人はパンのミで太るべからず | 週刊さんでいリターンズ

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起業系コメントが面倒になったので(わしはまだ病院にいたいんだお)、コメントは承認制にしました。基本知ってる人のコメント以外は承認しませんのであしからず。1日10人も見にこないブログで営業しても効果は少なかろうになあ、ご苦労さま。まあ、頑張ってくれ。

老人病院である当院だが、時々若い人(といっても40代だが病人としては若い)も入院する。

ミネさん(仮名)は脳梗塞を起こした3児の父。50近いがやんちゃで、ストレッチポールやムービングディスク等おもちゃを渡しとかないと自主トレ中に飽きて遊んでしまう。投球練習や難しいステップなど練習内容にも工夫が必要だ。脳梗塞の理由は本人が気付かないままに糖尿と心疾患がやばいぐらい進んでいたこと。前医からの送りをみたら冠動脈3枝バイパス術、心房細動除去術、弁形成術と心臓だけでよくまあここまでやったよなあというオペをしている。オペ記録がなく、オペ前の心機能データはあるのだが「オペ後は心機能に問題はありません」の一言でデータは何もなし。

嘘吐け。問題ないのにCPX(呼気ガス測定しての運動負荷試験)やってないはずなかろ。
その上リハの送りもない。これで地域連携とは恐れ入ったなあ、と某大学病院めと呪詛を吐きながらなんとか運動機能も心肺機能も日常生活レベル可能なところまでこぎつけた。

通常歩行の運動レベル(3メッツ)でできる仕事はあるにはあるが、復職はちゃんと前院で運動可能レベルをCPXで出してもらってからにしましょう、正月家に一回帰ってみてきちんと生活できるか確認しましょう、と送り出したら2日で2.7キロ太って帰ってきた。

心不全増悪の判断基準に「2日で3キロの体重増加」というのがある。
帰る前に説教ババアになって口をすっぱくして塩分と糖分に気をつけること、病態についても息切れ・むくみは病気が悪くなってる証拠など説明しまくったのに
これでは先が思いやられるなあ、とがっくり来ていたら一緒に組んでいるOTから下記報告あり。

「さんでいさん、どうやら1度に6枚切りのパンを4枚食べていたらしいです」

・・・確かに甘いものだけじゃなくて米は糖分ですよ、と言った覚えがある。
そしたら米はダメだからパンにしよう、という発想になったらしい。

そこからか(涙

とりあえずむくみと肺雑音はなく、ひたすらミにしたのだな。
MSW(相談員)に「退院の翌日に○○病院の心リハ予約入れるよう、主治医にも依頼してください」
と脅しをかけ、ミネさん(仮名)には
「一番下のお子さんの成人式が見たいでしょー?」と情に訴える今日この頃のわしである。