ヒックマンカテーテルを設置し、大変な処置はひとまず終わった。

ようやく一段落するのかなと思っていた。

ところが、まだ終わりではなかった。

骨髄移植を安全に行えるか確認するため、全身の検査を受けることになったのだ。

 

病院内のいろいろな診療科を回り、外来患者と同じように待合スペースで順番を待つ。

病衣を着ているので、一目で入院患者だとわかる。

ただ、病院では珍しいことではないので、周りの人は特に気にする様子もない。

 

共通の検査

最初は心電図や肺活量など、一般の健康診断でも行うような検査だった。

「もし心臓に問題が見つかったら、移植は中止になるんだろうか…」

そんなことを考えながら検査を受けていた。

肺活量は思ったほど伸びなかった。

子どもの頃に10年ほど水泳をやっていたので少し期待していたが、あまり関係ないらしい。

 

皮膚科で相談

次は皮膚科だった。

「何か気になるところはありますか?」

と聞かれたので、少し悩みながら答えた。

「痔ができて、お尻が痛いんですけど…」

本当は肛門科なのかもしれない。

でも外から見える場所だから、皮膚科でもいいかなと思って聞いてみた!

皮膚科の先生は一応確認してくれて、

「まぁ、大丈夫でしょう。」

と一言言った。

「私は皮膚科なので診られません。」

とは言えなかったのかもしれない( ;・∀・)

 

鼻から管の耳鼻科

頭のCTとMRIを撮った後は耳鼻科だった。

「特に問題はなさそうですが、鼻の骨が少し曲がっていますね。」

子どもの頃、転んでコンクリートに鼻をぶつけたことがあったので、その影響だろうか。

「では、ちょっと見てみますね。」

鼻の奥へ麻酔のスプレーをされ、そのまま細い管が入っていく。

初めての経験だった私は、

「その管、脳まで行ってしまうって!!!」

と焦った。

検査が終わっても鼻の奥はしばらく麻酔でしびれたままだった。

耳鼻科は最後に受ければよかった…

 

とぐろ眼科

最後は眼科だった。

眼科は検査が多く、いつも待ち時間が長い印象がある。

名前を呼ばれ、暗い診察室へ入った。

 

視力は悪いが、それ以外は何も問題ないと思っていた。

ところが、診察していた先生が

「ん~?」

「ん~~~?」

と何度も首をかしげる。

嫌な予感しかしない。

「何か問題でもありますか?」

気になるので聞いてみた。

すると先生は、

「網膜の血管がトグロを巻いているんですよね。」

と言う。

「それはかなりまずいんでしょうか…」

恐る恐る聞くと、

「いえ、特に問題ありません。」

問題ないんか~い!( ゚Д゚)

心の中でツッコミを入れながら、

「よかったです。」

と答えた。

 

呼吸器内科や消化器内科には行かなかった。

これまでのCT検査で問題がなかったからだろう。

 

 

こうして全身の検査は無事終了し、骨髄移植の前処置を待つこととなった。

それでも、その日は眼科で言われた「網膜の血管がトグロを巻いている」という言葉が頭から離れなかった。

後で調べると、網膜静脈閉塞症や網膜細動脈瘤など、不安になる病名ばかり出てくる…

 

その後、近所の眼科でも特に何も言われず、今まで目のトラブルも起きていないので、あの先生の「問題ありません」はその通りだったのだろう。

骨髄移植前の不安の大きい時期は、医師の何気ない一言にも敏感になってしまっていたのだろう。

 

 

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