わたしたちのことは わたしたちで決める | よしすけのツレヅレなるママ 映画日記

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大好きな映画の感想をメインに、読書感想や子育てについてetc…のんびりした日々をゆるゆると綴った日記です

『○月○日、

区長になる女。』

(2024年 日本)


今月の終わりに迫った

県知事選挙を前に

ずっと楽しみにしていた

『○月○日、区長になる女。』の

舞台挨拶つき先行上映会が

催されることになり

日曜日、いつものミニシアターへ。


この上映会が決まった時には

まさか知事選が始まるなんて

監督さん始めスタッフの方々

誰も予想していなかったそう。


過激な知事の発言は

失言と受け取られても仕方がないが

虎視眈々と機会を窺っていた

県議会の自民党会派の

猛烈な知事降ろしにより

とうとう知事は辞任を表明し

超短期決戦の知事選へと突入した。


まぁ、首相がリニア開通を

「一丁目一番地」と言った頃から

こうなるのは目に見えていたけど

あまりの急転直下はえげつない。


立候補を表明しているのは

①地元出身の元総務省官僚。

しかも前副知事。

無所属だけれど自民県連公認。

②西部地域の元市長。

無所属だけれど連合・立憲・国民が公認。

バックにはスズキの会長。

そして菅元首相とは盟友のご関係。

③共産党の現・県委員長で元・赤旗の記者。

後は極小政党の2名と

完全無所属1名の計6名。


①と②はリニア・原発再稼働に概ね賛成。

それ以外の政策も二人の違いは

正直あまり見えてこない。

「無所属」と書いた

色違いの入口から入っても

出口はひとつ。裏金自民爆笑札束


③はリニア・原発のどちらにも反対。

それよりも県民の暮らしと福祉を優先する

具体的な政策を掲げている。

共産党は入口も出口も無いから

主張が一貫しているな。


話を映画に戻そう。

そんなミラクルなタイミングに

この上映会は行われたのだ。


Introduction


人口57万人、有権者数47万人という規模の区長選にも関わらず、わずか187票差で決着した2022年 杉並区長選挙。この選挙に立候補し現職を破った岸本聡子と彼女を草の根で支えた住民たちに密着したドキュメンタリー『映画 ◯月◯日、区長になる女。』


(エイガ マルガツマルニチ クチョウニナルオンナ)が2024年1月2日よりポレポレ東中野(東京都・中野区)にて劇場公開が決定しました。


監督は杉並区在住の劇作家・演出家ぺヤンヌマキ。彼女が長年住むアパートが道路拡張計画により立ち退きの危機にあることを知り、止める方法を自身で調べ動き始めたのが本作制作のきっかけです。


監督自身が地域問題の当事者となり、今まで無縁の世界だった選挙、政治の世界へカメラ片手に飛び込み、住民たちと連携し、学び悩む記録でもあり、それ以上に候補者と支援者たちと悩み考えぶつかりながら、合意形成のため対話を積み重ねていくリアルなやり取りが数多く記録されています。「この選挙方法で良いのか?」「住民要求とは?」「政策とは?」「そもそも公共とは?」


本作主題歌は、杉並区民が作った応援歌『ミュニシパリズム』を、黒猫同盟(上田ケンジと小泉今日子)がカバーした『黒猫同盟のミュニシパリズム』。「ミュニシパリズム」とは、地域に根付いた自治的な民主主義や合意形成を重視する考え方で、本作の重要なテーマとなっています。


そして選挙後に起こった動きに、新たな光を感じます。


私たちの生活は、政治と繋がっている、もう黙っていられない。


◯月◯日、次はあなたかもしれない。
(公式サイトより転載)


自分が住んでいるアパートが

道路拡張計画に入っていることを知った

ペヤンヌまきさん。

長年暮らしてきた愛着のある住まい。

いずれ立ち退きしなくてはならないの?

