大学に入ってからも
同級生とは年が離れすぎていて
距離を置かれた。
(もう20代後半に差しかかっていた)
3年に上がるとき
ゼミナールを決めるのだが
人気のあるゼミは希望者が殺到する。
こういう場合
ふつうは面接をして学生を割りふると思うのだが
学校側の怠慢で抽選という安易な方法で決められた。
第一希望、第二希望も落ちて
決まった先は
皆が敬遠する厳しい教官のゼミだった。
文字通り外れくじをひいてしまったのだ。
「先生には挨拶に行ってくださいね」
と学務係に言われ教官室を訪ねた。
室の前でドアをノックしようとした時
一人の青年がおずおずと近づいて来て
「ゼミのOBの人ですか?」
僕はその時28才だったけれど
事故の後遺症やそれまでの苦労で
ずっと年上に見えた。
30過ぎのOBに見えたのだろうか。
苦笑するしかなかったが
もう一人憂鬱な顔をした女性がやって来た。
「これから2年間どうしよう」と
考えているようだった。
結局外れくじを引いたのはこの3人。
それが彼ら二人との出会いだった。
僕にとってゼミは思いのほか
居心地のいい場所になった。
ゼミは通常5人から10人ほどだが
10人もいれば若い学生たちとは話が合わなくて
引け目を感じもするが
3人という人数はちょうどよかった。
教官も、若い学生だけでなく
中間の年の僕がいるせいか
噂に聞いていたほどのピリピリムードはなかった。
それと教官は専門書を英語で読む
「外書講読」に力を入れていて
英語の得意な僕にはこれも幸いした。
難しい授業についていけない二人のために
時間外にも喫茶店やキャンパスの芝生に
集まってレクチャーした。
僕にとっては和やかな日々だったのだ。








