【後編】四団体になっても……… | ボクシングライフW

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趣味と言うよりライフワークになっているボクシングについてとりとめもなく感じたままに

前回、前々回の続き。


奇しくもWBA.WBC二団体時代からIBF.WBOを加えた四団体時代に移行した頃、次々と優れた東側アマチュアボクサーがプロ入りした。


特に重量級に人材が集まった。

ヘビー級はクリチコ兄弟が支配。2番手グループもアレクサンドル・ポベトキン、ルスラン・チャガエフ、オレグ・マスカエフ、ニコライ・ワルーエフ達、旧ソ連勢の面々。



四団体あるとは言え、この時代に世界ヘビー級王座を獲得する事と、二団体時代に獲得するのはどちらが難易度が高いだろう?


多分、旧ソ連の面々が本格的にプロ入りする前であり、且つIBF.WBOの認知が高くなりつつあった2000年前後が一番世界タイトルが軽かった様に思う。


ヘビー級以外でもクルーザー級はウクライナのオレクサンダー・ウシクが四団体を統一し、ラトビアのマイリス・ブリーディスがつい最近までクラス最強の評価だった。


ライトヘビー級に至ってはアルツール・ベテルビエフ、ドミトリー・ビボルの2人のロシア人が王座を独占。マイケル・スピンクスを攻略する方が楽に思える。


一方、軽いクラスになればなる程、旧ソ連のボクサーは少なくなる。祖国を離れてまで得られるファイトマネーがそれ程、期待出来ないからだと想像する。


多分、旧ソ連の著名な最軽量級は勇利アルバチャコフとアルテム・ダラキアン。


共産圏に広げればライトフライ級にダニエル・マテヨンがいる。


四団体時代にはなったものの、時を同じくして旧ソ連ボクサーの侵攻で、西側諸国のボクサー、特に重量級は却って世界王者になるのが難しくなった気がする。


一方で日本の様に軽量級に特化した国はタイトルの数だけ増えて、東側の脅威をあまり受けない。即ち世界王座が軽くなった。

そしてIBFを受け入れた当初の韓国の様に、世界戦の稀少性が失われている。


なんだが………日本はお得な様なズルいような、それでいて衰退の道を辿っている………そんな複雑な気持ちだ。