先場所の優勝決定巴戦を戦った大関霧島、再大関安青錦、関脇熱海富士。
ここに休場明けの大の里がどう絡んでいくか。
多様な展開が考えられた今場所だが、折り返しを過ぎても全く読めない。
まず、霧島は中日からの連敗で4敗となり、綱取りは絶望。
安青錦は3連敗を喫し、何とか踏ん張っているものの、左足首の痛みは隠し切れない。
優勝争いの中心と予想された二人が厳しい状況となっている。
それに比べると、2敗はしたが熱海富士の相撲は進境著しい。
捕まえて右を捩じ込みながら前に出ていく迫力は群を抜いている。
単独トップを走るのは横綱大の里。
内容はお世辞にもいいと言えず、しっかりと勝ったのはわずか2、3番。
飛んだり跳ねたりで相手の出足を何とかかわす相撲が目立つ。
それでも崩れないのはさすがだが、調子を上げていくのか、それとも役力士相手には勝ったり負けたりなのか。
琴櫻も久しぶりに整った成績で前半を乗り切ったが、ここに来て連敗。
土俵際の叩きで勝ってきていたが、ボロが出てきた。
2敗で熱海富士と共に走る力士が魅力的だ。
新関脇藤ノ川は序盤琴勝峰、琴栄峰兄弟に敗れたものの、
役力士には無敗。2大関を倒して力強さ、スピードが発揮されている。
ベテラン美ノ海の活躍もお見事。敗れた相手は横綱と熱海富士だけ。
2大関や新鋭を撃破して勝ち越しに王手。無駄のない押し相撲で勝機を逃さない。
もう一人が金峰山。7年1月の優勝同点以降見せ場がなく、
前頭2けたで低迷しているが、地力を発揮すれば大勝ちできる潜在能力はある。
パワフルな相撲が戻ってきている。
朝乃山、宇良といった人気力士は3敗に後退、
霧島に土をつけ、横綱にも唯一勝った髙安は3勝6敗と苦しんでいるのは惜しいが、
それだけ力の差がなくなっている。
終盤にかけて、1敗、2敗勢が走るのか。
3敗勢が踏ん張って引き摺り下ろすのか。
混戦の可能性が高そうだが、横綱がすんなり逃げ切るシナリオも残されているのが、
最近の場所と違う。
昇進レースは、霧島の話題が消えてしまったが、
熱海富士は目安の12勝に向けて期待が持てる。
とはいえ、ここから上位戦が増える中、1番しか余裕がないのは厳しい条件だ。