ギジェルモ・リゴンドーと言う生き方 | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

先週末、世界的なビッグマッチはなかったが日本人には気になる試合があった。


●ギジェルモ・リゴンドーVSヘスス・マルチネス(Sバンタム級)


左左、とにかく左。力量差が明確なマルチネス相手に左強打を振るい続けるリゴンドー。早々とダウンを奪う。立ち上がるマルチネスを1-2で倒し再起を飾る。


喜びのリゴンドー↑

圧力鍋の破裂で目を傷めたリゴンドーだが無事に再起を飾った。とは言え40代対決で力量差の大きい試合ではあるが。

リゴンドーはこれが3年ぶりの勝利。
プロ入り前からオリンピック連覇で知名度抜群。日本では長谷川穂積が称賛していた事もありよく知られていた。

リゴンドーが最も輝いたのはノニト・ドネアとの一戦だろう。まさに全盛期と言っていいドネアを翻弄。
左フックでダウンを喫したが完勝と言ってもいい内容だった。


この後、ドネアは世界王者に復帰するもリズムがバラバラ。振り回すだけの左フッカーになってしまった。ドネアは幾度もの敗戦を経て、ノルディ・ウーバーリ戦で摺り足スタイルに開眼。それまでは躍動感溢れるリゴンドー戦前のスタイルを取り戻そうと足掻き続けていた様に感じる。

リゴンドーは試合の後もドネアを苦しめていたかもしれない。

そのリゴンドーもワシル・ロマチェンコとの五輪連覇者対決に完敗した。今度はロマチェンコがリゴンドーのリズムを狂わせた。ロマチェンコ戦から5年、未だにリゴンドーは本来のtouch &  awayのボクシングが取り戻せていない。

リゴンドーはアマチュアでもプロでも頂点に立った。目を傷めながらも未だにリングに上がる。

まだやり残した事があるのだろうか?

もう十分な名誉を手にしただろう。 

それとも稼ぎ足りない?

同時期に活躍した同国人のユリオルキス・ガンボアはリゴンドーを反面教師にしたかの様なキューバンらしからぬ激しいファイトを見せた。

多分、ガンボアはリゴンドーの倍は稼いだだろう(根拠はありません)。
 
リゴンドーは何を為し遂げれば満足するのだろうか?

今からワシル・ロマチェンコ戦以上の注目を集める舞台に上がれるとは思えない。ノニト・ドネア戦以上のパフォーマンスが再現出来るとも思えない。

ボクシングが好きだから………ならば良いのだが多分、違う。

キューバで英才教育を受けたリゴンドーはリングに上がる以外の生き方を知らないのだろう。ジョンリエル・カシメロ戦、ヴィンセント・アストロラビオ戦で名声をかなり失った。それでもリングに上がる。

リングの上では史上屈指の器用なボクサーであるリゴンドー。だが生き方は不器用な男なのかもしれない。

そんなリゴンドーが笑顔でリングを降りる日が来る事を願う。笑ったリゴンドーを見たことはないが。