夏の怪談シリーズ。 | 週刊さんでいリターンズ

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起業系コメントが面倒になったので(わしはまだ病院にいたいんだお)、コメントは承認制にしました。基本知ってる人のコメント以外は承認しませんのであしからず。1日10人も見にこないブログで営業しても効果は少なかろうになあ、ご苦労さま。まあ、頑張ってくれ。

今日も暑かったので涼しくなる話でもしてみようと思ったりする。

あれは私がパラオのペリリュー(日本軍玉砕地)でダイビングをした時だ。
私は海に入ると「冷静で慎重なA型」の性格炸裂である。そう、本来はこういう人
なんですよ。・・・あ。ここが涼しくなる所じゃないぞ。軽く流して次に行く。
で、慎重な私は常にガイドやドリフトで付いてくる舟の距離を測ったりして冷静に
潜っているのであるが、ペリリューは何年か前、日本人ダイバーグループが流されて
大騒ぎになったポイントで、とにかく潮がきつい。グループがバラバラになったので
ガイドは先を行く私達に少し待つように指示をして、人が集まるのを待っていた。
私はすることもないし、中空に浮いていると流されるのでエアを吐き出しすーっと
沈むとその辺にある岩に何気なくつかまった。・・・岩?えーと岩じゃないぞ、、
手につかんだものを見ながら私はその当時の会社の同僚がした話を思い出していた。

「さんでいさん。パラオに行くんですって?カメに気をつけて下さいね」
「カメですか?」
というやりとりから彼女は自分がパラオに行った時に現地ガイドから聞いた話を
語りだしたのだ。

ある時ガイドが男3人、女2人の初心者グループを連れて潜っていた。ガイドと
言うのは客にいろいろ見せねばならないのだがちょうど良くカメが泳いできた。
客に一生懸命「カメだよ」と追っかけて見せるのであるが、男の子はみんなぽかん
としている。女の子の1人も反応悪いし、もう1人に至っては何故だか涙を流して
いる。しょうがねえなあ、とカメを追いかけるのは諦めて適当にダイビングを
終わらせてみんなで浮上した。片付けおわってから
「カメがいたでしょ。みんな見えなかったの?」
と聞くと男の子は誰も見えなかった、と言う。女の子は何だか光のようなものが
見えた、と言う。そこで泣いていたもう1人の女の子がいきなり
「・・・あれはカメなんかじゃありません。日本兵です」
彼女の言うには日本兵の霊がガイドに取り憑き海の底に引きずりこもうとして
いたのだとか。そのままついて行ってしまえば間違いなく死んでしまう、と思ったら
恐くて恐くて涙が出たのだと。

で、その時わたくしがつかんだものなのだが。平べったくて切り口が赤くて軽い。
これって・・・たぶん・・・戦闘機の翼?
思わず振り返ってカメを探しましたよ、ええ。