではない方です。

なにより話がわかりやすいし、人柄がいいですね。

確か読売新聞の人生相談も、担当されたのではないかと思いますね。

わたしがもし東京にいて、うつになったら、絶対先生にかかりたいですね。

ちなみに先生のいまの職場は「日本うつ病センター」だそうです。
なんだか、よくわからない名前ですね。

と、前置きはいつものように長くなりましたが、先生の話のなかに、このPMDDが出て来て、「ピルではなく、SSRIが良いです。」と話されました。

わたしが帰ってから急いでその話の根拠を調べたら、何と厚生労働省のお金で、研究がなされて、結論もすでに出てるのではないですか。

しかし、厚生労働省の委託費を使いながら、何とこの「エビデンスに基づいた月経前深い気分障害(PMDD)の薬物治療ガイドライン」を、知っている精神科医がほとんどいません!

なんせ、ちゃんと宣伝もされてなかったのです!

当然、婦人科医の中にこの存在を知っている人は皆無に近いのではないか、とわたしは思います。

そして、野村先生とこの税金を使ったガイドランの結論を要約すると、以下のようになります。

精神症状のひどいPMS、すなわちPMDDには、まずSSRIを使いましょう。

日本で使えるのは、ジェイゾロフト、パキシル、ルボックス、そしてレクサプロ。
できれば、この中から1つ使います。

効果がなければ、他にまだ使ってないSSRIを試します。

そして、それでもだめなら、さらに使ってないSSRIを使うか、もしくはアナフラニールやトレドミン、サインバルタを使います。

それでもだめなら、初めてピルの出番です。

びっくりですね。ピルの順位がこんなに低いのですね。

どうして?

実はピルに重篤な副作用、すなわち血栓症があります。

血が固まるんですよ。

血が固まると、そこより先の血管に血液が行かなくなって、下手したら心筋梗塞とか、いろんな問題が起こるのです。

それと比べると、抗うつ薬がはるかに安全です。
少なくとも人は死にません。

実はこれまでわたしもピルを勧めてきました。

今後は患者さんに説明をし、考えて頂くことにします。

まとめます。

精神症状のひどいPMS、すなわちPMDDは、第一治療薬から第三治療薬まで、全部精神科の薬ですよ。

第四の治療薬にやっとピルが入ってきます。

以上です。

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前回は、ピルでは、PMS(月経前症候群)はダメですと書きました。

さすがにこれだけ書くと、婦人科の同期から抗議が来そうです。

でも来ない気もします。

なぜなら、どう考えたってわたしの阪大の同期が、しかも婦人科の同期がこのブログを読んでいるとは思えないからです。

まあ、友達の少ないわたしですから、納得納得。

でも、友達は少数精鋭でいいですよ。

男友達は、普段は連絡を取り合わないですが、いざとなったら、頼りになるんですよ。
もっとも、わたしみたいな人の誕生日は覚えないですが、自分の誕生日は言いふらす人は、やはり友達は減るでしょうね。

と、言うことで、PMSに話を戻します。

ピルでどうしてPMSはダメですか。

実は完全にダメというわけではなくて、身体症状、たとえば腹痛や食欲の増加などがメインなら、それで良いと思います。

しかし、もしPMSの症状のなか、精神症状が目立って、日常生活に支障が出るほどだったら、もうPMSじゃなくて、PMDD(月経前不快気分障害)になるんですよ。

たとえば、自分が価値のない人間に思えたり、不安や緊張、絶望を味わったり、急に悲しくなったり、また涙もろくなったりする。

そして、人によっては、人間関係がとげとげしくなったりもします。

そうなると、もうPMDDと言うようになります。

PMSは女性の八割が経験するのですが、PMDDは約5%と言われます。
20人に1人くらいです。

重要なことは、このPMDDに、まず使われる薬は、ピルではないのです。

前回まで、空腹を感じるなら、空腹をなくせばいいと言ってたじゃないですか。
ならば、生理がくるまでイライラするなら、生理をなくせばいいでしょう。
だから、ピルで良いでしょう。

そうなんです。

わたしも、先週までそう思っていました。

しかし、違うんです。

また次回。

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