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砂場

本の感想と日記。些細なことを忘れないように記す。

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
日本経済新聞出版社
水野 和夫(著)
発売日:2007-03



僕の読解力が不足しているためかもしれないが、経済学に詳しい人でないと細かい検証の部分はついていけなさそうだ。水野和夫の主張は今月発売された『日本の論点2008』にあるので、それを読めば基本的な部分は分かる。素人の僕が理解できないのに無理して読まなくてもよかった気がする。

本書の要点は前書きにまとめられている。

本書では、グローバリゼーション下で生じている大きな構造変化として、次の三つのことを指摘している。
(1)帝国の台頭と国民国家の退場=帝国化
資本が容易に国境を越えるグローバリゼーションの時代には必然的に「帝国」と親密性を有する。十六世紀には資本は主権国家と結婚したが、二十一世紀には資本は帝国をパートナーに選んだのである。経済的な「国境」が限りなく低くなり、国境内に権力を及ぼす「国民国家」の力が衰退する一方、金融帝国と化した米国や、中国・インド・ロシアなど旧帝国の台頭が著しい。
(2)金融経済の実物経済に対する圧倒的な優位性=金融化
グローバリゼーション下では「資本の反革命」によって先進国の賃金が抑制される、ないし低下するから、先進国ではディスインフレ、ないしデフレが定着する。金融政策は緩和基調となり、実物経済に比してマネーが膨張するから、資産価格が上昇しやすくなり、先進国経済は資産価格依存症候群に陥ることになる。
いわば金融経済(尻尾)が実物経済(頭)を振り回す時代になったのだ。そして近い将来、金融経済が頭になり、実物経済、すなわち雇用や生産活動が尻尾になる可能性が高い。雇用が尻尾になるということは「中産階級の没落」が始まったことを意味する。
(3)均質性の消滅と拡大する格差=二極化
近代は国民に均質であることを要求したが、グローバル経済の時代には国家単位の均質性は消滅する運命にある。日本に即していえば「一億総中流意識」の崩壊であり、格差拡大の時代の到来である。
格差は構造的問題となり、景気回復では解決できない。だから、政策で成長を目指せば目指すほど時代の流れから取り残される人が増え、人々の将来の不安が高まる。その結果、将来に備えることよりも毎日の生活の充実を優先する刹那主義が蔓延し、いっそう少子化が進むことになる。
九〇年代から現在に至るまで、政策の基本には「インフレ(成長)がすべての怪我を治す」(近代の基本原理)という発想があった。皮肉にもこの成長主義が、戦後最長の景気回復下で国民の閉塞感を強めている大きな理由である。この原理は、近代化ブームに沸くBRICsでは通用するが、ポスト近代に移行した先進国では弊害ばかりが大きくなる。二一世紀の最大の勝者は、国境を越える巨額の資本や「超国家企業」であり、敗者は用意に国境を越えることができない先進国のドメスティック経済圏企業や中流階級である。視点を変えれば、近代の仕組みに拘泥する超低金利国が敗者となり、近代と決別できた国が高金利国となって勝者となるのだ。

読みながら帝国の定義がよくわからなかったのだが、『日本の論点2008』によると「帝国」とは外交も内政にも口を出す国という意味らしい。この引用文の内容が問題なく理解できて、もっと詳しく知りたいと思った人にはお薦め。詳細なデータと世界経済の理論的な分析によって、これらの内容がより詳しく書かれている。だが、僕みたいなこの文章だけでは何を言ってるかよく分からないという人は、本文はもっと複雑になるので、もう少し世界経済の基礎知識を増やしてから読むほうがいいかも知れない。


日本の論点2008
文藝春秋
文藝春秋(著)
発売日:2007-11-08

昨日の入荷が文春文庫、光文社文庫、幻冬舎文庫、小学館文庫で、今日が電撃文庫と徳間文庫と朝日文庫。『誰か』は単行本と新書とあったけど、文庫版の表紙が一番好きだ。よく見たら全部出版社が違うのか、珍しい。年内に追加分が入荷するようにあわてて注文せねば。

