

前から3列目の席に大喜び。ただしプロジェクションマッピングを多用した舞台のため、近い席だと非常に辛い(幕を見上げて首が凝る)のは思わぬ不覚でありました(涙)。
島原の乱で潰えた天草四郎時貞をはじめ、強烈な悔いと無念を残して果てた剣豪たちが呪法により魔人・悪鬼となって現世に蘇る!
迎え撃つ柳生十兵衛。しかし仲たがいしつつも敬愛してきた父・柳生宗矩までもが邪法により転生・・・。

溝端淳平さんの天草四郎は子供のように純粋で哀しみをたたえたもの。島原3万7千人の民の死の責を負い姉を想う、傷ついた心を抱える美青年役がはまっていました。宙を飛ぶ演技も華麗で美しい。

ちなみに埼玉アリーナドタキャンで今お騒がせのジュリー扮する四郎。冷酷・残忍の美が際立ちます。これも好き。

隻眼の風来坊剣士・柳生十兵衛を演じるのは上川隆也さん。
一緒に鑑賞した夫(あまりテレビを見ない)が「あの一心(イーシン)がこんな力強い役を」
・・・古い。そう、「大地の子」で中国残留孤児「陸一心」を演じた若き上川さんはいまやシリアスなものからコミカルな役まで幅広く演じる名優。
父・宗矩との一騎打ちのシーンは迫真の緊張感。

松平健さん、そして浅野ゆう子さんはもうステージにいるだけで凄みを感じます。
お二人とも衣装に鱗紋。死者であり蛇性のものであるということでしょうか。


そしてまことに美しい高岡早紀さんのクララお品。四郎を案ずる優しく志強き姉。つまり「光」側の人間。
いやいやあなたどう考えたって魔界衆でしょ!男を誘惑して骨抜きにしてこその高岡早紀でしょ。(原作のクララお品は十兵衛に恋してしまう悲劇のキリシタンくの一)
でも舞台の上の早紀さまは本当に気品と慈愛にあふれる女性でした。
このお着物良いなあ。清楚で華やかで。

山田風太郎氏により連載執筆されたのは1962年からのとのこと。あらそんなに古いのね。
私は高校生の頃原作を読みました。血肉の匂いがしそうな禍々しい描写はJKには刺激が強すぎましたが、剣劇としてのエンターテイメントに心躍り、キリシタンたちの洗礼名にエキゾチシズムを感じたものです。
宮本武蔵、荒木又右エ門、宝蔵院胤舜。稀代の武芸者がその技を競い、忍法と呪文が跋扈する不思議な世界。
この日の博多座も圧倒的に女性で埋め尽くされていましたが、「魔界転生」は男性にこそ観てもらいたい。少年時代の興奮とときめきが蘇るはずです。



































