【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例 -6ページ目

【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

■今号のスゴい★PR

 

 

 

イギリス発

 

著名なアントレプレナーの新たな挑戦は

長寿・健康維持効果を期待させる

ローズマリーウォーター

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線》

 

 

 

 

 

<SUMMARY>


・成長を続けるボトルウォーター市場に長寿・健康維持効果を期待させる新たな商品が登場
・新商品の考案者はイギリスの著名なアントレプレナー・デイビット・スペンサー・パーシバル氏
・ローズマリーウォーターは現段階では大量生産が不可能なため限定的な販売にとどまる

 


<STORY>

 

イタリアのナポリから南に2時間半ほどのところにある小さな村、Acciaroli / アッチャロリをご存知ですか?

 

 

実は昨年2016年に、ヨーロッパを中心に欧米や世界中のメディアで驚くべき村としてニュースに取り上げられて話題になりました。

 

その理由は、「村人の10人に一人が100歳まで生きる」という長寿の村だったからです。しかもただ寿命が長いのではなく、アルツハイマーやリウマチ、白内障などの加齢に伴って患うことの多くなる各種症状の罹患者がかなり少なかったのだそうです。

 

 


Picture: ABC.Net AU

 

 

研究者たちもその事実に驚愕し、同村の長寿の背景にあるものは何かと探ったところ、どうやらそこには村人が日々消費しているローズマリーの量が関係しているのではないかという説が浮上したのです。

 

肉の鮮度を長持ちさせる効果があったため古代からお肉料理によく使われるハーブのローズマリーは、地中海沿岸原産でアッチャロリにも広く自生しています。実は様々な効能が指摘されているローズマリー。古代には記憶力を高める作用があるとして薬として用いられていたそうです。

 

そして今回の研究でも、ローズマリーの持つ効能として、抗発がん性、抗酸化作用、抗炎症作用、記憶力向上の作用などが指摘されました。

 

 

さてこのニュースにただ驚いただけではなく、実際にローズマリーの効能を生かした商品を考案し販売をスタートさせたのが、エネルギー業界に特化したグローバルリクルートエージェンシーSpencer Ogdenを立ち上げて、2013年にNational Business Awards Entrepreneur of the Yearを受賞した起業家のDavid Spencer-Percival(デイビット・スペンサー・パーシバル)氏でした。

 

 


Picture: THE TIMES

 

 

ニュースを読んだSpencer-Percival氏は、「僕ももっとたくさんローズマリーを食べるべきだ!でもどうやって?」と思ったそうです。アッチャロリでは村人たちはローズマリーをそのまま生食していたそうですが、それは少々難しいと感じた氏は、「飲み物としてごくごく飲めれば良いのではないか?」と思いつき、グーグルでローズマリードリンクを検索してみたところ、商用に販売されていないという検索結果に行きつき、一念発起したそうです。

 

始めは自宅の冷蔵庫いっぱいに様々な量のローズマリーを漬けた水を冷やして実験。すると、そのとても爽やかでリフレッシングな味わいに感激したのだそうです。そこから半年間の紆余曲折を経て、ついに世界初の本物のローズマリーのエキスを含んだローズマリーウォーターを世に送り出しました。

 

 



Picture: INDEPENDENT UK

 

 


商品ラインナップは、炭酸入り750ml(6本入り一箱£23.70)、炭酸入り350ml(12本入り一箱£35.40)、炭酸無し750ml(6本入り一箱£23.70)、炭酸無し350ml(12本入り一箱£35.40)の4種類(価格は公式HP参照)。350ml一本が日本円で約426円(1£=144.39円として換算)となっています。

 


同商品の販売スタートに際しては、どのように商品を市場にアピールすれば良いのか、そのアプローチが難しかったというSpencer-Percival氏。ローズマリーの持つ効能は様々な研究によって指摘されているものの、それが実際にアッチャロリ村の人の健康寿命の長さの要因であるのか、その人体に対する効果をきちんと証明するには医学的検証を10年間続ける必要があったからです。

 

 

そこでまずは商品の独特なパッケージ、ノンアルコールドリンクとしてはとても珍しい真っ白なボトルをメイン素材に、商品開発のきっかけとなったアッチャロリ村に触れながら、ローズマリーの持ちうる効能には大げさにメインとして触れないコピーを添えたビジュアルを制作しました。

 

 


Picture: No1 Rosemary Water Official Website

 

 


そして合わせて、商品PRのためのコマーシャル動画も制作。制作を指揮したのは元ロックミュージシャンのKevin Godley氏。Godley氏は、U2やBlur、Bryan Adamsなどの著名なアーティストのミュージックビデオをこれまでに多数制作しており、モーフィングなどのビジュアルエフェクトに長けていることで知られています。

