言葉の壁、というのは思った以上に大変な訳でして、在日外国人の場合ご飯が食べられなくなってから病院に来るまでに1ヶ月かかってしまうこともある。
しかもどこかのへぼクリニック(大きな声では言えないが当院だ)で診ていたようだが、突然ご入院の運びとなり、当院の主治医はクリニックの院長に入院に至る経過を聞こうとしたら逆切れされ有無を言わさず担当にされる。
点滴をしようとするが、穿刺しようとしたらきゃーきゃー騒がれる。
「そりゃ、誰だっていきなり服脱がされたり、針さされたら騒ぐでしょう」と意見したら医者は
「だからinjection,injection(注射)って説明した」
・・・同胞でも「注射、注射」って針振り回す医者は絵的に嫌だと思う。
英語がわかる人がいい、とわしがリハ担当になるが、わしはTOEIC600点台、とても外資系にいたことがあるとは言えないレベルだ。
初日は少し困ったが仕事で使う英語というのは限られている。今日は車椅子に乗せたりトイレに連れてくのを病棟に見せると、病棟でも車椅子に乗せてくれる。
で、ステーションにいてもらったら、英語で騒ぐため皆は四苦八苦していたらしい。しまいには転倒しやすい別の患者さま(当然日本人)が立ち上がっちゃうとステーションにいたDr.が「Sit down!」と叫んで
「いや、日本人ですってば」と窘められるという、君らどこで仕込んだんだというコントを繰り広げていたようだ。
仕方がないので、オムツ・お風呂・食事・検査・バイタルチェック等の病棟で使いそうな英会話集を作って持っていったら、
「ありがとー、で、採血は何て言えばいい?」
correct bloodじゃ変だよな、とその場にいた当院で一番頭が良さそうなDr.に聞く。(ちなみに正解はdraw blood)
「知らない。でもBlood testじゃダメかな」
と親切にも自分の担当じゃないのに患者さまに説明に来てくれる。
きっと参加してみたかったんだな。
挨拶は上手なのだが、その後は
「あー・・・」
・・・わしのレベルと変わらない。
何とかDr.の説明を理解してくれたので、一同ほっとしていると夜勤の看護師が
「Help!って言われたらMay I help you?って言えばいいんでしょ?」
「それは正解だけどさ、おまいその後助けられないじゃん。意味ねえ!」
本日の結論:1.偏差値と英語力は別。
2.都内某病院の英語力はかなりダメ。