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【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

 ■今号のスゴい★PR事例■


 


世界的歌手プリンス急死の悲報に
ブランド、企業、著名人らが哀悼の意を表明。
中には投稿後ほどなく削除されたものも・・・
|スゴい★PR《世界のマーケティング最新事例》





 

 



読者の皆様、こんにちは。


 

今回は、アメリカはミネソタ州ミネアポリスの現地時間4月21日の午前に自宅のエレベーター内で意識不明の状態で発見され、その後死亡が確認された、世界的人気歌手プリンスの悲報に対する、世界の著名人やブランド、企業の様々な反応をご紹介したいと思います。

中には、SNSに投稿後に批判を浴びて既に削除されたものもあります。



 


 
Picture:Screeen shot from the gurdian



 

ミネアポリス出身のプリンスは、1978年にデビュー。

その後、2枚組のアルバム「1999」(1982年発表)で大ブレークしました。

さらに、1984年には映画と同名のサウンドトラック「パープル・レイン」で世界的に有名に。2004年にはロックの殿堂入りも果たしています。



 

彼の出身地でもあり居住地でもあったミネソタ州やミネアポリスに関係するブランドや企業は相次いで哀悼の意をSNSなどに投稿しました。


 

 

<Minnesota Twins>



ミネアポリスに本拠地を置く、MLBチームのミネソタツインズのホーム球場ターゲット・フィールドの一部が、プリンスをトリビュートしたものに。



 
Picture:Screeen shot from Minnesota Twins Official Twitter



 

 

<Caribou Coffee>



ミネソタ州ブルックリンセンターに本社のある、1992年設立のカリボーコーヒー。美味しいエスプレッソコーヒーやサンドイッチで人気です。




 
Picture:Screeen shot from Caribou Coffee Official Twitter




 

 

<3M>



ミネソタ州セントポール郊外のメープルウッドに本社のある世界的化学・電気素材メーカーの3M(スリーエム)。通常の赤い企業ロゴが紫色に。





 
Picture:Screeen shot from 3M Official Twitter




 

 

<Minnesota Vikings>



ミネソタ州ミネアポリスに本拠地を置く、NFLチーム(NFC北地区所属)ミネソタ・バイキングスのインスタグラム投稿。



 

 
Picture:Screeen shot from Minnesota Vikings Official Instagram




 

 

<Xcel Energy Center>



ミネソタ州セントポールにある地元電力会社が命名権を持つ屋内競技場のエクセル・エナジー・センターのツイート。




 
Picture:Screeen shot from Xcel Energy Center Official Twitter




 


<Sun Country Airlines>



"The Hometown Airline"を会社のスローガンとし、ミネアポリス-セントポール国際空港をハブ空港にしているサンカウンティ航空。同じく、地元を愛したプリンスに哀悼の意を。





 
Picture:Screeen shot from Sun Country Airlines Official Twitter



 


 

<Cherrios>



ミネソタ州ミネアポリスを本拠地とする巨大企業、General Mills(ゼネラルミルズ)のシリアルブランド、チェリオスのツイート。



 

 
Picture:Screeen shot from Ad Age




「Rest in peace」の「i」の文字の一部に、チェリオスのシリアルがはめ込まれていたこちらのツイート。現在は削除されていて見ることはできません。


同社によれば、「ツイートが誤って理解されることを懸念して、またプリンスへの敬意を表して」削除を決断したのだとか。



 

 


続いては、ミネソタ州以外にも広がった哀悼の意を表明するSNSへの投稿の一部をご紹介します。




 

 

<Appolo Theater>



ニューヨークにあるアポロシアター。数々の有名アーティストを輩出した伝説のクラブでありブラックエンターテイメントの殿堂です。




 
Picture:Screeen shot from Ad Age





 

 

<NASA>



NASA(アメリカ航空宇宙局)も紫色の青雲の写真を投稿して哀悼の意を表明。




 
Picture:Screeen shot from NASA Official Twitter

 





 

<Maker's Mark>



ビーム サントリー社のバーボン・ウイスキーのブランド、メ―カーズマーク。いつもの赤いボトルトップの部分が紫色に。




 
Picture:Screeen shot from NASA Official Twitter



 

 



<Barack Obama>



オバマ大統領も、TwitterやFacebookに投稿しプリンスへの哀悼の意を表しました。



 

 
Picture:Screeen shot from Barack Obama Official Twitter




 

 

<FOUR LOKO>



最後にご紹介するのはこちら。



イリノイ州シカゴに本拠地を置くPhusion Projects(フュ―ジョン・プロジェクト)社のアルコール飲料のフォー・ロコのツイートです。



 

 
Picture:Screeen shot from Ad Age



 
Picture:Screeen shot from Ad Age



 

