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SUNNY GARDEN

ESTUDIO EL HOMEOSUTASU.

VAMOS A MIRAR Mi JARDIN.

前回、9月の国際セミナーで、バレリオ先生に教えていただいたCroton tiglinum について書きました。

 

驚いたことに、10月末に参加したダイナミス・スクールでもジェレミー先生がこのレメディを取り上げられたのです。

 

ダイナミス・スクールは、ジェレミー先生が世界各国でホメオパシー・スクールを卒業した人向けに開いている学校です。

学校といっても、どこかに学び舎があるわけではありません。

「私の行くところが学び舎」であると、ジェレミー先生は、言われます。

世界中で、ジェレミー・シェアに学びたい生徒たちが集まるところ。

学校は、年間12日間、3年間の授業が行われ、カリキュラムの終了と共に終わります。

いかにも、ユダヤ人らしい。

国際的で、魅力と実力をもった、圧倒的な存在感。

 

日本でのダイナミス・スクールは、京都で開催され、3年目を迎えました。

3年目に入って世界中がコロナの渦に飲み込まれ、今回は、オンラインの授業になってしまいました。

 

 

Crot-t.は、それほど使うことが多くないレメディですが、コロナには、よく使ったというそうです。

 

同じレメディを立て続けに、違ったお二人の先生から、違った視点で学ぶことが出来た不思議、そして幸運に驚いています。

 

 

 

ジェレミーは、現代医学は「名詞」、ホメオパシーは「動詞」だといいます。

「名詞」はStatic 静的で、「動詞」はDynamic 動的。

 

今、病院で行われている通常医療は、「血圧」「血糖値」「過敏性腸症候群」「アトピー性皮膚炎」など「名詞」の表現が多い。

どれも、症状を抑え、標準値にコントロールするということを目指す治療です。

 

一方、ホメオパシーでは、病気は生命力の乱れと考えます。

乱れは「感覚」と「機能」の乱れとして表現されます。

ですから必要なのは、「どのように感じるか?」「どのように、機能が乱れているか?」という情報。

 

今回のCroton tigurinum の授業は、ジェームス・タイラー・ケントのマテリアメディカを「動詞」の視点から見ていきました。

 

 

レメディの原料の「ハズ」から作った油を皮膚に塗ると、炎症を起こします。小水疱とのう胞ができ、赤くなり痛みます。

 

このレメディのプルビングを長期にわたり行うと、発疹のように外側にでる症状とリウマチ、咳、腸のように内側にでる症状が交互に現れるそうです。

 

もっとも重要な症状は「腸の症状」です。小児コレラに有用。

子供がコレラで腹部が膨らむ。

こういった子に母乳をあげるといっぺんに噴出するような下痢を起こします。

何かが、充満。

そして狭いところから噴出。

 

咳も、コロナでよく使ったそうです。

夜に悪化する。横たわれない。十分深く息が吸えない。肺を広げることができない。

ジェレミーの経験したコロナは、呼吸器の症状が中心ですが、肺がいっぱいで出せないというのが特徴的だったそうです。

内側がいっぱいで、出せない。

大きな力で出さないといけない。

 

ルストクスと並ぶ、皮膚のレメディでもあります。

激しい痒み、灼熱間、赤い皮膚。発疹、水ほう、水ぶくれ。

 

目の炎症のレメディです。

化膿性眼炎、目の周りの小水疱ほうや膿疱。

特徴的なのは、目が後ろに糸で引っ張られるような感覚があるということです。

 

乳腺縁のレメディでもあります。

お乳が充満して、痛い。

授乳時の乳頭から背中にかけての痛み。

ここにも、乳首を糸で後ろに引っ張られるような感覚がみられます。

 

このレメディを「名詞」で見てしまうと。

・皮膚炎のレメディ。

・下痢のレメディ。

・目のレメディ。

・乳腺炎のレメディ

・咳のレメディ。

ということになります。

 

でも、それでは、Crot-t.にたどり着けません。

動的なところに目を向ける必要があります。

内側が、いっぱい、いっぱいにつまって、細いところから噴出する。

「糸」で後ろに引っ張られる感覚。

こういった表現が、ホメオパシーでは解決の鍵となるのです。

 

マテリアメディカは、症状の羅列で、読むのは退屈です。

でも、ジェレミー・シェアはいいます。

レメディの「暗号」を読む解くことが大切だ。

それが読めたとき、無味乾燥なマテリアメディカは生き生きと、命のあるものとして私たちの目の前に広がってくる。

 

すばらしいけれど、私の場合、自力ではまだまだ難しいです。

道は、はるかなり・・・・。

 

 

 

 

 

 

今年も、去年に引き続きイタリアのフィレンツェで診療されているバレリオ先生のセミナーを、9月に開催することが出来ました。

 

去年までは、先生をお食事にお招きしたり、生徒酸たちとの懇親会を開いたり、セミナー後には京都での観光にご一緒したりしてきましたが、今年は、コロナの影響で今まで当たり前に出来ていたことが、いっさい出来なくなりました。

しかし、通信手段の発達は目覚しく、そういった困難はあっても、オンラインでセミナーを開催できたのは、すばらしいと思いました。

 

バレリオ先生のセミナーの中心は、去年に引き続き四大元素についてとトウダイグサ科のレメディについてでした。

 

それ以外にも、流行病のホメオパシー的な考え方や、今回のコロナ感染症での臨床経験についても感動的なお話をお聞きすることが出来ました。

 

ケースは4つご紹介いただきました。

 

その中の1つ、トウダイグサ科の植物 Croton tiglium.のケースをご紹介します。

 

11歳の男の子。

小柄で顔色は青白く、恥かしがり屋で母親にくっついて離れない子供。

引越しをして、新しい地域にも学校にもなじめていない。

友達とも教師ともうまくやっていけない。

学業のほうも、集中力がなく、ぼんやりとしているので、まったくだめ。

父親は外国に暮らし、付き添っている母親の彼に対する態度は驚くほど切離された感じ。

 

