【再投稿】フランス・第2の故郷 エクサンプロヴァンスVol.25 | すいらんぶろぐ

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群馬県/フランス美大留学/芸大受験・美大受験予備校/カルチャースクール/介護保険認定アートデイサービス/企画画廊/学校教材/画材/総合デザイン研究所/他

エクサンプロヴァンスの芸大に入学して

何が何だか分からない、

右往左往している僕を見て

何らかの理由で興味を持って友達になってくれた中に

ドイツ人でスリムな美女Aと

スウェーデン人の大柄な金髪Fがいて

最初はフランス人より、

同じ外国人として入学した連中との方が

なんとなく話があって・・・。

一般的に日本人男はあまり欧州の女性から

相手にされないのだけど、

何故か、僕はよく話しかけられたのです。

(自慢じゃありませんよ!)


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それぞれの母国の家庭料理を作りあって、

誰かの家で食べたり

ラオス人のヴォンとバイクに彼女達を乗せて、

海に行ったり・・。

勉強と陶芸の内職の合間を縫って,

そうした夜も寝ずに遊んだ日々が

またとても楽しくて、

次第にフランス語も上達していくのが分かって・・・。

 

ある時、ドイツ人のAと付き合いたくて告白したら

しっかりふられて 

”私はドイツに彼氏がいるの・・” と

ショックだったな~・・・。

 

それと、スウェーデン人のFが一度、

スウェーデン料理を作ってくれるというので

僕のアパートで張り切って作ってくれたのだけど、

たぶん有名なスウェーデン料理だと思うんだけど・・・

二口以上はもう食べれなくて・・・

 

僕は大概のものは美味しく頂くことが出来て

いやで残す ということがないのだけど

僕には、どうしても食べられなかったものが生涯に3つあって、

その中の一つが、この彼女が作ってくれた

発酵したニシンと牛乳とキャベツを煮込んだ料理。

 

匂いも味も見た目もアウト!!

この料理がXXなのか、

彼女の料理の腕がXXなのかは分かりませんが

本当にダメだった。

 

まあ、この料理を食べることを拒否したことで

彼女との関係も微妙に・・・。

食と相性ってけっこう大切ですよね~。

 

ちなみにドイツ人のAはいつも講釈と

お母さんの料理自慢をいつもしていたけど

結局作っているのは彼女のドイツ人の女友達で

高等音楽院でバイオリンを勉強しているB

彼女Aはもっぱら食べるのが専門で、

僕の野菜のてんぷらが大好きだったな~。

 

芸大の一年が終わった最初の夏休みに

高校時代の友人で、

Kという当時N大の数学に行っている

仲の良かった・・といより

Kから一方的に行動を共にする奴がいて

彼が、フランスの”僕の所へ

”遊びに来たい” 

と手紙で連絡があったのです。

 

でも、そのころは とにかく忙しくて忙しくて、

勉強も課題にも追われていて

彼が来ても、観光案内も出来ないし、

一緒にどこかに旅も出来ない

それに、いささか金銭的にも余裕がない・・・。

”日本の大学生とは全然違うんだ~”

(まあ全ての日本の大学生ではないと思いますが・・・)

と言ってもなかなか聞き入れず、

 

断る口実に 

”じゃ~、ギターをお土産に買ってきたらいいよ”

”でも安物じゃだめだよ! 

最低20万以上するヤツじゃないと・・・”

と手紙を書いたら

 

”分かった、じゃ~それ持っていくから・・・” 

”あ~、こいつ大地主のボンボンだった・・・” 

と猛省

この「高級ギターお土産作戦」は あえなく撃沈

 

結局、夏休みに遊びに来ることを

了承せざるを得なくなったわけです。

そして、僕は彼が少しでも早く音をあげて帰国するように

パリに迎えに行くこともなく

(彼は帰国日が決まっていない、

オープンチケットでフランスに来たので・・・)

南仏、エクサンプロヴァンスまで自力でやってきて

それもハードケースに入ったヤマハのフォークギター。

 