 

 

制作された90秒の動画には、現役世界最高齢モデルである88歳のDaphne Selfeさんが登場しています。

 

作中では時間の経過とともに、ローズマリーウォーターを飲む彼女の姿がどんどん若返っていきます。

 

 

 


Picture: Both from Campaign Live UK

 

 


しかしながらこちらの動画、「ローズマリーウォーターを飲むことで若返ることができる」と消費者に受け取られかねないということで、イギリスのテレビコマーシャルの事前審査を行うNGOであるClearcastから待ったがかかったそうです。

 

 


ローズマリーウォーターの発売当初は、イギリス国内外に店舗を展開している百貨店Harvey Nichols(ハーヴェイ・ニコルズ)のみでの限定販売でしたが、現在ではその他の高級小売店での取り扱いもスタートしています。

 

現段階では生産コスト(原材料費)の問題もあり、大量生産をすることは現実化していないそうですが、Spencer-Percival氏は「誰もが手軽に飲めるようになっているところをいずれは見たいものだ」とまだまだ意欲旺盛なようです。

 

 


※No1 Rosemary Water Official Website
https://rosemarywater.com/

 

 

 

※ニュースソース

 

※INDEPENDENT UK
http://www.independent.co.uk/Business/indyventure/no1-rosemary-water-startup-drink-longerlife-bverages-soft-drinks-david-spencer-percival-a7741356.html

 

※Campaign Live UK
http://www.campaignlive.co.uk/article/no1-rosemary-water-drink-definitely-doesnt-age-backwards/1440154

 

※salutions
http://www.salutions.co.uk/rosemary-water-to-be-sold-exclusively-at-harvey-nichols/

 

※APSCo
http://www.apsco.org/article/david-spencer-percival-named-entrepreneur-of-the-year-1282.aspx

 

【今号のスゴい★PR】

 

 

シンガポール発

 

NS(国家サービス)50周年を祝うラッピングバス&

マクドナルドの限定新商品

 

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<Summary>

 

・2017年にシンガポールの国家サービス制度は50周年を迎える
・一年間を通した様々な祝賀イベントやキャンペーンが国を挙げて展開されている
・マクドナルド社は兵士をテーマにしたCMを放映し、限定メニューを発売

 


<STORY>


シンガポールにはいわゆる「兵役」が存在することをご存知ですか?

 

1965年に独立したシンガポールは、その後2年間の間は駐屯していたイギリス軍に国の防衛を頼っていました。しかし、イギリス軍が撤退を始めるに伴い、独自の国防の必要性が生じたことから、1967年に徴兵制度を導入し、台湾やイスラエルなどから実際の訓練の指導などを受けました。


シンガポールの兵役は、" National Service / NS (国家サービス)"と呼ばれています。16歳半になると兵役登録が国家から要求され、18歳に到達したシンガポール国民男子(親がシンガポールの永住権保有者であるシンガポール居住の外国人男子も含む)は2年間のNational Serviceに服す(軍事訓練を受ける)義務があります。

 

ただし兵役に就いたシンガポール男性の服務先は、シンガポール国軍であるSingapore Armed Forces(SAF)に限られません。例えば、軍事訓練の成績が優秀な人はSingapore Police Force / SPF (シンガポール警察)のトレーニングに編入し、空港などの重要施設警備や特攻隊としての特別訓練を受けることもあります。またその他にも、Singapore Civil Defence Force / SCDF (シンガポール市民軍)に属し、消防隊・救急隊として災害時の対応や人命救助・救急活動を行うこともあります。

 

このように、シンガポールのNational Serviceでは軍隊以外の国の公共サービスにも配属されるため必ずしも「兵役」とは言いきれませんが、徴兵された男性の多くはシンガポール国軍、その中でも陸軍に服するのが最も一般的です。

 



Picture: SINGAPORE GOVERMENT

 


シンガポールでは2年間のNational Serviceが終了すると" Operationally ready"とみなされ、「Operationally-Ready National Service / ORSN (予備役)」となります。最初の兵役2年間が終了したのちも、40歳までは(将校は50歳まで)招集される可能性があり、年間最大で40日間の訓練や任務に必ず応じなければなりません。

 

シンガポール国民のほぼ全ての男性が、National Serviceのメンバーであり、シンガポール国民のほぼすべてがNSメンバーを家族として持つため、シンガポール国民のNational Serviceへの関心は非常に高く、彼らの活動と犠牲を称え感謝することは非常に大切です。

 

 