親知らずが抜けた後が気になる。少し口の中が広くなったようだ。


誰か (文春文庫 み 17-6)
文藝春秋
宮部 みゆき(著)
発売日:2007-12-06
春、バーニーズで (文春文庫 よ 19-4)
文藝春秋
吉田 修一(著)
発売日:2007-12-06
さくら (小学館文庫 に 17-2)
小学館
西 加奈子(著)
発売日:2007-12-04
文庫本福袋 (文春文庫 つ 14-2)
文藝春秋
坪内 祐三(著)
発売日:2007-12-06
誰か ----Somebody
実業之日本社
宮部 みゆき(著)
発売日:2003-11-13
おすすめ度:3.5
誰か Somebody (カッパノベルス)
光文社
宮部 みゆき(著)
発売日:2005-08-20
おすすめ度:4.0

Amazy
休日。早起きな我が子は7時前から大騒ぎ。無視して布団で寝ていると瞼を掴んでくるので(目が閉じているのが気に入らないらしい)、痛くて起床。

朝、梅田へ出かける。兄と嫁の母のための誕生日プレゼントと購入。ブックファーストとブックスタジオと第3ビルの古書街に立ち寄る。

昼、3時過ぎに帰宅して、『虐殺器官』を読みつつ少し寝る。

夜、親知らずを抜く。


■要チェック雑誌と今読んでる本

ダ・ヴィンチ 2008年 01月号 [雑誌]
メディアファクトリー
発売日:2007-12-06
おすすめ文庫王国2007年度版
本の雑誌社
本の雑誌編集部(編集)
発売日:2007-12-06
本格ミステリ・ベスト10 2008 (2008)
原書房
探偵小説研究会(編さん)
発売日:2007-12
虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
早川書房
伊藤 計劃(著)
発売日:2007-06
おすすめ度:3.5

Amazy





ゴールデンスランバー
新潮社
伊坂 幸太郎(著)
発売日:2007-11-29
おすすめ度:5.0



Amazy

総理大臣暗殺の犯人に仕立て上げられた主人公の逃亡劇を描いた、伊坂幸太郎の集大成といえる娯楽大作。

序盤で怒涛のように張り巡らせた伏線が、次々と物語へと繋がっていく爽快感は、今までの作品のなかで群を抜いている。登場人物たちは、ちょっとした脇役まで魅力溢れる人ばかりで、誰が好きか人気投票ができそうなぐらい多彩だ。

主人公とその大学時代の友人たちが物語の中心となるのだが、当時の様々なエピソードや何気ない会話の数々が、絶望に捕らわれた主人公の希望となり、友人たちの行動を駆り立てる。思い起こされる懐かしい過去の姿と、現在を精一杯生きる彼らの姿が積み重ねられていき、読み進めるうちに主人公とその仲間たちのことがどんどん好きになっていく。物語が進むにつれ、展開は加速していく。

そして、最後の1ページ。どこにでもある、たったひとつの言葉が、こんなにも胸に響く。



今日は河出文庫、PHP文庫、ゴマ文庫、ぶんか社文庫など、雑誌では今回で休刊となるダカーポが「今年最高の本!特集」、そして「このミス2008」が入荷した。ダカーポは本の特集が多い雑誌だけにすごく残念だ。

クリスマスツリーの飾りつけをする。ほとんど毎年、店長に頼まれるので、店長のなかでは僕がクリスマスツリー係になっているのだろう。假屋崎省吾になったつもりで頑張った。

ダカーポ 2008年 1/2号 [雑誌]
マガジンハウス
発売日:2007-12-05
このミステリーがすごい! 2008年版
宝島社
このミステリーがすごい!編集部(編集)
発売日:2007-12-05





Amazy