『虎に翼』は、ある意味『マッド・マックス怒りのデスロード』なのだ① | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

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大好きな映画の感想をメインに、読書感想や子育てについてetc…のんびりした日々をゆるゆると綴った日記です

 


先週の『虎に翼』は

直道の戦死から始まった。

慟哭する花江の横で

寅子はどんな気持ちだっただろう。


兄を亡くした悲しみと

優三が存命であることの罪悪感と

死んだのが優三ではなかった安堵と

その安堵への罪悪感もあっただろうか…



寅子が留守の間に届けられた

優三の死亡通知を受け取った直言は

写真立ての裏に隠していたが

直言が病に倒れた時

寅子に見つけられてしまった。


こんな形で

優三の死を知ることになるなんて…


感情を表に出さないままの寅子に

花江は言った。

「ね、やっぱりお義父さんがやったことはとんでもなくひどいと思う」「優しくする必要なんてない。怒ってもいい、罵倒してもいい!トラちゃんはきちんと伝えるべきよ」「お父さんとは生きているうちにお別れできるんだから」


直言にも寅子にも本気で怒ってくれる。

花江が家族にいてくれて本当に良かった。



寅子と和解した直言は

それから間もなく亡くなったが

寅子はまだ

優三の死と向き合えていなかった。


見かねたハルが

直言の形見のカメラを売ったお金を

寅子に渡し「明日は、これをもって出かけてらっしゃい」と言った。

それでも受け取らない寅子に

「必要なことです。あなただけじゃない。私や花江さんもどうしようもなくなった時、内緒で贅沢しました」「心が折れて粉々になる前に、立ち止まって。ゆっくりでもいいので優三さんの死に向き合いなさい」と諭した。



花江が若い頃に寅子に言っていた

「したたかに生きる」というのは

なにも策略的なことだけでなく

こういうことでもあるんだなと思った。


理不尽で不条理な

「どうしようもないこと」には

立ち向かわずやり過ごすしかない。

時間を掛けてでも

悲しみと向き合わなければならない。


真っ直ぐな寅子だからこそ

ハルさんははっきりとした言葉で

示したんだろうな。



闇市に向かった寅子は

焼き鳥とどぶろくを頼んだが

食べずに店を出てしまった。


すると女将が追いかけてきて

新聞に包んだ焼き鳥を持たせてくれた。

韓国訛りの女将は

「もったいないから持ってお帰り。しっかりするんだよ、ねっ」と言った。


戦後に施行された日本国憲法では

韓国出身者は「国民」から外された。

この後この女将の人生は

どうなったのだろう。

意味のあるシーンだったと思う。


※長文なので一旦ここまで

次回に続きます。