彼が赤ちゃんだったときは、母乳は1滴もでなく、人工ミルクにも彼の体は拒絶し、下痢がつづいたようでした。

そして、今もミルクにアレルギーがあります。

今、一番困っているのは下痢。

腸にバズーカが入っているかと思われるほど、激しい下痢が夜中に起きます。

この少年は下痢を恐れていて、便が固形でないときは、まるで死ぬかのようなパニックになるそうです。

食べるのを止めて、失ったものを取り戻そうと絶え間なく飲み物を飲み始めます。

彼は、幼いころから下痢をして体の水分が減ると死んでしまうと思い込んでいるようでした。

 

バレリオ先生は、このケースでは、ケースの分析から統合にいく前に、この子の持つ心身のテーマを四大元素においていくという作業を加えられました。

 

身体症状の中心は下痢。これは「水の過剰」といえます。

そして、両親、地域、家、集中力のなさ。

これら生きていくための土台である、「土の欠落」。

他の要素も色々あるのですが、大まかに見ると、四大元素でみるとこの子の心と身体の関係が全体性として、土の要素の欠落と水の要素の過剰が見られます。

これが、このケースを貫く「軸」です。

 

バレリオ先生が示された統合は、

“乏しい土:サポートがない、人を入れる容器がない、動く根っこ(父、家、学校)、論理がない、母親によって栄養が与えられなかった。

水が噴出する:バズーカのように。水分を保持できない。”

でした。

 

この統合から導かれたルブリックスは、

RECTUM; DIARRHEA; children, in    直腸:下痢;子供における。

STOOL; FORCIBLE, sudden, gushing   便:むりやりの、強力な:突然:湧き出る。 

RECTUM; DIARRHEA; chronic     直腸:下痢:慢性の。

RECTUM; DIARRHEA; eating; after; agg.  直腸:下痢:食べた後。 

GENERALITIES; FOOD and drinks; milk; agg.   全身:飲食:ミルク:悪化

STOMACH; THIRST         胃:喉の渇き

 

このケースには、下痢の問題だけではなく、皮膚や耳など他にも身体症状もありました。

でも、先生がとられたのは、下痢にまつわる症状だけでした。

四大元素で身体と精神のつながりをとらえ、ケースを貫く「軸」をつかむことで導き出された6つのルブリックスでした。

 

鮮やか!

感動!

 

レパートライズから導き出されたのは、Croton tiglinum.

 

 

東南アジア、主にマレー半島に生息するトウダイグサ科ハズ属の木です。

この植物の種子は巴豆(ハズ)と呼ばれ、これから作った油 Croton oil は、かなり古くから使われてきました。

巴豆油は、強い粘膜刺激作用と峻下剤、平滑筋刺激作用があります。

これらの作用から、中毒時に毒を体内へ排出するための下剤として使われてきたようです。

 

レメディには、熟した種子を使います。

 

このレメディを100年前のアメリカ人医師ジェームス・タイラー・ケントはマテリアメディカのなかで、「小児コレラのレメディ」としています。

 

小児の、黄色い水下痢が一度にぱっと噴出するような症状に良いレメディです。

便意は突然来て、下痢は飲食直後におき、お腹がごろごろなります。下痢の直前には腹部に疝痛があり、温めると楽になりますが、触ったり圧迫することで悪化します。同時に嘔吐や吐き気を伴うことがあります。

 

これらがこのレメディの中心です。

 

これ以外には、性器周辺の皮膚症状、ヘルペス、帯状疱疹、湿疹~強い痒みが特徴です。

このケースの男の子にも、耳の炎症による痛みや激しい痒みや酸性の便による直腸周り、精巣や太ももの痒みや赤み、がありました。

 

 

 

CHK専門コースでは、このケースの復習を全学年で10月の授業で取り上げました。

 

バレリオ先生のパワーポイントから作った資料に沿って、生徒さんたちに導かれるままに進んだ4年生~プロフェッショナルコース。

 

今回のセミナーは、バレリオ先生の熱心さから盛りだくさんでやや消化不良気味という感じだったのですが、復習ですっきりした。ケースのすばらしさが分かったというご意見の3年生~上級コース。

 

盛りだくさん過ぎて、付いて行くのが大変だった。

卒業生らしき人から漏れ聞こえた「美しい~。」「beautiful!」という言葉の意味が分かりました。~2年生/中級コース。

 

まだケース学習も未経験。

国際セミナーってすごいな!

なんだかちんぷんかんぷんだけど。~1年生/初級コース。

 

国際セミナーの限界は、受講者のレベルのばらつきです。

バレリオ先生もそのことに腐心されたようでした。

 

このケースはマッシモというイタリアの巨匠ホメオパスのものでした。

Croton tigliumの代表的なケースだったのだと思います。

皮膚と下痢。

激しい子供の下痢。

水分を受け付けず、どんどん排出していく。

子供にとっては生命を脅かされる危険な症状です。

 

ケースを通じてレメディを学ぶには最高の教材だったと思います。

 

バレリオ先生に大感謝!

 

 

 

先日(95日)、私の夫のクラシカルホメオパシー京都を主催する荻野哲也と卒業生の松本美紀さんがコラボでセミナーをしました。

 

松本美紀さんは、東洋医学、自然療法、ホメオパシーなどの幅広い知識と経験を駆使して、お子さんの健やかな成長をサポートするお仕事を、されている人です。

特に予防接種に悩むお母さんのためのセミナーは人気です。

 

そのわけは?

お母さんとして、わが子の予防接種をどうするかということを考えた実体験がベースになっているところだと思います。

母親となって、可愛いかけがえのないわが子を抱いたときに、必死で調べたご自分の情報をシェアしていくという立ち位置。

「松本美紀」の視点だとおっしゃっていました。

それを開示するのは、誰もが出来ることではありません。

考え方は千差万別。

自分の意見を公表するということは、強い批判も浴びる可能性があります。

本当は、自分で調べるべきなのです。

今は、昔と違って、個人が情報を手に入れることははるかに容易な社会にになっています。

しかし、なかなか忙しい日常、様々な理由から、多くのお母さんは、それができないでいます。

 

今回のセミナーは、まずは子供の免疫力についてのお話から始まりました。

子供の成長と感染症の症状やその意味。

感染症とワクチンについて。

 

松本美紀さんはよく、「自然に沿った子供の暮らし・体・心のこと大全」本間真二郎著を紹介されています。

 

 

私も娘に勧められて読んだ本ですが、第6章 ワクチン感染症 のところを読み返しました。

 

