編むこと✕縫うこと=私 | 編・縫・織の暮らしの中で

編・縫・織の暮らしの中で

高野山ふもとにある織物の町に生まれ
糸や布に囲まれ育ちました。

和歌山県橋本市高野口町
洋服お直し
手仕事工房SUNNY店主

地域衣料サポート・糸布製品お直し

手仕事工房SUNNY

橋本市高野口町向島223ー8
09030394300
2/25㈮9時〜5時
※今週は早く閉めます。

さにーです。
露、ウクライナ侵攻‥‥‥
新聞やテレビを見るのが怖いです💦

洋服作りで一番難しいのは【縮縫】だと思います。イセと読むのですが、漢字も難しく読めないです。簡単に言うと寸法が違うパーツを縫い合わせる事で、肩など立体的に丸みを出し身体に沿わせる縫い方です。
私なんてイセて付けるのが当たり前時代のお稽古で、セットインのギャザーやパフスリーブが多かった頃です。
袖山が高い(寸法差が大きくなる)ほど、よりフォーマルになり、それはそれは難しいです。

どこかで名前も知らないベテランであろう誰かが縫っている工業用繊維製品の袖付の美しいこと。私はこんなに美しい袖付は逆立ちしても出来ないです。
イセるにはコツと慣れがあるのだと思いますが、指先に力が必要です。テーラーは男の人が多いのも納得です。
私、手が小さく指先の力もめちゃめちゃ弱くて箸より重いものを持ちたくない人です。
指先の力と縫製の腕は比例すると言われ、恥ずかしい思いをした事もあります。織物会社では重い糸の箱を持てず私は大迷惑の役立たずでした。

私の手は『編む手』でもあるので、縫う時指先に力を入れる事に抵抗してしまうのです。お直しをする自分の指にブレーキをかけちゃうので、イセの壁を越えられないのです。情けないような悔しいような、負けたような気がするのは私の気の強さなのでしょうか。
はい、そうです。自分に納得です。

自分らしいモノ作りをすっかり忘れていました。

タンスの中で眠っていた風通編生地カットソー✕カシミア素材のアラン手編みとのコラボで、トリミングはかぎ針編みです。

指先に必要以上の力を付けると編めない手になってしまう気がします。空気をたっぷり入れながら、ふっくら暖かくて優しい編地が作れなくなると困ります。

袖付も縮縫も紳士服も、もういいや。
そう思ったら楽ちんになりました。
編むこと✕縫うこと これが私です。