「トイレの清掃員が主人公の映画なんて、誰が観に行くの…?」
職場で事務員さんが言ってた。
そんな話をしてた事務員さんは、きっと100%観に行くことのない映画なんだろうね。
あっ、オレは観てきたよ(笑)。
役所広司演じる平山は、毎日単調で同じリズムの生活パターンに、ささやかな幸せを見いだして生きている中年の独身男性だ。
基本的にはトイレ清掃員の一日を繰り返し、繰り返し観る作品だから、冒頭の事務員さんの会話もうなずける。
それでもなぜか心に沁みる作品なのだ。
特に印象的だったシーンは平山が毎朝、現場へ向かう時のカセットテープの選曲が渋くていいねぇ。
洋楽に疎いオレでもそう感じた。
もうアニマルズの『朝日の当たる家』のメロディが流れてきた時点でつかみはOKだね!
劇中、石川さゆり演じるスナックのママが日本語歌詞でこの『朝日が当たる家』を一曲披露してくれて、何気に我々観客にまでサービスが行き届いて嬉しい場面だ(笑)!?
石川さゆりもいいけど、ちあきなおみが唄う『朝日が当たる家』もこれまた絶品で、聴くとトリハダものなんだよねぇ!
あっ、そういえば樹木希林さんがロックンローラー内田裕也氏の楽曲カバーの中で一番好きな曲が、この『朝日の当たる家』だと聞いたことがある。
たしか、希林さんの人生の最後に聴きたい曲でもあったはずだ。
って、話が大きくそれたけど、(いつものこと?)作品を観る限り今の時代にカセットテープを求める人も増えてるらしいね?
オレも押し入れの奥に昔のカセットテープをいくつか持ってるから、探してみようかな?
だけどあいにく、今の車ではカセットテープを聴く事ができないけどね…(苦笑)。
とにかく、
この作品を観た後… しばらくして心の中で何かが、じわじわと広がってくる感じ…
なんだか、もう一度観たくなってきたよ。
この先、主人公の人生はどうなっていくのか分からないが、決して不幸にはならないだろう。
だって、トイレには神様がいるって言うじゃない?
失礼しました(笑)。