中谷が三階級制覇に挑むが………初めて世界タイトルを獲得してから僅か6戦目。
特にこれと言った実績もなく、流石に政治力の使い過ぎ。指名試合をして日の浅い(5ヶ月)井岡一翔を指名挑戦権を盾に返上させ、自分は決定戦で勝っても指名試合を行わない。
中谷への挑戦希望者がいてもWBO総会で却下。
更に決定戦でWBCバンタム級タイトルを獲ったサンティアゴにWBC総会で選択試合を認めさせて挑戦。
挑戦が決まるとWBCバンタム級挑戦者決定戦に勝ったヴィンセント・アストロラビオを差し置いて自らはWBC1位。
度を越えている。
こんな事が罷り通るならファイティング原田や井岡弘樹が跳ね返された三階級制覇って一体、何なのだろう?
リング外の理不尽は取り敢えず横に置く。
この試合は対照的な両者の対戦。
バンタム級とは思えない小柄なファイター サンティアゴ。対するは同じくバンタム級とは思えない長身サウスポーの中谷。
中谷がこれまでで一番、苦戦したのは後の世界王者 矢吹正道でもユーリ阿久井でもなく、フランシスコ・ロドリゲス戦だろう。
勝利は文句無しだがロドリゲスの突貫ファイトに手を焼いた。ロドリゲスと同じく小柄なサンティアゴだが、フック主体のロドリゲスとは違いサンティアゴは出入りをしながらストレート連打で攻める。
この試合のポイントは中谷ではなくサンティアゴにあると思う。中谷はいつも通り離れればロングジャブ&左ストレートで、接近すれば左右アッパーを突き上げれば勝てると思う。左フックより右ストレートを多用するサンティアゴなら右アッパーも打ちやすいと感じる。
一方のサンティアゴ、自分より背の高い相手と戦うのはいつもの事かもしれない。
だが長身サウスポーとなるとどうだろう?
過去に敗れたラッセルも長身サウスポーではあるが中谷は更に背が高く斜に構えて懐が深い。
中谷の左ストレートがビシビシ当たり、強引にサンティアゴが距離を詰めれば左右アッパーがヒットしそう。サンティアゴは早々とペースを掴み、中谷が手の出し辛いポジション(中谷からみてやや右側)を確保出来ればチャンスはあるかも。
それはさておき、サンティアゴはラッセル弟に敗れながらも善戦した事を評価する向きがある。
逆に考えればエマヌエル・ロドリゲスに完敗(初戦はノーコンテスト)したラッセル弟に善戦した程度しか誉める所がないのだろうか?
そんなサンティアゴ相手に中谷は苦戦するのでは?、との声をよく聞くがそれは中谷に高い評価を与えつつもどの程度の実力かわからない………と言う人が多いからに思える。
リング外でモヤモヤする事の多い中谷だが、リングの上では大いに期待している。期待に違わぬ活躍を見せてほしい。