そんな中で、2017年に創設50周年の節目を迎えたNational Service。現在1年間にわたる様々な祝賀イベント(NS50)が、"From My Generation to Yours (私の世代からあなたたちの世代へ)"というテーマの下、継続的に展開されています。

 


例えば、年始からスタートしたものには、NSベテラン(退役軍人)や現役のNSメンバーに対しての様々な小売店で利用できる100ドル分のクーポンセット配布がありました。

 

また、5月24日から20日まではF1 PitビルディングでNSの50年間の歩みをテーマにしたエキシビションが開催された他、8月1日から10日にかけては、コミュニティ参加型イベントとして、NS50周年をテーマにしたピクニックや、ディナーレセプションなどが実施される予定になっています。

 


そして先ごろ登場したのが、NS50周年を祝い、サービスメンバーに対して感謝を表明したラッピングバスです。

 

 


Picture: Screenshot from Mumbrella Asia

 

 


シンガポールを走るバス25台には、カモフラージュ柄のラッピングに加え、バスの後部には高さ1.8メートルの“mobilisation man”、兵士の銅像があしらわれました。

 

このバスは、8月26日までの期間中、シンガポール島内のBishan、Clementi、Shenton Wayエリアを走ることになっています。

 

このように、シンガポール政府や防衛相が実施しているイベントが多数あるだけでなく、一般企業にもNSの50周年を記念したキャンペーンを展開するところが出てきています。

 

 

例えば、マクドナルドでは兵役に就く男性が、休暇で家族の元へと帰省する場面をテーマにしたコマーシャルの放送を開始しました。

 

"  McDonald's - First Pay Check 45s  "

 

 

 

https://youtu.be/6ARYIDS3tnM

 


シンガポールでは兵役に就くと、その間に年間14日間のLeave(休暇)が与えられます。動画では、その休暇を利用して家族のところへ帰省する男性と、帰りを待つ家族が主人公になっています。

 

 

動画中では、予定していた時間よりも帰宅が遅れている息子のことを、母親が心配しはじめます。しかし実は彼の帰宅が遅れてしまったのは、兵役に就いての初任給を使って、家族のためにマクドナルドで食事を購入していたからで、その後無事に帰宅した息子を囲んで、家族は幸せな食卓を囲むというエンディングになっています。

 



Picture: Screenshot from Mcdonald Singapore Official Website

 

 


シンガポールの兵役をテーマにしたハートウォーミングなコマーシャルの導入だけでなく、今月7月に開催されている2017年シンガポールフードフェスティバルに合わせて、同社は限定メニュー " Nasi lemak burger " 、"Chendol McFlurry "、" Crispy Coconut Pie " 、" Bandung McFizz® " の販売をスタートしました。

 

これらの商品はいずれも、" Just For You, Singapore! / シンガポールのためだけに! "というキャンペーンテーマに合わせて、シンガポールのローカルフレーバー、地元で愛されている食材や味を取り入れたものになっています。

 

 


※NS50 Official Website
https://www.mindef.gov.sg/NS50/

 

※McDonald's Singapore Official Website
https://www.mcdonalds.com.sg/

 

 

※ニュースソース

 

※Mumbrella Asia
http://www.mumbrella.asia/2017/06/singapore-mod-marks-50th-anniversary-national-service-bus-campaign/

 

※Mumbrella Asia
http://www.mumbrella.asia/2017/07/mcdonalds-uses-singapore-national-service-anniversary-launch-nasi-lemak-burger/

 

※Channel Newsasia
http://www.channelnewsasia.com/news/singapore/nsmen-to-get-s-100-vouchers-to-mark-50-years-of-national-service-7622472

 

※Strait Times
http://www.straitstimes.com/singapore/celebrating-ns50-7-ways-how-singapore-national-service-has-evolved-over-the-years

 

■今号のスゴい★PR事例■

 

 

米国発。

 

売り上げ前年比2500%を達成。

アイスクリーム業界の新潮流を牽引するHalo Top

 

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Source Halo Top Official Facebook Page

 

 

 

<Summary>

 

・アメリカ初の本格ヘルシーアイスクリームとして業界をけん引するHalo Top
・雑誌GQのアイスクリームダイエット特集以降注目度と売り上げが急上昇
・ミレニアルズを中心に支持を伸ばし売り上げ前年比2550%を達成

 


<STORY>

 


冷たくて甘いアイスクリームというと、耽溺/Indulgenceをどれだけ感じさせてくれるかが醍醐味と言われていましたが、気になるのはそのカロリーや栄養成分。

 

ダイエット中の人なら、とりわけ避けたいデザートの一つとして挙げられることも多いデザートです。

 