「プリンスのために注ぐ」というコメントとともに投稿されましたが、ほどなくして削除されました。



 


 


たくさんの「いいね」や「シェア」などの共感を得た投稿もあれば、即刻削除となってしまったものもあります。

こうした出来事に対するリアクションはスピード感が大切ではありますが、結果として人々の反感や不信感を買ってしまっては元も子もありませんね。。。

 


 

 

 

※ニュースソース


※AD NEWS
http://www.adnews.com.au/news/brand-and-industry-tributes-pour-in-for-prince

※npe the two-way
http://www.npr.org/sections/thetwo-way/2016/04/21/475140904/a-once-in-forever-artist-celebrities-pay-tribute-to-prince

※AD Age
http://adage.com/article/cmo-strategy/brand-s-tweet-prince-including-cheerios-pulled/303685/

※Mashable
http://mashable.com/2016/04/21/prince-death-brands/#X4y9s62sKEq9

 

 

 


■編集後記■


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。


 

今年に入って、音楽の歴史に伝説を残した偉大なアーティストの訃報を多く耳にするなあと、この度のプリンスさんの急死のニュースを聞いて感じました。



明け方に訃報をニュースで知ってから数時間のうちに3度も、私の家族が「プリンスが死んだ」とつぶやいたところからも、その衝撃の大きさがわかります。

 


 

今朝、改めてプリンスの楽曲をいくつか聞いてみました。


思い立った時にぱぱっと検索ですぐに聞ける。便利な世の中です。。。

 


 

 

※にっぽんの熱いマーケターの連載コラム、アメリカ&世界各国の旬な
マーケティングニュースをタイムリーにお届け。

『にっぽんのマーケター』

http://nipponmkt.net/

■今号のスゴい★PR事例■

 



中国発。「売れ残り娘」「負け犬女」…
中国女性の結婚についての価値観や偏見に
一石を投じたSK-IIの感涙動画
|スゴい★PR《世界のマーケティング最新事例》


 


 


読者の皆様、こんにちは。

 

今回は、アメリカの巨大企業P&G(プロクターアンドギャンブル)傘下のMAX FACTOR(マックスファクター)社のラグジュアリースキンケアブランド、「SK-II/エスケーツー」がワールドワイドで展開しているキャンペーンの、中国での取り組みについてご紹介したいと思います。



 


"CHANGE DESTINY"



 

 
Picture:Screeen shot from WORLD BRANDING FORUM



 


SK-IIのブランド理念でもあるこちらのフレーズを冠して行っているキャンペーンでは、世界各国の年齢や職業、バックグラウンドの異なるさまざまな女性の生き方や姿勢にフォーカスし、幾多の困難や試練を乗り越えて、実際に運命を変えてきた女性、変えようとしている女性など、国内外で輝いている女性たちを動画などで紹介し、世界中の女性たちにインスピレーションとモチベーションを与えています。



 

日本でも今年の初め頃から、『運命を、変えよう。~SK-Ⅱ #changedestiny~』という名のもと、ブランドアンバサダーの綾瀬はるかさんが登場するキャンペーン動画の公開やイベントの開催などを積極的に行っています。


また、ブランドのワールドアンバサダーは女優のCate Blanchett(ケイト・ブランシェット)さんが任命されていて、彼女も世界各国のキャンペーンに登場しています。



 

 
Picture:Screeen shot from Cate-blanchett.com



 

上の写真は、ケイト・ブランシェットが登場している中国でのキャンペーン告知のポスターですが、セレブリティではなく、中国のある一般女性3人にフォーカスして制作され、先日公開された動画がソーシャルメディアなどを通じて話題になっています。





 

“Sheng Nu” (leftover women, 剩女)



 

日本語では、「売れ残り娘」や「負け犬女」という言葉に該当するでしょうか。

「嫁に行き遅れた女性」という意味で、中国で20代後半、30代近く以上の年齢になってもシングルでいる女性のことを指しています。


蔑視したような言葉に思えますが、2007年には中国の教育省(The Chinese Ministry of Education)もこの言葉を、公式用語として辞書に掲載したのだとか。

 

 
Picture:Screeen shot from Marketing Chine

 



一説には、およそ90%の女性は30歳までに結婚するともされている中国において、女性が25歳以上(27歳という見方も)になってまだ独身でいると、非常に肩身の狭い思いをするのだそうです。




両親や親類関係のみならず、既婚女性を含めて世間一般からも過重なストレスやプレッシャー、偏見を持った見方をされてしまうこともあるのだとか。




 

一般的には、仕事でのキャリアもあり、高収入で高学歴な女性が多いといわれる彼女たち。

そんな彼女たちの中には、中国の伝統的な女性の結婚に対する価値観がまだまだ色濃く残る中で、日々苦しみ悩んだりストレスを抱えたりしながらも、それぞれの人生を楽しく幸せに自信を持って生きようとしているパワーウーマンがたくさんいるのもまた事実。