自分が知らない間に

いまの暮らしが奪われることになるなんて…


調べてみたら

周辺の住宅や公園、商店街も

計画の中に入っていた。

大好きなこの街が

勝手に変えられてしまう…

実はかねてから

地域住民による反対運動は続いていた。


自分に降りかかった問題が

実は地域の問題でもあり

それは政治の問題に

繋がっているのだと知った

ペヤンヌまきさんは

気づけば

間もなく行われる杉並区長選挙で

地元住民たちが推薦する

岸本聡子さんのビラを街頭で配りながら

カメラを回し撮影を始めていた…



「個人的なことは政治的なこと」

(The personal is political)

という言葉が先ず頭に浮かんだ。


テレビから流れてくるニュースは

画面越しで見ていると

まるで他人事のようだけど

実はわたしの暮らしと地続きであり

自分の身に起きている困り事も

実はわたしだけの問題ではなかったりする。


それなのに

あらゆるところに仕掛けられた分断が

人々を孤立させ

自分の身に起きていることは

自分で解決しなくてはならないと思わせる。

いわゆる「自己責任」っていうヤツだ。


最小限の人間だけで物事を決める方が

効率が良いと考える権力者たちは

人々の団結を一番嫌う。

「自己責任」で賄ってくれる方が

お金も時間もかからなくて

権力者には都合がいいのだ。


そう。

それは「民主主義」から一番遠いやり方。

「民主主義」は

とても時間がかかるし

その分コストもかかる。


「コスパ」「タイパ」という考え方が

蔓延って久しい。

その考え方はたぶん

人々から「考える力」を

奪いたいと思う人たちが

編み出した洗脳方法で

そうやって少しづつ

人々を「民主主義」から引き剥がそうとする。

いわゆる「家畜化」していく。


後は人々が

勝手に「自己責任」で賄ってくれるのなら

こんな楽な話はない。


一般的なメインストリームから

落ちこぼれた私には

世の中がそういう風に見える。



この映画に出てくる人たちも

私と同じごく普通の一市民。


違うのは

自分の身に起きている問題が

地域の問題だと知っていて

それが政治で解決するべき問題だと

人々と共有していることだ。



確かに

話し合いでは意見が割れることもあったし

岸本さんが立候補を

取り消してしまうんじゃないかと

心配してしまう場面もあった。


だけど最終的には

岸本さんというリーダーを決めても

おんぶにだっこしてもらうのではなく

住民も一緒に考え行動し続けていくという

方向は同じなのだと気づいた。


信条や方法に違いがあっても

主体的な「住民自治」を目指す

という方向は同じなのだから。




杉並区の成功は

岸本さんという救世主が現れたから

というのは

要因の一つに過ぎない。


根底には

それまで何十年も培ってきた

住民運動があった。


土壌ができていたところに

住民の意思に共鳴した

岸本さんが加わったことで

パワーがアップしたのだと思う。



区長選勝利の流れに乗って

次の区議会選挙で議会の新陳代謝が起こり

議員構成の男女差が無くなった(パリテ誕生)


全ては草の根から始まったのであり

決して「たまたま」ではないのだ。




187票差での勝利という選挙結果は

スタートであってゴールではない。


「民主主義」にも

「住民自治」にも終わりはない。

手放さないように

戦い護り続けていかねばはらないのだ。




翻って

わが県の知事選挙はどうだろう。

長年、原発再稼働やリニアの

反対運動が続けられてきた背景がある。


頻発する大災害、人口減少に環境負荷など

昭和に立てられた計画が

令和の時代にそぐわなくなっているのは

みんな既に気づいているはず。

それでも

大規模開発を推し進めようとするのは

ほんのひと握りの人たちの

利益のためでしかない。


SDGsのバッチをつけながら

リニア推進?

原発再稼働推進?

片腹痛いゎ!指差し


国との強固なパイプ?

地方自治の独立を阻む気か。

県は国の出先機関じゃないぞ!指差し



転落著しいこの国が誇れるものは

日本国憲法しか

もう残っていないのではないか。

その誇りすら捨て去って

なし崩し的に

戦争に加担しようとするのなら

もう「日本の終わりの始まり」なんだと思う。

それ自殺行為だよ。


「知事選くらいでそんな大袈裟な」って?

いやいやいやいや。

一事が万事ってこと

ここ数年の政治動向を見てたら

誰だってそう思うでしょ?


というわけで

県知事選挙まであと10日。

投票の権利を行使できるのも

先人たちが闘って手に入れてくれたから。

その一票を無駄にしないよう

必ず投票に行きましょう!

わたしも必ず行きますからニコニコ


『○月○日、区長になる女。』は

好評につき全国で上映拡大中。

お近くで上映されてたらぜひぜひ劇場へ!


朝ドラ「虎に翼」がお好きな方は特に

気に入ってもらえると思いますよニコニコ