 

ドラマや映画などでもよく見かける、アイスクリームの1パイントボックスを抱えて直接スプーンで食べるシーンは、アメリカ人がどれほどアイスクリームを愛してやまないかを象徴しています。

 

アメリカのスーパーマーケットのアイスクリーム通路は恐ろしく長く、各ブランドのパイントボックスがずらりと並ぶ姿は圧巻です。

 

しかし、近年の国民の健康への関心とヘルシーな食生活志向の高まりから、アイスクリーム業界にも例外なくその波が押し寄せています。そして、その新しいヘルシーアイスクリームの流れをけん引しているのが、" Halo Top "です。

 



Picture: Screenshot FOOD & WINE

 

 


昨年2016年に彗星のごとくアイスクリーム業界に表れたニューフェイスは、実はブランドの誕生は2012年に遡ります。

 

同社を立ち上げたのは、元弁護士のJustin Woolverton氏、36歳。プロダクトの誕生は、彼自身が低血糖症による食事制限を設けられていたために、自宅のキッチンでアイスクリームを作り始めたことがきっかけだそうです。

 

 

そして昨年に、同ブランドが大ブームとなるきっかけとなったのは、雑誌GQのライターが執筆した「Halo Topアイスクリームだけを10日間食べ続けてみたらどうなるか」という、アイスクリームダイエットに絡んだ記事がきっかけでした。

 

 

ローカロリーでプロテインを多く含み、砂糖を控えたヘルシーアイスクリームにも関わらずリアルアイスクリームのような味がするという商品特性をもつHalo Topのアイスクリームは、1パイント丸ごと食べてしまった後でも、" Guilt-free " すなわち " 罪悪感なし " でいられるフローズンデザートとしてもてはやされたのです。

 

 


こうして、ミレニアルズを中心に、フローズンデザートの中で最もインスタグラム映えするアイテムとなったHalo Topの売り上げは急上昇。

 

IRIによれば、昨年2016年度には2880万パイント、額にしておよそ148億5千万円($132.4 million/2017年6月為替レートによる)を売り上げました。これは2015年度の売り上げ66米ミリオンドルと比較して、対前年度比2500%という驚異的な伸び率となりました。

 

この結果、一時は同社のおひざ元であるロサンゼルスを含め、ニューヨーク、はたまたワイオミング州であろうとも、小売店の陳列棚に商品が無い、ストックできないという超品薄状態が発生していたのだそうです。

 

 


さて、業績好調の同社は2017年6月に新しい広告キャンペーンをスタート。悪魔と天使をメインキャストにしたユーモラスな動画がリリースされ話題になっています。

 

 



Source: THE DRUM

 


罪悪感なしに食べることができるアイスクリームHalo Topを生み出した天使に対して、悪魔が「罪悪感を感じてもらわなきゃ困るんだよ!」と天界に抗議にやってきます。

 

しかし実のところは、Hola Topの美味しさの虜になっている悪魔。「分析用に使うから」と言いいながら、アイスクリームを小脇に抱えてうきうきと悪魔界へと戻っていくというストーリーです。

 

 

こちらがユーモラスと話題の同ブランドが現在展開している最新の広告キャンペーン動画です。

リンクからあわせてご覧ください。

 

 

" Halo Top - My Territory - Extended  "

 

https://youtu.be/3fm3BGLQRCg

 

 


アメリカ国民の食に関する関心と健康志向の高まり、生来のお手軽で新しいダイエットが大好きな国民性も相まって、アイスクリーム市場で大躍進を遂げているヘルシーアイスクリームですが、消費者がやはり気になるのは本当に美味しいのかという点です。

 

 

そこで米ワシントンポスト紙が、実際に被験者に4つの健康志向アイスクリームを食べ比べて、最高評価5ポイント制で評価してもらうテイスティングテストを実施していましたので、そちらをご紹介しておきます。

 

 

 


Source: The Washington Post

 

 


>Entry Number 1

 

ブランド:Arctic Zero Fit Frozen Dessert

 

・フレーバー: Purely Chocolate
・平均スコア: 1
・1パイント当たりのカロリー:150
・特徴:プロテイン3g、グルテン・乳糖フリー、無脂肪、上質なホエイプロテインを配合し、抗酸化物質が豊富な羅漢果を使用。栄養価に優れ、 筋肉の質を改善。
・批評家コメント:
「粉っぽくてひどい」
「デザートの持つ楽しさを台無しにしている」
「このアイスクリームは誰も食べちゃいけない」

 


>Entry Number 2

 

ブランド:Cado Avocado Frozen Dessert

 

