令和6年初場所千秋楽展望 | 三代目WEB桟敷

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優勝争い

豊昇龍が13日目の霧島との二敗対決に敗れた際に右膝を痛めて休場。同日琴ノ若を引き摺り下ろした照ノ富士は、14日目不戦勝で二敗で千秋楽へ。これと並んで千秋楽を首位で迎えるのは、霧島か琴ノ若か。昇進を賭ける両者の直接対決は琴ノ若に軍配。先場所も露呈した連敗癖を克服し、大一番を制した。

霧島が勝てば相星決戦での決着となっていたが、これで決着の仕方は多様になった。首位の両者の一方だけが勝って本割決着か。両者勝って決定戦か。それとも両者敗れて霧島を加えた巴戦か。先に登場する琴ノ若の相手は、豊昇龍戦が消えたため前頭4・翔猿。霧島を破っている上に勝ち越しのかかる難敵。よくこんな丁度いいのが残っていた。高校の先輩でもあるが、埼玉栄はOB同士でも容赦なく、豪栄道が貴景勝の大関取りを阻止したのが印象的。

 

昇進に関しては、琴ノ若は12勝で終われば3場所32勝だが、今場所の内容は大関にふさわしい強みと安定感があり、優勝争いも盛り上げてかなり印象が良い。もう当確と考えたいが、最後に平幕に取りこぼしというケチがつくと嫌な流れになるかもしれない。霧島は先場所13勝2敗での優勝。3敗となって場所後の昇進には優勝するしかなくなった。13−12での連覇ならもの足りないが、楽日横綱を2度破ることになるので昇進ムードは高まるだろう。12勝しても決定戦に進めなかった場合は、前例からしてもう1場所みようとなるだろう。

 

三賞争い

琴ノ若は優勝すれば2つはいくだろう。照ノ富士に敗れてはいるが、優勝争いをリードした実績で殊勲賞が加わるだろう。無条件で与えるのは敢闘賞になりそうだが、技能賞を与えても良いくらいだ。

新入幕、大の里は上位に当てられ3連敗したが、その後10勝に乗せて敢闘賞確実。もう一人の島津海も勝てば10勝。上位戦を含めての大の里と比べると地味だが、珍しく技能賞を指定して目標としていたらしく、条件付き敢闘賞とは限らない。

横綱を破った前頭筆頭の若元春も9勝しており資格十分。しかし照ノ富士が独走しているわけでもないので、二桁勝利を条件にされるかもしれない。

阿武咲は14枚目で9勝5敗。実績からしてこの地位で10勝したところで驚きはないが、早々に上位力士と連戦させられたため二桁に乗っていないわけで、これで逃したらなかなか気の毒だ。昨年初場所も上位戦で成績が伸びず、千秋楽豊昇龍を破ったかと思いきや、髷掴みで反則負け、条件付き三賞を逃している。

朝乃山も勝てば10勝だが、休場した力士は対象にならないのが原則で、再出場で頑張ったから敢闘賞とはならないだろう。そもそも再入幕12勝でも足りないと言われてしまった実力者だ。

 

<予想>

殊勲賞 琴ノ若(Vなら)、若元春(勝てば)

敢闘賞 大の里、島津海(勝てば)

技能賞 琴ノ若