まずはじめに、述べられているのは、

 

「現在日本で行われているすべての予防接種は義務ではありません。」

1994年の予防接種法の大改定で強制摂取から努力義務に変わりました。

改正前の強制摂取のときは、摂取後の問題について国に責任があったので、予防接種後の裁判では、ほぼ国が全敗している状態だったのです。

ですから、予防摂取を受けるかどうかの判断を国から両親、保護者に移したということです。

1994年から、私たちは、国から、自己責任で受けるように責任をゆだねられているのです。

 

次に、述べられているのは、

 

「歴史的に見て、人の生命に関わるようなほとんどの感染症の大幅な減少はワクチン導入以前に起こっているということ。それは、公衆衛生、とくに上下水道の普及にあります。」

 

これ以外では、

 

「予防接種によってつく免疫は、自然に感染してつく免疫よりはるかに低い」

 

「すべてのワクチンは、劇薬に指定されています。」

 

「ワクチンの副作用の一番の問題点は、摂取後時間がたってからでてくる長期の副作用にある。」

 

「予防接種は、健康な子供に打つものであることも、とても重要。・・・何をメリット、あるいはデメリットと考えるかは、人により異なるのが当たり前。」

 

「」の中に書いた箇所は、赤字で書かれていた部分の抜粋です。

 

松本さんの考えは、この本の著者、本間先生に共感する立場です。

 

 

 

松本さんのお話の中で、私が1番感動したのは、「自己軸」と「他者軸」という考え方でした。

コロナ感染症の問題でも、

「他者軸」とは、ウイルス対策としてのマスク、ワクチン、薬、自粛など対処的な対策。

「自己軸」とは、免疫力や生命力を養い高める根本的な対策。

 

テレビから流れてくるのはもっぱら、「他者軸」のけたたましい騒音。

ネット上でも、街に出ても、「他者軸」の情報ばかりが耳に付き、そしてそれらは人間がどうしても持ちやすい不安と結びついて、私たちをきつく支配してきます。

 

しかし、落ち着いて考えてみると、感染症にかかっても、発症しない人、軽症ですむ人、重症化していく人・・・様々です。

その違いは、その人、その人の生命力の強さ。

健康レベルの高さです。

 

原因を外に求めて、それを避ける、攻撃するというのは今の社会、そして現代医学的な考え方に似ています。

 

それも必要だけれども、もっと足元を見つめて、全体的に自分たちがより健康的な存在になれるような生活、心の持ち方を大切にしましょうということ。

「自分軸」を養い育てましょう、というのが彼女のメッセージでした。

 

だれを批判するのでもなく、考え方の多様性を認めながらも、ご自分の意見をしっかりと勇気を持って発信する、強くてしなやかな松本美紀さんの健康的な姿に、皆さん勇気付けられていました。

 

それを受けて、私の夫である荻野哲也がホメオパシーの話しをしました。

 

教室受講の方は10名にしたのですが、ホメオパシーの学校を卒業してプロとしての活動を始めている人から、ホメオパシーについては、何も知らないという方まで。

メンバーの多様性を講師の荻野はうまく使って、面白おかしく、参加者全員の心をしっかりつかんですすめていきました。

 

まずは、ホメオパシーとは、「類似療法」だということ。

似た苦しみを使って、治癒を促していくやり方です。

 

「やけどをしたときに、あなたはどのようにしますか?」といった問いかけに

「水に浸します。」と初心者の方。

 

水に浸すと、瞬間的に楽になりますが、引き上げるとたちまちヒリヒリ。

水ふくれができて、治るのに結構時間がかかります。

これを逆療法 といいます。

高血圧には降圧剤。

発熱には解熱剤。

一般によく行われている対処法です。

 

類似療法を使うと、ぬるま湯につけるということになります。

その瞬間は、ぬるま湯が熱湯のように感じられるのですが、しばらくがまんしていると、痛みは緩やかになり、その場で完治です。

教室には、ぬるま湯につけた経験を持つ方がいて、その体験を話してくれました。

 

 

次は、現代医学では、その症状の11つに対して処方するのに対して、ホメオパシーでは、いくつかの症状を持つその人の「全体像」に対して1つのレメディを処方するという話。

レメディは、からだのどこかの一部だけに働きかけるものではなく、まずは、見えない生命力に届き、そこから、そのレメディごとに身体の感受性のある部分にそのレメディらしく、働きかけます。

 

耳が痛くて耳鼻科にいき炎症を抑える薬をもらって飲んだとき、その薬は「耳」にだけ作用するでしょうか?

薬は、胃を通って、腸で吸収され、血液に乗って全身を巡るのですから、心をも含めた全身にその人らしく全身に影響を与えるのではないでしょうか?

ホメオパシーは、症状11つに対して処方しません。

いくつかの症状を持つその人の全体像に一番類似した症状をおこすレメディを1つ使います。

 

そして、これが最も大切なのですが、ホメオパシーでは、病気の原因を外からくるものではなく、その人の「感受性・罹病性」によるものだと考えます。

昔、結核が感染力の強い国民病だったとき、家族全員が結核にかかっても看病に明け暮れた母親だけが罹らなかったという家族はけっこういたらしい。

どんなに病原菌にさらされても、その人に「感受性・罹病性」がなければ罹らないのです。

ホメオパシーでは、何か特定の病気に対する「特効薬」はありません。

その人の個性に合わせたレメディを使うことで「感受性・罹病性」を下げることを目指します。

 

今の病院のやり方は、「病名」をつけることがとても重要。

それによって治療方法が決まります。

患者を一般化していくやり方です。

レディメイドなやり方。

 

それに対して、ホメオパシーは、その人を個別化していきます。

病名ではなく、その人の個性にあわせた、全体像と似た症状像をもつレメディを1つ探していくやり方です。

オーダーメイドなやり方です。

病気への感受性を下げ、病との縁をなくしていくのがホメオパシーです。

 

 

 

おおまか、このような流れでセミナーは進んでいきました。

 

教室10名とオンライン20名のご参加でした。

教室の10名の方は、あの場・あの時間を充実感を持って共有してくださったようでした。

オンラインの方からの質問もでて、とても有意義な時間になりました。

 

セミナー終了後すぐ、1112日にまたコラボセミナーをすることが決まりました。

今から、とても楽しみです!

