最近読んだ5冊 | がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

がんばる地上の星たち!高知と松山のまんなか・仁淀川町

土佐の山間・仁淀川町(によどがわちょう)の(元)地域支援企画員の日記!

またまた、最近の読書から。

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ノンフィクションしか読まないはずが、小説である。しかも、19世紀後半の作品である。
H.G.ウェルズさんの
「宇宙戦争」
である。SFもの。
この作品は有名でしょう。10年くらい前、トムクルーズ主演「宇宙戦争」で見たやつの原作である。この映画も好きなんですよね。
映画と違って本作の舞台は英国ロンドンや周辺エリアである。火星人が襲来して人類はメッタメタにやられる。英国の軍隊なんて全然歯が立たない。そう、作品で表してるが、火星人から見れば人間なんて「害虫」のように駆除されてしまう。逃げ惑うばかりである。そんな中で人間模様が繰り広げられる。そう、内容的には19世紀後半の英国なんで、当時の人の暮らしが垣間見れてある意味興味深い。文字で表現された火星人はとっても気持ち悪いうえに、あの映画にも出てきた戦闘マシーンの冷徹な殺戮シーンは、日頃、そこらへんに住まう虫たちが我々を見るようなもんかもしれん。しかし、いま読んでも良いSFだ。なんでこんな話を19世紀末に創造できたのか!
映画「宇宙戦争」もまた見ようか。



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2冊目は、渡部昇一さんの
「日本史」
である。
渡部昇一さんは英語学の先生だが、書かれる歴史関係の本はほんと、歴史に疎い私にはわかりやすいうえに、間違って教えられてきた日本の歴史についてしっかりと軌道修正してくれる。
この本は、前書きにも書いてあるが、〝大人のための歴史教科書〝である。
古代、中世、近世、近代、現代までを網羅している。学生時代に習った時はやたらと暗記アンキであり、そもそも何がどうしてそうなったか、本質がよくわからないでいたが、やや、頭の中が整理されてきた気がする。
なかでも、何回か読んだ章は、中世、なかでも混沌極めている室町時代について、興味が湧いてきた。なぜ、あれほどの戦国時代が室町時代に前後して起こり、江戸時代へと繋がるのか、さらに別の歴史本を読んでいきたい次第である。



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3冊目は、中村豊秀さんの
「幕末武士の失業と再就職」
〜紀州藩田辺詰与力騒動一件〜
である。
本書は、幕末の紀州藩、いまの和歌山県にいた武士、なかでも徳川家康恩顧の与力サムライ22人が急に紀州藩からほぼ解雇にも近い扱いを受け、この徳川恩顧の歴戦の武士末裔達は、その意地とプライド、武士道を貫き、波乱万丈な幕末から明治を駆け抜けた人間ストーリーなんである。なかなかに粘り強く生きた彼らである。折り目がいくつも付いた(=゚ω゚)ノ
幕末という時代の転換期の紀州藩内部の事情にタイムトリップである。


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4冊目は、図書館で借りた本。
渡部昇一さんの本で中世室町時代に興味がわき、借りてきた本。
本郷和人さんの
「戦いの日本史」
〜武士の時代を読み直す〜
である。
私にとってはレベルが高くて難儀するが、普通の歴史本とは一味違うという印象があり、なぜ、いままで日本史が面白くなかったかがわかった気がした。
中世は戦乱、混沌の時代だ。戦や一揆、乱が多いが、それは時代背景、それまでの緻密なつながり、憎しみの連鎖があり、原因と目的があり、結果がある。著者が言われる1467年の応仁の乱ほどワケごわからない戦はないという。読んでみて、そのあたり、なるほどである。そもそもよくわからない南北朝時代、室町時代、安土桃山時代というパラレルワールド。
歴史研究家がワケわからんのだから、歴史小説でわかった風になってもあかんと思いました。歴史の真実、本質を知りたい、願わくば。
本書はまた読みたいので、ソッコー、amazon発注してしまった(=゚ω゚)ノ



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5冊目は、
吉本哲郎さんの
「地元学をはじめよう」
を読んだ。これも図書館の本だ。

著者はあの水俣病がかつて発生した水俣市役所の職員として、健康被害、環境破壊の中から、地域を活性化していったアイデアマンである。水俣病から、目を背けず、地域の人と一緒になり、足元の土地の人の歴史の生活の地盤を見つめ、未来を見据えて希望を持たせたのだ。それは、驚異的に結実していく。
当時は「地元学」とは言わず、しかし、その手法は全国、海外へ伝播し、地元学となっていった。そう、ちょうど、高知県でも前知事である橋本大二郎氏が初めて導入した地域支援企画員制度が始まる少し以前の頃だ。こういう地元学が大切であり、必要とされ、高知県の各地域でも地元を見直す活動が始まったのだろう。
改めて本書を読み、私はいま勤務している香南市で地元学的な活動、勉強会から始めてみたいと思う。地元を地元の人が改めて知る機会をコーディネートしたいと思う気持ちを高めてくれた一冊であった。



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