・フレーバー:Deep Dark Chocolate
・平均スコア:1.05
・1パイント当たりのカロリー:600
・特徴:大豆・グルテンフリー、ヴィーガン、カリウム220mg、植物性難消化性成分4g、パイント当たりアボカド丸1個使用。
・批評家コメント:
「売れすぎた果実がキャノーラ湯の中に浸かっているようだ」
「奇妙な脂っこいバナナチョコレートだ」
「CIAの秘密の毒が盛られているのか?」

 


>Entry Number 3

 

ブランド:Enlightened‘The Good-For-You Ice Cream’

 

・フレーバーTriple Chocolate
・平均スコア:1.3
・1パイント当たりのカロリー:360
・特徴:植物性難消化成分5g、プロテイン7g、低血糖、エリスリトールと羅漢果で甘みを出した。砂糖を控えてプロテインを増量。
・批評家コメント:
「チョコレートの味が全くしない」
「クリーミーな触感はまずまずある」
「後味が悪い」

 


>Entry Number 4

 

ブランド:Halo Top Light Ice Cream

 

・フレーバー:Chocolate
・平均スコア:2.2
・パイント当たりのカロリー:240
・特徴:植物性難消化成分2g、プロテイン6g、グルテンフリー、人口軟化剤不使用。プロテイン摂取源に良く、ベジタリアンにも優しい。
・批評家コメント:
「すごくココアっぽい」
「体重を気にしている人には良いだろう」
「アイスクリームというよりも、ジェラートのような触感だ」

 


ちなみに、上記4つのヘルシーアイスクリームとともに、従来の乳脂肪分たっぷりのアイスクリームもテイスティングしてもらったところ、評価者の平均スコアは3.8ポイントだったそうです。

 

 

従来の耽溺をもたらしてくれるアイスクリームには及びませんが、ヘルシー志向のアイスクリームの中では一つ頭が抜き出ている感があるHalo Top。

 

売り上げ絶好調の背景には、競合を凌ぐ商品のクオリティもあるようです。

 

 


※Halo Top Official Website
https://www.halotop.com/

 

 

 

※ニュースソース

 

※CNBC
http://www.cnbc.com/2017/06/29/halo-top-and-the-future-of-ice-cream.html

※THE DRUM
http://www.thedrum.com/news/2017/06/29/the-devil-becomes-frustrated-with-halo-top-s-sin-free-ice-cream-brand-s-humorous-ads

※FOOD & WINE
http://www.foodandwine.com/desserts/frozen-desserts/

※The Washington Post
https://www.washingtonpost.com/lifestyle/food/healthy-ice-creams-promise-indulgence-without-guilt-do-they-deliver/2017/06/26/425708dc-5525-11e7-ba90-f5875b7d1876_story.html?utm_term=.fc4558e64b43

 

 

 

 

■編集後記■


 

読者の皆様、こんにちは。


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。


アイスクリームはお好きですか?

 

さて、アメリカには1927年にリリースされた曲で、歌詞にアイスクリームが入り、今もそのフレーズが皆に愛されているものがあります。

それがこちら。


 "I Scream, You Scream, We All Scream for Ice Cream"

「私は叫ぶ あなたも叫ぶ 私たちはみーんなアイスクリームが欲しいと叫ぶ」


アメリカ人はそんなにアイスクリームが大好きなのか!ということを改めて思わせるフレーズです。


ちなみに、記事の中でご紹介したHalo TopのCM動画の終盤では少々アレンジされたものが悪魔によって披露されていました。


" I Scream, You Scream, We All Scream Down Here "

「私は叫ぶ あなたも叫ぶ 私たちはみーんな ここ(地獄)で絶叫する」

 

 

笑。

 

悪魔さん、なかなかのユーモアセンスです。

 


今回もお付き合いいただきありがとうございました😍!

 

 

 

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■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 

 

シンガポール発。

 

野生のトラを保護しよう!

タイガービール、WWF&アーティストによる

デジタルキャンペーン

 

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Picture: Screenshot from #3890Tigers Official Website

 

 

 

<Summary>

・タイガービール社がWWFの野生のトラ保護活動への6年間のパートナーシップを表明
・消費者参加型のセルフィーキャンペーンで、保護活動への啓もう活動を展開
・ブランドアイコンの図柄を商品ラベルから削除した特別パッケージを販売

 

 

' 3890 '

 

WWFによれば、現在世界に生息している野生のトラは3890頭。過去1世紀の間に、10万頭から96%も減少しているのだそうです。

 

