大吉原展 | sunshineのブログ

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家族の借金のため劣悪な環境で働かざるを得なかった遊女もいたことなどには触れられていないなど

遊郭の「負」の部分が抜け落ちているのではないかなどと揶揄され

何かと物議を醸した吉原展。ここも会期ギリギリで鑑賞しました。

 

見どころの一つは、米ワズワース・アテネウム美術館が所蔵する、喜多川歌麿の最大級の肉筆画「吉原の花」。およそ2メートル×2.7メートルの大画面に豪華絢爛(けんらん)な着物をまとい、夜桜をめでる宴(うたげ)を楽しむ女性たちが描かれていて、まさしく不夜城。

 

会場は吉原を再現していたり

映像で原っぱの中に忽然と現れる吉原や、そこまでのアクセスを再現していたり

人形作家ジュザブローさんの作られた人形による花魁道中や女郎を拝したモデリングがあったり

なかなか趣向を凝らしていたと思います。

 

問題の遊郭の負の部分が抜け落ちているという面に関しては

捉え方は世代の違いなのかなと思う節もありました。

私のようなおばちゃん世代は、小さい頃から

時代劇などで遊郭について知っていたり

書物を読んだり、(今回展示があった樋口一葉の「たけくらべ」も懐かしいです)

はたまた伝聞として吉原の負の部分を断片ですが知っていたので

吉原が単なるエンターテイメントの世界ではなく、

そこは女性搾取(男性搾取もあったでしょうが)負の面で成り立っていたということは暗黙知のようなものなので、この展覧会の捉え方も違っています。

 

和歌や俳諧、漢詩や書などに通じた遊女が芸事で客をもてなす文化サロンのような場だった――

という面ばかり見られている、とかなり叩かれていますが

高い教養をもち、容姿端麗で、今でいうハイスペックな女子になれるのは一握りだけ。

そうでない女子や、歳を重ねても身請けしてもらえなかった女性の末路は想像できます。

望まない妊娠、堕胎、病気、梅毒や劣悪な環境も当然あったでしょう。

 

 

 

↓入り口にかけられていた「ごあいさつ」

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ところで、

2020年の「企画展示 性差(ジェンダー)の日本史」(国立歴史民俗博物館)など新しい研究成果も解説やコラムで紹介している300ページを超える図録は

多様な視点で吉原をとらえようとする工夫がなされていて、

もう図録は買わないと心に決めていたのに買ってしまいました。

何の苦行かと思いながら帰路につきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

友達と疲れたねと、ランチお茶して帰りました。