 

 

「女性性」とレメディ~

           アリストロキア・クレマティティス。Aristolochia clematitis  Arist-c.

 

 

女性らしさって?

男性と一番違うところは、子供を身ごもり生むということです。

妊娠出産は、1年弱の短い期間ですが、身体はその準備を思春期から始めます。

そして、生理はそのころから、出産適齢期を過ぎ、更年期を迎えるころまで、その人らしく心身に影響を与え続けます。

 

女性ホルモンの影響による病気といえば、Sep.

コウイカの墨を原料とするレメディです。

心身の状態が生理の前にも生理中にも、生理後にも悪化という項目に出てきます。

激しい運動や忙しい仕事をしているときには好調ですが、女性としての役割を担って動けなくなるとたちまち心身ともに停滞してしまうような人です。

 

強い性衝動を持ち、魅力的で、嫉妬心の強いLach.(ブッシュマスターの毒液)も女性生殖器と関係が深いレメディです。

分泌によって好転するこのレメディは、生理が始まる前が不調です。

生理が止まってしまう更年期は、絶不調、様々な症状に悩みます。

 

Puls(プルサティラ、アネモネの全草)もレメディの女王といわれているレメディ。

温厚で優しく従順な多血質、めそめそする女性に効果的なレメディです。

 

これらは、ホメオパシーを学ぶとき、まず最初に出てくるもっとも有名なレメディですが、勉強が進むにつれ、これらのレメディによく似ているけれど少し違うといったレメディも学ぶようになってきます。

 

先月プロフェッショナルコースでは、そういったレメディを学びました。

 

アリストロキア・クレマティティス。Aristolochia clematitis  Arist-c.

 

 

中央・南ヨーロッパ原産の多年草を原料とするレメディです。

 

アリストロキアという名前は、ギリシャ語のaristos 最高の locheia出産 という言葉に由来します。

この植物は古くから出産の助けになってきたようです。

 

この植物の特徴は受粉の仕方にあります。

この植物は、腐った魚の臭いを放ちハエなどの虫をおびき寄せます。

花の入り口は、誘い込むような色になっており、構造も入りやすくなっています。

つるつるして、勾配がきつく、あっというまに入り込んでしまうのですが、いったん入り込んだら脱出はほとんど不可能です。

花の内側に、硬い毛が下向きに生えていて、逃げ出せないようになっているのです。

「閉じ込められた」虫は、逃げようと必死で壁を羽でたたきつけます。

このようにして、虫が転げまわることで、おしべに花粉をつけさせます。

受粉が終わったころには、硬い毛は衰えるので、虫は脱出することができます。

 

「閉じ込められる」ということが、このレメディのテーマであるというホメオパスもいます。

1939年第二次世界大戦直前にこのレメディはプルービングされましたが、戦時中、収容所での閉じ込められることから起きた症状にこのレメディはよく使われたそうです。

女性の出産時や直後もベッドに閉じ込められるのでこのレメディが必要になるとも言われています。

 

インドの巨匠ホメオパスサルカール先生は彼の著書「JUST YOU SEE」の中で、以下のように述べています。

“ホルモン系に影響を与える多くの薬が出回っている現在の状況を考えると、貴重なレメディである。

過去に避妊薬を飲んだことがある場合、このレメディが役立つ。

このレメディは、プルサティラ+セピア+アルニカの混合である。”

 

身体的な1番の特徴は、生理にまつわるモダリティが多いということです。

この人が悪化するのは、生理前と生理後。抑圧された月経。初潮が遅いこと。更年期。妊娠。子宮摘出。

 

生理による出血が抑えられることによって悪化する人です。

子宮から出て行くべき血が「閉じ込められ」ているかのような状態での悪化。

逆に、好転に、月経分泌の流出というのがあります。

生理の前も後も悪化なのに、生理中は好転。

これは、たいへん珍しい症状・・・ホメオパシーでは、SRPといいます。

 

生理前の悪化ということで、PMSに苦しむ方にもマッチするレメディでもあります。

 

生理を止めてしまうピル以来悪化している人。

年齢的に生理が止まってしまう更年期の不調。

 

精神的な特徴としては、慰めによっての悪化。

これは、セピアと似ています。

プルサティラは、逆に、慰められるよくなります。

 

精神的な落ち込み、絶望、孤独感、未来への恐れといった感情を持ちますが、これらも戸外に出たり、生理が始まると楽になります。

 

気分は顕著な落ち込みと不合理な高揚感が交互に現れたり、内向性と外向性の極端な状態が現れたりします。情緒的な不安定性。

 

トラウマ的なショックや経験からの不調。

 

空腹感が強く、肥満になりがちです。

 

じっとしているより活動的に動けるほうが好調。これもSep.に似ています。

 

 

あと、女性のレメディとして有名なのは、Cimic.シミシフーガとCaul.コールファイラム。

どちらも、北米先住民が子宮疾患や出産の薬として使っていたものです。

Cimic.は、一般名ブラック・コホシュ、Caul.は、ブルー・コホシュと呼ばれています。

コホシュCohoshは、アルゴンキン語でデコボコという意味があります。

これらの塊根は、でこぼこ。

レメディには、根と根茎を利用します。

 

 

Carb-v.は、木炭を原料とするレメディです。

 

木炭の特徴がそのままレメディの特徴に反映しています。

 

木炭は、できるだけ酸素を与えずに燃やして作ります。

Carb-v.も酸欠レメディ。

酸素を取ることができなくなっている人に使います。

 

このレメディの特徴的な症状には、

GENERALITIES; FANNED; desire to be   扇いでほしい

 

というのがあります。

扇風機やエアコン、うちわの風に当たるのが好きな人。

 

 

酸素を取り込めなくなっている人って?

