島本理生の作品。
文藝春秋から2021年に刊行。
「別冊文藝春秋」で、2020年から2021年にかけて掲載されていた。
主人公は、東京の大学院に通う春という女性。
宮沢賢治を題材に修士論文を書こうとしているが、なかなか進まない。
恋人の亜紀は社会人で、忙しいながらも春との時間を大切にしている。
「一緒に住んで、結婚しないか」と春に持ち掛けている。
春は院生の同級生から紹介された、作家の秘書のような仕事をアルバイトで行うことになる。
途中、春は亜紀と離れよう、別れようと考えるが、最後は亜紀ときちんと向き合おう、と決意して終わる。
時期がちょうどコロナ禍で、作中にもコロナのことは出てくる。
友人と気軽に会えなかったり、旅行に行くのもどうしようか考えたり。
島本なりの、コロナへの答えが本作に出ている。
春の家族は少し変わっていて、それが作品の1つ大きなテーマになっている。
読みやすくはあったが、展開が少し冗長で、最後もきれいにまとまっているので、納得いかない読者もいるかも。