ビタミンB群をとると、免疫があげるって本当?様々なウイルスが流行しているこのご時世、体力維持や身体の抵抗力をあげるために、たくさんの人がとっているビタミンB群。でも、ビタミンB群って本当に効き目あるの?どんな風にとるのが一番最適なの?それでは、一緒に見ていきましょう。
ビタミンB群とは、8種類の水溶性ビタミンのことで、ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12のことをいいます。人間の体内で補酵素の役割を果たし、生理機能を正常に働かせるために欠かせません。 しかもビタミンBは人体で合成することができないので、食品や栄養補助食品で補う必要があります。それぞれのビタミンBには、ちがった功能がありますが、ビタミンB群としてとらえた場合には、大まかに9つの効能が挙げられます。それは、新陳代謝を調節したり、脂肪やタンパク質を分解したり、皮膚や筋肉の健康を維持したり、身体の免疫系や神経系の機能を改善したり、造血作用に関わったり、目と心臓や血管の健康を維持したり、体力を補ったり、情緒を落ち着かせたり、胎児の発育を助けたりします。
ただ、ビタミンB群は栄養の補助的な存在なので、それだけでは身体の正常な機能を維持できません。完全な免疫機能を維持するには、白血球と抗体を生成するのに十分な栄養素が必要ですが、細菌が人体に侵入すると、免疫反応を促進するためのエネルギー代謝がさかんに行われます。 言い換えれば、免疫力を向上させたい場合は、バランスの取れた栄養をとり、タイムリーにビタミンB群を補って、自分自身の抵抗力を強化する必要があります。ビタミンB群はそれぞれ違った効能がありますが、ときに互いに影響し合ったり、チームワークで働きかけることもあります。まず、どのビタミンがどんな作用があるのかを理解してみましょう。どんな食物にどのビタミンBが含まれるのかが分かれば、より自分のニーズに合ったビタミン摂取ができますね。
ビタミンB1:またの名を、神経に働きかけるビタミンといいます。神経を正常な状態にし、筋肉を和らげ、身体の活力を高め、炭水化物の代謝を促進し、疲労を取り除き、気持ちの落ち込みや不安を回避し、体重をコントロールするのに役立ちます。 未精製の全粒穀物(玄米、さつまいも、かぼちゃ)、大豆製品、豚肉、ニンニク、ニラなどにはビタミンB1が豊富に含まれています。
ビタミンB2:またの名をエネルギー代謝のビタミンといいます。エネルギー代謝を担うほかに、炭水化物、タンパク質、脂肪の酸化分解を助けるほか、健康な皮膚、粘膜、髪の要となり、ニキビや口角炎などの肌トラブルを改善します。 ビタミンB2が長期的に不足すると、認知機能の低下やうつ病などの症状を引き起こす可能性があります。 ビタミンB2を摂取したい場合は、卵、アサリ、サバ、イワシなどを多く食べるとよいでしょう。
ビタミンB3:ナイアシン(ビタミンB3)はニコチン酸としても知られ、主に細胞が正常に機能するためのエネルギー源となるほか、全身の50カ所以上でさまざまな代謝経路を活性化するのに必要な補酵素の合成原料で、消化器系の健康にも役立ちます。 ビタミンB3が不足すると、うつ病、不安神経症、双極性障害、精神病などを引き起こす可能性があります。体内で必要なビタミンB3を補うために、動物のレバー、魚、鶏肉、酵母、玄米などをとることをお勧めします。
ビタミンB5:またの名をパンテノールとしても知られます。タンパク質のエネルギー産生と利用を助け、またコレステロールの合成とホルモンの生成を助けます。さらにストレスを和らげたり、善玉コレステロールの形成に役立ちます。 ビタミンB5を補うためには、緑黄色野菜、牛肉、穀類、キノコ類、アボカドなどを積極的に食べましょう。