とても弱った人。

ターミナルケアのためのレメディのひとつです。

30代で癌を患い逝った娘さんを見送ったお母さんからお聞きしたお話です。

「呼吸がうまくできず苦しいときに、助けてもらった。」

「一時しのぎだったけれど、大きな救いだった。」

 

今回の授業では、初めてのお産のお話をしてくれた人がいました。

赤ちゃんは、呼吸をしていなくて泣かなかった。

助産師さんがこのレメディを飲ませてくれて、その瞬間大きな声で泣いたそうです。

 

この世から旅立つときのレメディでもあり、この世に来た瞬間に必要なレメディでもあるようです。

 

 

木炭を観察してみると。

 

 

 

色がありません。真っ黒。

水分がなく、弾力も、暖かさもなく、乾いて軽い感じ。

命を感じられない質感です。

植物のようなしっとり感がなく、鉱物の重みもない。

このレメディの特徴は、生命力のなさです。

 

大病を患った。

外科手術のあと。

活力がもどらす、皮膚も冷たく顔色も悪い。

でも、Carb-v.の人は、身体の内側に熱感があり、扇いでほしかったりするのです。

 

精神的には、

MIND; INDIFFERENCE, apathy; everything, to 

すべてに無関心。

こういったところは、Sep.に似ています。

Sep.は甲イカの墨のレメディ。

どちらも、黒いです。

でもCarb-v.の人は元気なときは長時間燃えている炭のようなバイタリティを持つ人でもあります。

 

 

木炭をもう少し詳しく観察してみると、わかることは、「多孔性」。

木を炭化すると、植物の血管である導管が残ります。

これが細かい孔となっているのが木炭の特徴的な構造です。

この無数の孔にさまざまな物質を吸い込み閉じ込めることができます。

身近なところでは、脱臭剤ですが、医薬品としても昔からよく使われてきました。

 

消化不良や便秘などで腸内にたまった有毒物質やガスを吸着して便として排出してくれます。

こういった作用は、単に消化器系の不調を助けるだけでなく、慢性腎不全による尿毒症の予防、緩和、改善にも効果があるというのを、ネットの記事で最近見つけました。

 

そして、ちょうど、その記事をみつけた頃でした。

ホメオパシーを一緒に勉強してきた古い友人。

透析をしていた男性なのですが、最近、Car-b-v.をインドのホメオパスから処方され、調子が良い、という話を聞きました。

彼は、腎臓移植によって、透析からは解放されましたが、胃腸の症状でも辛い思いをしていたので、セッションを受けたということでした。

なるほどな~。

今はそうではないのですが、数年前まで、彼はいつも黒ずくめの服装でした。

Carb-v.は、酸素不足からくる不調に使うレメディですが、消化器系のレメディでもあります。

数年前、インドからお呼びしたサルカー先生は、鼓腸のレメディとして、Chin. Lyc. とともにこのレメディを上げておられました。

 

ゲップや放屁のレメディでもあります。

盲腸の手術をした方のお見舞いにいったことがありました。

「おならが出ないと、退院できないの。」と彼女が言ったので、

レメディのキットから、Carb-v.を出し、一粒飲んでいただきました。

翌日、無事ガスがでて、無事に退院できたようでした。

 

このレメディと相性の良いレメディ(Complementary remedy)はいくつかありますが、

Kali-c.(炭酸カルシウム)もそのひとつです。

炭酸カルシウムは、木炭に多く含まれています。

レメディ同士の相性は、自然界での関係性ともつながっているよう。

不思議だな~。

 

 


 

先日、専門コース4年目(プロフェッショナルコース)で学びました。

 

カリブ海地域と南米原産のマチン科の植物を原料とするレメディです。

 

ピンクルート、インディアンピンク、西インドピンクルート・・・などなどたくさんの名前を持ちます。

小さなピンクの花を咲かせるからでしょうか?

 

 

 

 

Worm grass(蠕虫草)、Wormbush(蠕虫藪)という名前もあります。

 

茂みや道端、空き地に咲く雑草で、目立たないたたずまいの植物です。

 

でも、この植物は、地味な姿には似ず、心臓に作用する強い毒性を持っているのです。

そして、それだからこそ、薬効もあるわけで、現地のスリナム人は伝統的に頭痛、神経痛、駆虫などに使用してきました。

 

 

 

ギリシャの巨匠ホメオパス、ビソルカスは、このレメディについて、

Serious people with serious pain.

と、いったそうです。

 

Seriousは、まじめ、本気、真剣という意味ですが、

病気や怪我が、重いという意味もあります。

 

マテリアメディカ Focusでは、責任感のあるNat-m.のような人だとあります。

 

このレメディの一番の特徴は、「激しい痛み」です。

 

Spig.は、心臓や首の神経、三叉神経、目、歯に症状がおきやすいレメディです。

 

三叉神経痛は、ちょっとした刺激で、顔に電気が走るような激痛。

人間が感じる中でも、もっとも強い痛みといわれているものです。

 

Spig.は、先端恐怖症のレメディでもあります。

 

MIND; FEAR; pins, pointed, sharp things, of 

(恐怖:ピン、とがったもの、鋭利なもの)

 

この症状は、Spig.とSilが有名です。

 

緑内障のレメディでもあります。

 

EYE; GLAUCOMA 

(目;緑内障)

 

頭、顔、目など、神経が一番敏感に働く部位に痛みなどの症状が集中するレメディ。

タバコにも敏感です。

 

 

 

このレメディの原物質には、心臓、おもに心内膜に作用する毒性があり、レメディの持つ症状にも心臓に関するものが多くあります。

 

Spig.の心臓にまつわる重要な症状(ルブリックス)の表を生徒さんたちにお渡ししました。

 

とりわけSpig.らしいものは、

 

CHEST; ANGINA pectoris, stenocardia; hot water amel. 

(狭心症;熱いお湯を飲んで楽になる)

 

CHEST; PALPITATION heart; visible

(外から見てもわかるような動悸)

 

CHEST; PALPITATION heart; bending forward; chest, of 

(動悸は、前にかがむと悪くなる)

 

CHEST; PALPITATION heart; lying, while; agg.; side; left 

(動悸は、左側を下にして眠ると悪くなる)

 

などです。

 

前にかがんで悪化したり、左下にして悪化するのは心臓だけでなく、Spig.の他の症状でも見られるモダリティ(よくなったり悪くなったりする要因)です。

 

Spig.に見られる心臓の症状を10個ピックアップして、レパートライズ表を作ってみると、

生徒さんたちが今まで学習したレメディが勢ぞろいでした。

 

Cact.(カクタス/月下美人)

Dig.(ジキタリス)

Lach.(ラケシス/ブッシュマスター)

Naja(ナジャ/インドコブラ) 

