調子の良い時、薬をやめていいですか。 | 精神科医の役に立たない独り言

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調子はどうですかって、診察の最初によく聞く言葉ですね。

これで患者さんが大抵「いついつ調子は悪かった、いついつは良かった」と答えます。
そこからまた話が広がって、具体的に症状を聞き出して、治療していきます。

そして、「調子の良い時、薬を飲まなかったので、まだ余っています。」とよく言われます。

実はこれがあまり望ましくない時があります。

と言うのは、薬は大きく分けて「調子を良くする薬」と「悪くならないようにする薬」があるのです。

調子を良くする薬なら、当然調子の良い時は飲まなくていいですよね。

でも、調子が悪くならないようにする薬なら、むしろ良い時こそ、ちゃんと飲んで悪くならないようにしないといけないですね。

そして、何でもかんでも減らして飲むと、やはりまた調子が悪くなりますね。

考えてみれば、「調子の良い時、薬を飲まなかった」ということは、「調子の悪い時もある」と言っているようなものですね。

であれば、調子が悪くならないようにする薬をずっと飲んで、常に調子が良いようにしませんか、と言いたくなります。

要するに、治療より予防が大事ってことですよ。

一番調子が良い患者さんは、実は診察の時にあまり体調のことを言わないですね。
世間話がほとんど、薬もほとんど変わらないですね。

では、わたしが今飲んでいる薬がどっちなの?と聞きたくなるよね。

これは、主治医に聞くしかないので、できれば自己判断しないようにお願いしますね。

年明けみんな調子が良いようで、今週も来週も新患が少ないです。
ぜひこの調子でみなさんに過ごしてほしいですね。

もし今日も調子が良いかどうか、自分で気にしているのであれば、一度お薬について、主治医と相談しましょうね。