先日、専門コース4年目(プロフェッショナルコース)で学びました。
カリブ海地域と南米原産のマチン科の植物を原料とするレメディです。
ピンクルート、インディアンピンク、西インドピンクルート・・・などなどたくさんの名前を持ちます。
小さなピンクの花を咲かせるからでしょうか?
Worm grass(蠕虫草)、Wormbush(蠕虫藪)という名前もあります。
茂みや道端、空き地に咲く雑草で、目立たないたたずまいの植物です。
でも、この植物は、地味な姿には似ず、心臓に作用する強い毒性を持っているのです。
そして、それだからこそ、薬効もあるわけで、現地のスリナム人は伝統的に頭痛、神経痛、駆虫などに使用してきました。
ギリシャの巨匠ホメオパス、ビソルカスは、このレメディについて、
Serious people with serious pain.
と、いったそうです。
Seriousは、まじめ、本気、真剣という意味ですが、
病気や怪我が、重いという意味もあります。
マテリアメディカ Focusでは、責任感のあるNat-m.のような人だとあります。
このレメディの一番の特徴は、「激しい痛み」です。
Spig.は、心臓や首の神経、三叉神経、目、歯に症状がおきやすいレメディです。
三叉神経痛は、ちょっとした刺激で、顔に電気が走るような激痛。
人間が感じる中でも、もっとも強い痛みといわれているものです。
Spig.は、先端恐怖症のレメディでもあります。
MIND; FEAR; pins, pointed, sharp things, of
(恐怖:ピン、とがったもの、鋭利なもの)
この症状は、Spig.とSilが有名です。
緑内障のレメディでもあります。
EYE; GLAUCOMA
(目;緑内障)
頭、顔、目など、神経が一番敏感に働く部位に痛みなどの症状が集中するレメディ。
タバコにも敏感です。
このレメディの原物質には、心臓、おもに心内膜に作用する毒性があり、レメディの持つ症状にも心臓に関するものが多くあります。
Spig.の心臓にまつわる重要な症状(ルブリックス)の表を生徒さんたちにお渡ししました。
とりわけSpig.らしいものは、
CHEST; ANGINA pectoris, stenocardia; hot water amel.
(狭心症;熱いお湯を飲んで楽になる)
CHEST; PALPITATION heart; visible
(外から見てもわかるような動悸)
CHEST; PALPITATION heart; bending forward; chest, of
(動悸は、前にかがむと悪くなる)
CHEST; PALPITATION heart; lying, while; agg.; side; left
(動悸は、左側を下にして眠ると悪くなる)
などです。
前にかがんで悪化したり、左下にして悪化するのは心臓だけでなく、Spig.の他の症状でも見られるモダリティ(よくなったり悪くなったりする要因)です。
Spig.に見られる心臓の症状を10個ピックアップして、レパートライズ表を作ってみると、
生徒さんたちが今まで学習したレメディが勢ぞろいでした。
Cact.(カクタス/月下美人)
Dig.(ジキタリス)
Lach.(ラケシス/ブッシュマスター)
Naja(ナジャ/インドコブラ)
Aur.(オーラム/金)
Lil-t.(リリータイガー/鬼百合)
Glon.(グロン/ニトログリセリン)
・・・など。
初級コースで学んだ超有名レメディから、つい最近勉強した小さなレメディまで。
CHK教材の冊子「Remedey Essence」で確認しました。
Spig.がマチン科の植物であることも大切です。
マチン科の植物には、ストリキニーネという神経に作用する毒が含まれています。
Nux-v(ナックス・ボニカ)が有名ですが、このレメディはの原料は馬銭子(マチンシ)と言われる痙攣毒を持つ大木の種子です。このレメディを必要とする人は、敏感でイライラしやすく、消化器系に問題を持ちやすいです。
Ign.(イグナシア)も、Nux-v同様、ストリキニーネ毒を含んだ大木の種子が原料です。こちらの方がより毒性は強いです。
悲しみから発症するのが有名。ヒステリックな反応をしがちです。身体症状も、痙攣的な神経系の症状が多いようです。
同じマチン科でも、Gels.はこれらとは逆に触れます。同じ神経的な不調ですが、痙攣ではなく、麻痺的な症状を起こします。
Spig.も神経のレメディですが、このレメディを必要とする人は、痛みに敏感で強い痛みを経験します。