そんな約束をちゃんと果たしてきたので

しぶしぶ我がアパートに泊めてあげることに・・。

これだけ書くと、なんか僕が凄く意地悪そうですが

とにかくKが強引でわがままなので・・・。


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しかしながら、2年ぶりの再開にお互いに感無量。

Kは相変わらず強引な物言いで、着くなり 

僕のフランス留学の実情を褒めたり、けなしたり・・・。

まあでも彼らしい・・・。

 

そんな彼の歓迎会をしてあようと思い

せっかくフランスに来たのだから

フランス人もいた方がいいと思い

大学の同級生のフランス人の女の子2人に声を掛けて

レストランへ。

 

せっかくだから、典型的な

一般的なフランス料理を食べさせてくれる

レストランに行こう ということになり

たまに行っていた食堂的なレストランへ


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まず、頼んだのパテ。 

そしてやっぱりフランスと言えば、ステックフリッツ

サーロインステーキに沢山のフライドポテト

Kはまずはけっこうお腹がすいていたようで

出てきたパンをすかさずバクバク食べて

”あんまりパン食べすぎるなよう_!!” 

と言われつつも

パンだけバクバク。

それと、パテがあまり得意ではなかったようで

半分くらい食べて ”もういいや ”

フランス人の女の子達は、

”なんでこんなにおいしいのに・・・”って様子

 

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次に出てきたのは、彼にとっては見たこともないような

大きなサーロインステーキとお皿山もりのフライドポテト

”ね~、これって何人前??”

 

一人前だと分かるとその瞬間に食欲減退みたいで

”オレ、ヒレステーキの方がよかったな~・・・”

 

それでも、僕らの食欲と食べる速さに押されるように

最初は一生懸命食べていたけど、半分くらい食べた時点で

”もう いいや・・・ オレ腹いっぱい”

”お前ら よく食べれるな~・・・!”

僕らは 

”みんなこれくらい普通に食べるよ・・・。”と。

 

一緒に行ってくれたフランス人の女の子は、

喜んでくれると思って

連れて来てくれたレストランの食事を

彼があんまり嬉しそうに食べてくれないので、

ちょっとテンション下がり気味。

 

英語での彼とのコミュニケーションもあまり盛り上がらず

さらにテンション低下。

 

それでも僕らは、デザートとコーヒーを飲んで大満足。

結局、このレストランの食事は、

僕らが歓迎会をする側にもかかわらず

Kが申し訳ないと、お支払い・・・。

 

そんなわけで、

”じゃ~、明日私達が食べやすいフランスの家庭料理を

作ってご馳走するわ!”

ってことになって

 

翌日は僕のアパートで彼女達がフランス家庭料理を。

僕的には本当に美味しかったにも関わらず

相変わらずKは、食が進まず 

Kは ”あんまり腹減ってないんだ・・・” 

彼女達も再びテンション下がり気味。

 

もう彼とは一緒に食事をしたくない

ということになって 翌日はKを大学食堂へ。

 

フランスの大学食堂のフルコースもまた

僕が体験した楽しいところだったので

彼を連れて行ったのだけどやっぱり半分も食べずに・・・。

 

そのうちKが ”ね~、日本食食べれるところないの???”

”え~~~” 僕は唖然。

 

結局彼があんまり痩せてきたので、

仕方がない和食を作ってやろうと

生姜焼き定食を作ってあげたところ

”うっめ~・・・やっぱり和食が一番だよな~!” 

と腹減ってないどころじゃなく

バクバク1週間分の食欲をそこに投入状態。


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僕は心の中で 

”何しにフランスにこいつは来たんだろう・・・・” と。

 

その後も、どこに行くこともなく和食を食べたがるKに

僕も彼女達も呆れて

Kを説得して旅に行かせることに。

 

フランス国内を旅すればいいのに

”ギリシャに行ってみたい” と

またトンチンカンなことを・・。

 

まあでもこのままグダグダと

彼の面倒をみるのも疲れてきたので

旅行代理店に連れて行ってチケットを買って

ギリシャへ送りだしたのですが・・・。


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そして彼が帰ってきたのは一週間後・・・。

 

つづく

 

 

 

つづく