下のように書いたものの、患者さんの勘違いについては「説明が足りなかった」と反省して次回の糧にするのがわしだ。が。
マツダ(仮名)は2年目の作業療法士。一般班に在籍していた時は組んで仕事をしていたのだが、わしのにきを読み続けて下さっている方にわかりやすくいうと「女版童貞M田」である。
回復期病棟に移って構う時間がなくなったので通りがかりに問題を出すのだが、これがひどい。
「心臓から全身に送られる血液が初めに通る血管は?」
「冠動脈?」(正解は大動脈)
以前、班の勉強会で心臓の解剖は丁寧に教えたことがあるはず。
「じゃあ冠動脈は何本ある?」
「2本」
「大きく分ければ右と左だね。でもどっちかが更に2本に分かれるはずだが」
「・・・右?」
ついヤツの頭を叩くわし。暴力はいけない、と先輩にたしなめられるが
ここまで殴らなかったことを褒めてほしいぐらいだ。
この前は「班の勉強会で発表するから呼吸器疾患の勉強をしています」
と威張っているので
「ふーん頑張れよ。じゃあ、呼吸不全っていくつ型があるか知ってる?」
「・・・4つ?」(正解は2つ)
「当てもんじゃねえっ!」
「明日聞くから調べてこい」と脅しをかけると、次の日嬉しそうに
「調べました」
「いくつ?」
「2つです」
「1型と2型の違いは?」
「?」
頭が痛くなってきた。我慢して酸素化能の低下とCO2拡散障害について軽く説明する。
次の日に確認すると
「1型は酸素が足りないだけなんですけど、2型はあ、溜まるんですよ」
「何が。」
「酸素!」
「酸素が足りないのに何で酸素が溜まるんだよ!」
聞いてる周りも失笑である。
日を改めて聞くと、やはり酸素が溜まるという。どうしてその結果になるのか考える。
「あー、わかった。給料を貰ったらそのまま20万残ってるか?」
「いえ。使います」
「酸素も細胞に使われるんだが使ったら何になるよ」
「二酸化炭素です。そっかあ、二酸化炭素が溜まるんだ!」
多分ヤツは昔わしがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を「吸った息が吐けないから苦しい」と説明したのを覚えてたのだが
小循環を無視して息=酸素、と誤解してバカな答えを出したのか。
がっくりするわしに
「さんでいさんも大変ですね」
「誰のせいだよ!」
きっとヤツはわしを早死にさせるために開発された人間兵器だ。そう思わなきゃやってらんねえ。