Aur.(オーラム/金)

 Lil-t.(リリータイガー/鬼百合)

Glon.(グロン/ニトログリセリン)

・・・など。

 

初級コースで学んだ超有名レメディから、つい最近勉強した小さなレメディまで。

CHK教材の冊子「Remedey Essence」で確認しました。

 

 

Spig.がマチン科の植物であることも大切です。

マチン科の植物には、ストリキニーネという神経に作用する毒が含まれています。

 

Nux-v(ナックス・ボニカ)が有名ですが、このレメディはの原料は馬銭子(マチンシ)と言われる痙攣毒を持つ大木の種子です。このレメディを必要とする人は、敏感でイライラしやすく、消化器系に問題を持ちやすいです。

 

Ign.(イグナシア)も、Nux-v同様、ストリキニーネ毒を含んだ大木の種子が原料です。こちらの方がより毒性は強いです。

悲しみから発症するのが有名。ヒステリックな反応をしがちです。身体症状も、痙攣的な神経系の症状が多いようです。

 

同じマチン科でも、Gels.はこれらとは逆に触れます。同じ神経的な不調ですが、痙攣ではなく、麻痺的な症状を起こします。

 

Spig.も神経のレメディですが、このレメディを必要とする人は、痛みに敏感で強い痛みを経験します。

 

 

 

私たちは、2007年の秋にCHKクラシカルホメオパシー京都を立ち上げました。

そのとき、ホメオパシーを深く学ぶ場所は、「京都」でなければならない。

というのが、主人の一番のこだわりでした。

たしかに、京都は他の町とはちょっと違う。

 

主人とは、学生時代からのお付き合いです。

ほんのささいなきっかけでした。

それから、かれこれ、40年以上もたっています。

まさか、このような成り行きになるとは・・・・。

 

「CHKクラシカルホメオパシー京都」を立ち上げるためには、まず、当時住んでいた伊丹市から

引っ越すということから始まりました。

 

専門コースが始まったのは、2008年4月。

その半年前に、京都と大阪でセルフケアコースを始めました。

42種のレメディキットを、ご自分や家族の日常的なトラブルに使えるようになることを目指す講座でした。

その講座の内容を、少しづつご紹介することを目的に、CHKのサイトの片隅に「レメディの使い方ABC」を作ってもらいました。

月に1~2回のペースで3年余りの連載となりました。

 

 

 

サイトの連載は、2010年に終わりましたが、その4年後に娘が記事を冊子にしてくれました。

うれしかったです。

 

 

表紙は、おしゃれなウサギとオコジョ(いたちの種類らしい)。

2匹は、ランプと鳥かごを持って、どこかに出かけようとしています。

何かを探しに、ランプをたよりに、出かける2匹。

 

娘は、どういう意図を持って、このような表紙を描いてくれたのか?

しかし、私たちをよく表現してくれていると思います。

 

 

 

“Sunny Garden”となずけた、このブログも娘に設定してもらって始めたものです。

 

今は、マンションでの快適な暮らしを楽しんでいますが、もとは、庭に出て、植物の世話をすることが好きでした。

日当たりの良い庭で、四季折々の花をを育てながらホメオパシーをしていきたいという思いがあり、

このようなタイトルにしたのです。

 

このブログも、やはり書くことは、ホメオパシーにまつわることでした。

オルガノンやケントを読み、さまざまな海外のホメオパスからの学びを深める中、

私のものの味方や感じ方は、ホメオパシーの考え方の影響を強く受けるようになったと思います。

でも、それは、私が本来持っていたものばかりでした。

そうではないのかな・・・・?

心の深くでかすかに感じていたことを、

やはり、そうだったんだ!

確信する道でもあったような気がしています。

 

 

このブログから、レメディだけをピックアップし、冊子”Sunny Garden”としてまとめたものが、以下です。

 

 

 

こちらの冊子は、2004年~2018年の中からレメディについて書いたものだけをまとめました。

53個のレメディが出てきます。

 

表紙の写真は、京都東山にある法然院の山門です。

10代のころから、繰り返し訪れてきた大好きな場所のひとつです。

 

 

その後また、冊子を作りました。

 

 

これは、北陸、永平寺。

なぜ、永平寺なの?

これは、冊子に書いています。(笑)

2018年から京都で始まった、ジェレミー・シェアのダイナミススクールに提出した課題を冊子にしたものです。

私にとってのホメオパシーとは?について、様々な人や出来事との出会いの中で気がついたことを書きました。

 

 

新型コロナ肺炎で、世界が混乱し、このゴールデンウィークも、”STAY HOME”と叫ばれどこに出かけることもできなくなりました。

その影響か、このブログのアクセス数も大変多くなってきています。

 

ですから、このような記事を書いてみました。

 

冊子を手にとって見たい方は、ご連絡ください。

お分けしたいと思っています。

 

「レメディの使い方ABC」 1,500円

「Sunny Garden」 2.000円

「北陸路」 1000円

 

送料込みです。

 

お問い合わせは、メールでお願いします。

 

oginochiemi@yahoo.co.jp

 

まで。

 

 

 

 

 

 

CHK専門コースの4月授業は、延期となりました。

正式な授業は5月から。

4月は、1日~半日程度の補講になりました。

 

新型コロナ肺炎が世界中に流行している今ですから、「パンデミック(大規模流行病・感染症)に対して、ホメオパシーの観点から考える。」というテーマで、学年ごとに、それぞれのレベルに合わせて勉強しました。

 

中級、上級、プロフェッショナルコースは、オルガノンを読み進んできていますので、ホメオパシーの原理についての良い復習ができたと思っています。

慢性病と急性病の違いと関係性。

流行病の捉え方。

ホメオパシーの考え方の根幹について書かれているセクションについての理解が深まってこれたと思います。

 

初級コースは、まったく始めての授業となりましたのでまずは、自己紹介から。

遠くは、岩手県花巻市の方から、兵庫県や大阪などお近くの方も、全員スカイプでの参加でした。

 

ホメオパシー初日の勉強でしたから、まずは、「同種の法則」から。

今回のパンデミックでよく出ている症状に似たレメディは何か?