ビタミンB6:このビタミンはピリドキシンとも呼ばれ、体内の様々な神経伝達物質と関連します。うつ病や不安神経症に関与する脳内の神経伝達物質に影響を与えて制御するため、うつ病の原因や治療との関連性という点では、ビタミンの中で最も重要です。 また、ビタミンB6は美肌に欠かせないビタミンであり、アレルギーを改善したり、妊娠中のつわりや月経前の不快感を和らげたりする効果もあります。 ナッツ類、ニンニク、赤身の肉、サケ、メカジキ、玄米、小麦、納豆、干し貝類にはすべてビタミンB6が含まれています。
ビタミンB7:ビオチンとしても知られるビタミンB7は、普通の卵や、チーズ、豆類、ナッツ類、黒ゴマ、玄米、小麦胚芽などに豊富に含まれていて、適度に摂取すれば皮膚、毛髪、脂肪、糖分の正常な代謝に役立ちます。
ビタミンB9:またの名を葉酸といいます。新しい細胞の生成と胎児の正常な発育を助けるため、妊娠中のママには欠かせない栄養素です。 食事でビタミンB9を補うためには、牡蠣、黒豆、ほうれん草、カリフラワー、にんじん、柑橘類、バナナなどを食べるとよいでしょう。
ビタミンB12:またの名をコバラミンいいます。赤血球の発育・成熟を助け、傷ついた神経を修復する働きがあります。 疲れやすいと感じる人は、肉類、牡蠣、アサリ、サバ、卵黄、海藻類などを多く食べてビタミンB12を補いましょう。
ビタミンB群は摂り過ぎた場合でも体内に蓄積されることなく、尿とともに排出されます。なので、中毒になるというリスクはありません。ですが、やはり長期的に大量摂取をするとなると、個々の摂取量や個人的な体の状況や年齢、身長・体重や性別を考慮したうえで、厚生労働省が推奨するビタミンの摂取基準を参考にしてみて下さい。
ビタミンB群は水溶性ビタミンで、脂肪と一緒に吸収される脂溶性ビタミンと異なり、食前でも食後でも補給できますが、胃腸の働きが弱い人は空腹時に摂取するのは避けてください。摂取するのに最適な時間帯は、一日を通して代謝を維持する朝食後が一番いいですが、午後に疲れやすい人は昼食後に摂取することもできます。「ビタミンB群はリフレッシュ効果があるので夜にとると眠れなくなる」という世間の噂についてですが、これは間違いです。ビタミンB群は、体内で不足しているビタミンBを補うものであり、中枢神経興奮剤(カフェインなど)とは作用原理も異なるため、そのような摂取後に夜眠れなくなる、という問題はありません。
さて、それではどんな人がビタミンB群をとるべきなのでしょうか?常にストレスにさらされているサラリーマン、または仕事がら残業や接待が多い営業職の人、栄養のバランスが気になるシルバー層、ヘルシー志向の人、受験生、妊婦、ダイエット中の人、ベジタリアンなどなど、これらの人たちはすべてビタミンB群を摂取するのに適しています。ただ気を付けたいのは、身体が疲れたというサインを出していたら、速やかに休みをとるべきです。そんな時に、やみくもにビタミンB群を補うと、体は疲れていなくて働き続けられると思い込み、かえって健康を害してしまいます。ビタミンB群を摂っていても、休むべき時はしっかり休みましょう。
ビタミンB群を飲む時に注意したいことがいくつかあります。
・ビタミンB群を飲んで、すぐ利尿作用のある飲み物(コーヒーや紅茶など)を飲んでしまうと、わりに早い段階でビタミンB群が身体から排出されるので、気を付けましょう。
・ビタミン B6 は、パーキンソン病治療薬レボドパの中枢神経系への濃度に影響を及ぼし、その有効性を低下させる可能性があるので、パーキンソン病患者は特に注意する必要があります。
・元気が出なかったり、新陳代謝に問題があるのは、必ずしもビタミンB群などの栄養不足とは限りません。もう一度自分の生活習慣や食生活をチェックしてみて、適切な調整を行いましょう。
(Yahoo奇摩顧健康より)