先日、ある番組で「北海道民はカニといえば毛ガニである」という内容を取り上げていた。
まさにその通りで、私は大人になるまで他のカニを食べたことがなかった。
他のカニを食べてからも毛ガニが一番好きだなと思っている。
番組を見ていて、久しぶりに猛烈に毛ガニを食べたくなった。
子どもの頃は、父の職場に毛ガニを売りに来る人がいて、父はよく毛ガニを買って帰って来てくれて、私も大好きだった。
当時は父の職場に、毛ガニだけでなく、いろいろな物を売りに来る人がいた。
ガンガンに入ったかりんとうや、南部せんべいもよく買って来てくれた。
「ガンガン」という言葉は子どもの頃普通に使っていたけれど、調べると北海道の方言のようで「金属製の一斗缶、一斗缶のような大きな缶のこと」とあった。
かりんとうは、棒状の物だけでなく、丸くて渦巻き模様の入った物など、いろいろな種類が入っていて、おいしくて珍しかった。
南部せんべいは、ピーナツのが断然好きだった。
どこから売りに来ていたのだろう。
行商の人だったのだろうか。
昭和40年頃のお話です。
結婚してからも、夫が毛ガニが大好きなので、スーパーで手頃な値段で買えた時期にはよく買って来ていた。
夫が自ら殻から全部身を取り出して小丼に入れ、カニ味噌を混ぜて二人で食べるのが最高においしかった。
そんなことを繰り返しているうちに、夫は殻を剥くのが億劫になり、カニ欲も満たされてきて、あまり買わなくなってしまった。
そのうちに値段が上がってきてしまったこともあり、しばらく食べていないのでした。