有名な症状のルブリックスをご紹介し、レパートライズの結果の表をお渡ししました。

 

そして、ジェレミー先生が予防として推薦されている3つのレメディについて学びました。

 

3つのレメディについては、百科事典レベルにとどめました。

 

3つの中でも、一番面白いと感じたのがPhos.でした。

 

このレメディは、基礎講座では、2回目「根本体質レメディ」で学びます。

原材料の「燐」のあり方が、このレメディの全体像にきれいに結びついていくというのが、このレメディを学んでいくときの醍醐味です。

 

Phos.は「燐」を原物質とするレメディです。

燐は、動植物の生命維持に欠かせないミネラル。

 

天然には単体で存在せず、リン酸塩として鉱物・動植物界に広く存在しています。

燐を含む良質な鉱石は、先史時代に海に堆積した生物の死骸や海鳥の群生地積まれた膨大な糞の堆積物から生成されたものです。

 

燐は、幅広く、自然界の動植物に多く含まれる物質です。

自然界に多く存在するものを原物質とするレメディはそれを必要とする人も多いといわれていますが、このレメディを必要とする人もとても多いです。

ホメオパシーの基礎講座で、このレメディのお話をするとたいていは、どこかでクスクス笑いが聞こえてきて、「私の~は、こんな人です。そっくり・・・。」なんて話してくださる方、今まで何人もお会いしました。

 

レメディの原料は、大半が動物、植物、鉱物です。

これらを三界といって、それぞれに傾向があります。

燐は、鉱物ですが、動植物にも含まれているミネラル。

ですから、Phos.の人は、動物レメディのような、チャイームと、植物らしい敏感さと、鉱物レメディらしい構造的な感じを持ちます。

 

燐は、マッチの原料になります。

ぽっと燃えてすぐに消えてします。

はかない炎。

Phos.の人は、細いマッチの軸のようにやせた人が多いです。

明るく光を放ちますが、とても疲れやすい人です。

長続きしない。

エネルギー不足を訴えます。

お腹がすきやすい。

ちょっとした睡眠や食べ物をとることで、復活します。

 

花火の原料にも使われます。

花火は華やかでキレイです。

Phos.の人も華やかできれいな人が多い。

花火は、燃えているのが一瞬で、そのあとに闇の暗さをいっそう感じたりします。

Phos.の人も明るく輝いた人ですが、何かのきっかけで、火が消えたように暗くなり引きこもってしまうことがあります。

光と闇という軸をもち、両極を動きます。

これをホメオパシーでは、Polarityといいます。

 

 

Phos.の人のテーマは、「交流」。

これがうまくいけば、光り輝き、止まれば闇。

 

人間関係における「交流」は、身体のレベルでいうと、「循環」や「呼吸」ということになります。

うまく回ることが大切。

止まってしまうと、たちまち、とんでもない苦しみに襲われます。

 

今回、Phos.が「呼吸器」のレメディであることを再確認することになりました。

ジェレミーの経験された、あるいは報告を受けたレメディにもPhos.はよく上がってきていました。

私たちの周りでもPhos.はたいへん役立っています。

 

Phos.の呼吸器症状で有名なものは、

風邪を引くたびに、気管支炎から肺炎に進行する。

咳は、最初は乾性でやがて湿性になる。

喘息、慢性気管支炎などによる激しい咳、寒さで悪化する、読書や笑うこと話すことで悪化する。

焼けるような咽喉の痛みがあり、声が出せない。

 

Phos.は人間関係にたいする敏感さを持っている人です。

交流したい。

ハグしたり、触られたりして誰かを元気付けたり、また、されたい。

今の私たちの状況は、それが「危険」ということになりました。

皆がそれぞれ家にいることを求められています。

Phos.の人は、大丈夫かな?

 

でも、

 

MIND; DELUSIONS, imaginations; island, is on a distant, enjoying the tranquillity 

(妄想:離れ小島にいて、静穏を楽しむ)

 

という症状もあり、これに当てはまるのは、Phos.ただひとつなのです。

 

 

 

 

 

 

 

古くから、錬金術師が「吐酒石」として使っていた、催吐剤が原料です。

無色、無臭の白い粉末で強い毒性があります。

かつては砒素と同様殺人に使われたこともありました。

 

 

 

Ant-t.は、“Jeremy Sherr COVID-19 Web seminar”で登場する中心的なレメディのひとつです。

 

このブログの前回の記事でお伝えしましたが、コロナ肺炎の症状とマッチするところが多いです。

 

重い呼吸器の感染症。

咽喉や胸部に粘液がいっぱいたまり、吐き出せません。勢いよく咳をして、痰を吐き出す力もないほどに弱りきった状態。

呼吸は浅く、息苦しい。

粘液が詰まり、胸部でゴロゴロと音がする。

仰向けに寝るのが苦しくて、身体を起こして座っていたい。

冷たい汗。

いらだちや怒りからの悪化。

衰弱と眠気。

 

 

Ant-t.は、呼吸器・消化器・皮膚に症状を持ちやすい人にマッチします。

 

 

Ant-t.の原料である吐酒石は、かつて嘔吐剤として使われていましたが、「吐き気」はレメディの中心的な症状でもあります。

衰弱、眠気、吐き気といえば、つわりのときに経験する方は多いと思います。

このレメディは、つわりのときの力強い味方です。

 

皮膚症状としては、水疱瘡が、Rhus-t.(ルストクス:つたうるし)、Merc(マーキュリー:水銀)などとともに、有名です。

SKIN; ERUPTIONS; small-pox  : Ant-t., Merc., Rhus-t., 

 

周期律表をみると大変面白い発見があります。

 

 

第5シリーズ(銀シリーズ/芸術、パフォーマンスライン)の第15ステージ、Sb(アンチモン)の化合物です。

 

15ステージを見てください。

上から、N(窒素) P(燐) As(砒素) Sb.(アンチモン)

ジェレミー先生は、Ant-ars.(アンチモンと砒素の化合物)の可能性についてもお話されていました。

Ars.(アルセニカム/三酸化二砒素)は、インド政府が推薦したレメディです。

Nは、ホメオパシーの周期律では、「窒息」のテーマを持ちます。

Phos.は、コロナ感染症で活躍しているレメディ、予防的にもジェレミー先生は推奨されています。

そして、Ant-t.(アンチモニウム・タルト)。

 

コロナ感染症には、15ステージのエネルギーが流れているといえるのかもしれません。

 