その主な原因のひとつとして挙げられているのが、トラの違法な取引です。違法に取引されたトラは、東洋医学の薬やアクセサリーなどの装飾品、インテリア用品、毛皮製品などに加工され販売されています。

 

 

このようなトラの違法取引や生息個体数が激減している現状についての気づきと理解を深めてもらい、野生のトラを保護する取り組みの一つに、WWFが主導している' Tx2 'があります。

 

 

2010年に3200頭程度まで激減していた野生のトラの個体数に危機感を抱いた、野生のトラが生息する世界の13か国とWWFは、干支で次の寅年にあたる2022年までに生息個体数を倍にするという目標を掲げて、' Tiger × 2倍 'を意味する' Tx2 'というグローバルタイガープログラムをスタートさせました。

 



Picture: Screenshot WWF Tx2 Official Page

 


そしてこの' Tx2 'プログラムに賛同し、プログラムへの6年間にわたる全面的なバックアップを、100万米ドルの寄付とともに表明したのがシンガポールなど東南アジアを中心にアメリカやイギリスでも多くの人に親しまれている' タイガービール 'です。

 

 

1932年に製造・販売が開始されたタイガービールは、オランダのハイネケン社とシンガポールのFraser and Neave社の傘下にあるアジア・パシフィック・ブリュワリーズ社が製造販売しています。

 

同社は、シンガポールのみならずマレーシア、タイ、カンボジア、ベトナム、中国、スリランカ、インドなどアジア太平洋各地の醸造所を展開しています。

 



Picture: Screenshot Tiger Beer Official Website

 

 


タイガービールのラベルにはもちろんトラの絵がデザインされています。

 

 

同社にとって大切な存在であるトラの悲惨な現状を憂いたタイガービールはWWFのプログラムに賛同し、「Can you imagine a world without tigers? / トラのいない世界なんて想像できますか?」というキャッチフレーズの元で、' #3890TIGERS ' という名前のデジタルキャンペーンを展開しています。

 

 



Picture: Screenshot Tiger Beer Official Facebook Page

 

 


キャンペーンは、タイガービールの誕生地であるシンガポールで2017年5月31日にスタートしました。

 

その後、マレーシア、カンボジア、中国、香港、ロシア、アメリカ、ニュージーランドでも随時展開されています。

 

 

今回のデジタルキャンペーンの中心となっているのは、消費者を巻き込んでのセルフィーキャンペーン。

 

撮影したセルフィー写真を公式サイトでアップロードすると、世界の著名なアーティストの作品とAIを利用して自動的にコラージュされた、世界に一つだけの画像が生成されます。

 

 



Picture: Screenshot Tiger Beer Official Facebook Page

 


コラボレーションすることができるアーティストは、中国のHua Tunan氏、フランスのMademoiselle Maurice氏、マレーシアのKenji Chai氏、ロシアのNootk氏、イギリスのNick Gentry氏とアメリカのTranNguyen氏の6人となっています。

 

キャンペーンに参加したい人は、ハッシュタグ#3890Tigersをつけて作成した写真をSNSなどでシェアすることで、世界中の誰もがこの活動に賛同を表明し、サポートすることができるようになっています。

 

そして今回のキャンペーンは、' Global Tiger Day / 世界トラの日 'である2017年7月29日まで実施されています。

 

 


さて、このセルフィーキャンペーンだけでなく、タイガービールはもう一つ思い切ったアクションを起こしました。

 

それが、ブランドの歴史84年間の中で初めて、商品パッケージからアイコンであるトラのデザインを外すという決断です。

 

期間限定ではありますが、世界に野生のトラが地上からいなくなってきているという危機感を示すために、限定パッケージでの販売を行うのだそうです。

 

 


最後に、今回のキャンペーンのPR動画もあわせてご覧ください。

 


" #3890tigers Tiger beer + WWF  "

 

 

 

https://youtu.be/u4ec--2sBDw

 

 


※#3890Tigers Official Website
https://3890.tigerbeer.com/en

 

※Tiger Beer Official Website
http://www.tigerbeer.com/

 

 

 

※ニュースソース

 

※mumbrella Asia
http://www.mumbrella.asia/2017/05/tiger-beer-uses-selfie-campaign-raise-awareness-illegal-tiger-trade/

※PR Newswire
http://www.prnewswire.com/news-releases/tiger-beer-and-wwf-join-forces-to-fight-illegal-tiger-trade-300465265.html

※Ad News
http://www.adnews.com.au/campaigns/tiger-beer-and-wwf-join-forces-for-animal-protection

※Marketing Interactive
http://www.marketing-interactive.com/tiger-beer-joins-forces-with-wwf-to-tackle-illegal-tiger-trade/

 

 

 

■編集後記■

 


 

読者の皆様、こんにちは。

 

スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

野生のトラの個体数がここまで激減していたという事実、読者の皆様はご存知でしたでしょうか?

