日販の書店向け月刊情報誌「日販通信」の巻頭エッセイ「書店との出合い」をまとめた本。
60人のエッセイが入っている。
2011年に主婦と生活社から刊行。
1人4ページ弱で、「本屋さんとのこと」をテーマに書いているので読みやすい。
書いているのは作家が多いが、俳優やタレントも何人かいる。
みな著作があり、エッセイの最後には略歴もある。
最初は1988年から始まるので、時代を感じる。
すでに亡くなった人も、何人かいる。
「昨年亡くなったな」という人もいた。
読んでいると、本が好きで、本屋にいるのも好きで、という思いが伝わる。
知らない本屋のはずなのに、読んでいると情景が浮かんでくる。
都会と地方では本屋がこんなに違うのか、と知るエピソードもあった。
どの人も印象的だが、最近読んでいる沢野ひとしや、仲間の木村晋介は面白い。
後半になると、本屋が減っていることを危惧する話も出てくる。
今はコロナ禍を経て、もっと減っているだろう。
本屋とのことを改めて考えるような、60人分の声である。