周期律のテーマを初めてホメオパシーに取り入れた、ジャン・ショルテンは、第15ステージの中心テーマを「衰退」としています。

そのあとに、

衰弱。没落。喪失。失敗。災害。事故。崩壊。拒否。孤独。病気。毒。死。

という言葉が連なります。

 

今の私たちの社会全体を取り巻く空気に共通のものを感じます。

コロナ感染症は、事故や災害のように襲ってきました。

病気という毒は、社会をおおい、社会機能を崩壊しようとしている。

様々な試みは失敗に終わり、多くを失い没落していく人があふれて。

感染症への恐れは、人々を孤独にし、

病気にかかった人は衰弱し死が訪れる・・・。

 

 

 

アンチモンの化合物のレメディには、Ant-t.のほかに、Ant-c.(アンチモン・クルド)があります。

このレメディは、皮膚と消化器に問題を持ちやすい人です。

精神的な特徴は、ロマンティックな空想家、月の光に感傷的になるような人。

大食家で、皮膚症状を持ちやすい。

私はこのレメディを、とびひによく使ってきました。

(他にもたくさんの候補レメディがありますが。)

SKIN; ERUPTIONS; impetigo  : ars., dulc., hep.,  kali-bi., mez., nit-ac., rhus-t.,  ant-c.,  ant-t., 

 

Ant-c.とAnt-t.には共通の症状があります。

どちらも、天然には、輝安鉱として産出されます。

 

 

 

アンチモンは、銀シリーズですから、芸術的なことが好きです。

そして、15ステージは、ピークを過ぎてかなり崩壊、衰退しているところに位置しますから、死や自殺傾向も持ちます。

 

精神的な特徴は、見られることや触られることを嫌います。

気難しいタイプ。

皮膚と消化器に問題を持ちやすいことも共通。

どちらも、酸っぱいものをほしがり、牛乳で悪化します。

 

 

 

 

<COVID-19>

 

 

ジェレミー先生は今、コロナ感染症の方の診療をされており、世界中のホメオパスから集まってくる情報も整理されています。

そして、これらの症状を「統合」。

今、この流行病を追いかけるようなの作業をずっとされているようです。

追いかけていくうち、この病気の不可解さを感じられているようです。

 

 

 

初期のころに観察された全体性を表現した症状と特徴的な症状は、以下のようなものだったようです。

 

・熱。熱の間の眠気。

・頻繁な咳。咳が酷い。咳をして肺が外に出てしまいそう。食欲のない咳。

・咳とともに、痰を出せない、出せたららくなのに。痰と一緒に肺も出したい。

・息を吐くことはできるが、吸うのが困難。酸素すら入らない。肺が広がらない。それ以上は入らない。もういっぱい。

・副鼻腔がいっぱいで爆発しそう。あまりにもいっぱい。放出しなければならない。

・のど渇かない。汗も出ない。

・味覚、嗅覚の喪失

・断食しているような衰弱。強い眠気。

・鳥のように飛び出したい。

・内側の激しい怒り。破裂しようとしている。なにも我慢できない。

・中が充満して、何も入れることができない。

・カップルで入院の傾向:共生関係がある。独りがよくなるともう独りもよくなる。

・激しい怒り(陽)それが内側に向かっている。

・肺が粘液でいっぱい。そこにおぼれる感覚。

・殴られたような筋肉の痛み。

・壁をたたいて、隣の人と話したかった。人間と話したかった。

・私の肺が暴走している。普段、息をすることは意識していない。トイレに行くこと差へ、たいへん。ちょっとしたことで息が切れる。

 

これらの症状を眺めてどのようにお感じになりますか?

 

呼吸ができなく、衰弱して、眠い。

内側に水がたまって、出したいけれど出せない。

人間関係の分断。

 

これらを、統合(Synthesis)すると・・・・。

感覚:内側が充満している、何も入れられない、放出することができない。

機能:大きな力で放出しなければならない。

「充満しすぎているので、大きな力で放出しなければならない。」

 

 

この状態は、私たちの今の生活を反映しているように見えます。

ものを作りすぎてあふれている。

断捨離しても、その後から、物は増えていく。

マンションも、車も供給過剰。

質のいいものがあるわけではないけれど、スーパーにも食べ物があふれている。

 

そして、今は衰弱して、出かけることもできなくなってしまった。

 

過活動だった「陽」過剰な状態から、「陰」の弱く動けない世界への突然の移行。

 

では、これらの症状に類似したレメディは?

 

それが、Genus epidemicus !

 

それぞれの人が、その人の個性に応じた症状を出しますが、それらを「統合」してまるで一人の人のように症状像をつかめたら、それは多くの人にとって最善ではないけれど、使えるレメディになるのです。

 

多くの医師たちがホメオパシーによって患者を診ていた時代には、Genus epidemicusは、必須だったのだと思います。

一人ひとり、丁寧に問診するのは大切なのですが、いくつかの候補レメディの中から選べたら、診療時間はとても短くなった。

 

そして、これらは予防にもとりあえず使えます。

 

“Jeremy Sherr COVID-19ウェブセミナー” の始めのころのセミナーでお聞きしたときは、

Acon. Ant-t. Phos. Ph-ac. を提案されていました。

 

その後もケースの数はどんどん増え、多くのレメディが使われているようです。

それでも、やはりこの3つはよく使われているそうです。

 

 

 

全国的に緊急事態宣言が出され、CHK4月授業は延期となりました。

ですが、特別授業としてそれぞれの学年のレベルに合わせた“Jeremy Sherr COVID-19ウェブセミナー” 

のシェアをしています。

 

今まで、オルガノンで学んだことが、全世界で私たちが経験している現実をとおして、具体性を帯びての理解となっています。

 

急性病と慢性病について。

流行病とは何か?

 

私たちは、ジェレミー先生の偉大さを改めて知ることになりました。

 

ジェレミー先生は、「流行病とプルビングは似ている。」といわれています。

長年、多くのプルービングを経験し、新しいレメディを誕生させた先生。

タンザニアにいき、エイズの治療をされたのも、「流行病」を知りたかったからだそうです。

 

今回のコロナ感染症への対処について、プルビングを指揮された経験やアフリカでの経験がとても役に立っておられると思います。