 

私は、今回の記事を書くまでその事実を知りませんでした。

 

IUCN(国際自然保護連合)のレッドデータブックには絶滅寸前種(CR)などに指定されている、種族存続の危機にある野生動物や植物がたくさんあるということは知っていましたが、動物園に行けば、たいていいつでも眺めることのできるトラもその一種だったとは。

 

 


さて、私が来月から住むハワイでは、実はウミガメに触ることはNGという州法があります。

 

ウミガメ(ホヌ)は、ハワイでは大切な保護動物となっているため、例えば泳いでいる時、ビーチなどでたまたまウミガメに遭遇することがあっても、決して触れてはいけないのだそうです。

 

近年、ウミガメのふ化、保護活動に積極的に取り組んでいるハワイ。その成果も少しずつ出てきているようです。

 

 

今回もお付き合いいただきありがとうございました😍!

 

 


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イギリス発。

 

マーケットシェア50%が60%に拡大!

英コスメブランドの顧客のためならどこへでもキャンペーン

 

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Picture: Screenshot from The Persuaders

 

 


今回は、イギリスのBenefit Cosmetics LLC(ベネフィットコスメティクス)の取り組みをご紹介します。

 


ベネフィットコスメティクスは、1976年にインディアナ出身のJean(ジーン)とJane(ジェーン)の双子姉妹によって設立されました。

 

現在アメリカのサンフランシスコに本社を置く同社は、世界30か国以上に2000以上のコスメカウンターを展開しています。

 

そして店頭カウンターでカスタマーが眉毛ケアを受けると、その売り上げが世界中の女性の自立や子女教育、自立などをサポートする慈善団体への寄付につながるCSR活動を行っていることでも知られています。

 

 



Picture: Screenshot Benefit Cosmetics Official Facebook Page

 

 


ベネフィットコスメティクスの商品は、日本ではまだ公式に発売されていませんが、機能的で品質が高いのに価格設定はリーズナブル、そして可愛らしいパッケージとユニークな商品のネーミングに魅了されている女性は数多く、ハリウッドセレブをはじめ日本の芸能人・有名人の中にも愛用者が多いことで知られていて、お土産としても人気があり、コスメ好きの中ではよく知られたブランド名でもあります。

 

 


さて、会社発祥の地であるアメリカでの人気はもちろんですが、今回同社があるマーケティング活動を展開したイギリスロンドンにあるデベンナムデパートにある店舗も旗艦店のひとつです。

 

 

ちなみに同社の主力商品である眉毛用のコスメやまつ毛を含めたアイケアアイテムカテゴリーにおいては、今回ご紹介するキャンペーンを実施する前の段階で、既にイギリスでのマーケットシェア50%を保有しており、同カテゴリー商品で人気のあるアイテムのトップ5はベネフィットコスメティクスの商品でした。

 

 

このような高いシェアと支持を獲得している背景には、およそ20年前に同社が始めた店頭カウンターでの眉毛ケアやパーソナルカウンセリングを通して顧客からの信頼を獲得していること。また、同社から新商品が発売されると、顧客一人一人に対面で商品を紹介し勧めることができるなど、顧客の満足度とロイヤリティーを高めることに成功した点が挙げられています。

 

 

 

しかし、同社のブランドアクティベイション部門のヘッドパーソンである、Kyra White氏が「たとえ四人に一人の女性がアイブロウ関連の商品を毎日のメークアッププロセスで使用しているのだとしても、まだまだベネフィットコスメティクスにとって機会があるはずだ」と述べたように、同社はイギリスでのシェア50%というこれまでの成果に満足していたわけではありませんでした。

 

 

 

そこで2017年3月1日から5月までの3か月間の間、同社はイギリス全土を巡るキャンペーンツアーに出発したのでした。

 

 


" BlowMobile "

 

 


" ブロウモバイル " と名づけられた今回のキャンペーンでは、同ブランドをイメージするカラーでもあるピンク色の特性ワゴン車を導入。

 

今回のキャンペーンを、「イギリス中の眉毛を変える!」という思いのもと、イギリス国内中のファンや潜在顧客の元へと、ベネフィットコスメティクス側が商品とサービスを届けにいく大切な機会と同社は位置づけていました。

 

 



Picture: Screenshot from The Persuaders

 

 


車の外装はもちろんですが、内装もピンクで統一されていました。

 

 



Picture: Screenshot from The Persuaders

 

 


車にはツアー先のどこでもベネフィット社の眉毛やアイケア関連プロダクトと同社のプロフェショナルによる眉毛ケアなどが受けられる商品と設備を積み込まれ、ブランド大使らとともにロードツアーへと出向きました。

 



Picture: Screenshot from The Persuaders

 

 


日頃は同ブランドの店頭カウンターに出向くことができないカスタマーの元へもベネフィット社の商品とサービスを届けるツアースケジュールは前もってオンライン上で公開されていたほか、カスタマー参加型のキャンペーンも実施。

 

当選者の元にはなんと、ブロウモバイル車が訪れてくれるという特典には、5000を超える応募が集まったほか、キャンペーンウェブサイトには61000というユニークユーザー数を記録したそうです。

 

 

また、今回のキャンペーンを企画するにあたっては、ブランドのターゲットである女性層の行動パターンにフォーカスし「インスタグラム映え」するかどうかを意識したそうです。

 

 

 


実は、昨年6月に13種類のアイブロウ関連の新商品の販売を開始して以来、ここ一年にわたり同社では" To the people "というスローガンのもとで、眉毛関連プロダクト以外のカテゴリーの商品でも、「人々のもとへ」楽しみや喜びを届ける様々なキャンペーンを展開してきました。

 

 

例えば4月には、ロンドン、ダブリン、マンチェスター、グラスゴーの各都市に、ピンク色のポップアップチャリティーストアをオープン。ストアの内外装はもちろんピンクで統一。

 

さらには、ベネフィットコスメティクスと同社のパートナーブランドから集められたピンク色の商品が陳列、販売されました。これらポップアップストアでの売り上げは計2万5000ポンドにのぼり、その全額は寄付されました。

 



Picture: Screenshot from Campaign Live

 

 


また同月の店頭カウンターでの眉毛ワックスの施術による売り上げも、チャリティー団体に寄付するというキャンペーンもあわせて実施していました。

 

 


これらキャンペーンの他にも、同社は日頃からインフルエンサーや美容関連ブロガーとの交流を積極的に行っています。

 

同社は彼女たちに「報酬を(お金で)支払うことはやらない」というポリシーを持っていて、代わりに商品のサンプリングを依頼したり、彼女たち向けに月に2回 " Blowtime " という名前のミートアップをロンドンのストアで開催し、同社の商品について意見交換をしたりする、女性同士の日曜のブランチのような機会を設けています。

 

 


こうしたたゆまぬ努力の結果もあり、同社のアイブロウ・アイケア関連カテゴリーでのマーケットシェアは60%を超えるまでに拡大しました。

 

同社の姿勢やこれまでの取り組みを見る限り、さらなるマーケットシェア拡大にも現実味は十分ありそうです。

 

 


※Benefit Cosmetics UK Official Website
https://www.benefitcosmetics.com/uk/en-gb

 

 

 

※ニュースソース

 

※Campaign Live
http://www.campaignlive.co.uk/article/bus-helped-benefit-cosmetics-gain-60-share-uks-20m-eyebrow-product-market/1432868

※The Persuaders
http://www.thepersuaders.co.uk/benefit-cosmetics-brow-mobile/

※Event Magazine UK
http://www.eventmagazine.co.uk/benefit-cosmetics-launch-brow-mobile-uk-tour/brands/article/1423438

※bea world
http://www.beaworldfestival.com/senza-categoria/uk-persuaders-benefit-bring-brow-mobile-uk/

 

 

 

 

 

■編集後記■


 

 

読者の皆様、こんにちは。

 

スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

化粧品ブランドが展開するカウンターでの対面販売やカウンセリングは、日本でもデパートのコスメ売り場をはじめとして女性の間ではポピュラーなものですよね。

 

 

今回ご紹介したベネフィットコスメティクスが顧客のロイヤリティを高めてきたなと同じような効果があるのだと思います。

 


私はといえば、学校を出て就職した会社の上司に、「デパートの化粧品カウンターででも化粧の仕方を伝授してもらってきたら?」とすすめられて、敷居の高そうなイメージがあったデパートの高級化粧品ブランドのカウンターにびくびくしながら初めて訪れたことを、今でも鮮明に覚えています。

 

 

その後しばらくは、某ブランドのアイテムをスキンケアからメイクアップ用品まで愛用していましたが、いつしか足が遠のいてしまいました。

 

 


私のような化粧品やメイクに無頓着な人間には、今回のベネフィットコスメティクスのように「出向いてきてもらえる」と、またブランドに興味を持つきっかけとなるかもしれません。

 

 

今回もお付き合いいただきありがとうございました😍!

 

 


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