SK-IIでは今回、"CHANGE DESTINY"キャンペーンの一環として、中国のマーケティングや広告においてあまりこれまで取り上げられてこなかった、売れ残り娘たちにフォーカスし、視聴者の心に触れる動画を制作しています。

 



 
Picture:Screeen shot from SK-II Official Youtube Video




 

"  CHANGE DESTINY "キャンペーンの告知動画はこちらから。

 

" SK-II: Marriage Market Takeover (Please turn on subtitle)   "


https://youtu.be/irfd74z52Cw



 

4分あまりと長編の動画の前半では、売れ残り娘とされる彼女たちを取り巻く中国の伝統的な価値観やそうした言葉ができている背景が、彼女たちの両親の言葉などからもわかります。




「嫁にいってくれないと安心して死ねない」

「高望みしすぎている」

「わがままだ」

「勝手ばかりしすぎている」


こうした言葉や、中国の女性は結婚して一人前とする見方や、親孝行が何よりも大事とされる国で嫁にいかない娘は親不孝者とされるという事実など、彼女たちを取り巻く辛い環境も伝わってきます。


 


 
Picture:Screeen shot from Marketing Interactive



 

上海の婚活マーケットでは、まるで自分の娘(や息子)を売りに出しているかのような現状も紹介されています。



 


しかし動画の後半では、彼女たちが婚活マーケットを逆に利用。

パートナーを見つけに行くのではなく、自分たちのシングルとしての生き方やポリシーなどのメッセージや正直な気持ちを写真と共に掲げて、両親へ自分の思いを語りかける手段をとります。

そしてそんな彼女たちの堂々として輝く姿に、3人のご両親には涙する人もあり、これまでの認識に変化の兆しも見られます。

 


 

 

こちらの感動的な動画は、公開後たった3日でTencent社の動画共有サイト腾讯视频(QQ Live)で120万回、また中国の動画ストリーミングサイトYoukuでも150万回の再生回数を記録。

Youtubeでも、4月6日の公開以降150万回を超える再生回数となっています(4月12日現在)。



 

 

※SK-II China Official Website
http://www.skii.com.cn/sc/index.aspx



 


※ニュースソース


※JING DAILY
https://jingdaily.com/sk-ii-addresses-chinas-leftover-women-marriage-market-takeover-film/

※Marketing Interactive
http://www.marketing-interactive.com/sk-ii-empowers-single-women-in-powerful-viral-video/

※The Telegraph
http://www.telegraph.co.uk/women/life/chinas-leftover-women-this-emotional-advert-wants-to-empower-the/

※Huffington Post
http://www.huffingtonpost.com/entry/china-leftover-women-sk-ii-video_us_570547d6e4b0537661887453





■編集後記■



 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。


 

今回ご紹介したトピックス、楽しんでいただけましたでしょうか?


私も動画を何度か見ましたが、ついついほろっときてしまいそうになりました。



 

エスケーツーさんが現在展開している、「CHANGE DESTINY」キャンペーンのショートフィルムには、他にもたくさんんの「CHANGE DESTINYストーリー(動画)」があります。

是非、ご覧になってみてください。



※SK-II 運命を、変えよう
http://www.sk-ii.jp/ja/changedestiny.aspx


 


 


結婚観や人生観は人それぞれ。

 

他人に迷惑をかけたり、危害を加えたりしてはいけませんが、こうしなければならないという結婚や生き方の決まりはないのだと思います。

 

 

 

 

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■今号のスゴい★PR事例■


 


ニュージーランド発。
ベルギーで発生した連続テロがきっかけで
8年前のある企業広告に世間が再注目!?
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読者の皆様、こんにちは。


 

 

3月23日にベルギーの首都ブリュッセルで発生した連続テロは、世界中のたくさんの人々に再び衝撃を与え、また深い悲しみをもたらしました。


 

そして、パリで起きた同時多発テロ事件の時と同様に、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSをはじめ、ウェブ上には


 

"Pray for Belgium"
"Pray for Brussels"
"Je Suis Bruxelles"


 

といったスローガンとともに、犠牲になった方々のために祈りをささげ、被害者やその家族や友人への哀悼の気持ちや、お悔み、サポートを誓うメッセージやイラスト、写真などが数多く
投稿されました。



 


 
Picture:Screeen shot from BUSTLE



昨年月23日に発生したフランスでのテロ事件を合わせて、同情と理解や共感を示したもの。




 


 
Picture:Screeen shot from BBC


ベルギーの漫画家エルジェの作品『タンタンの冒険』の主人公が涙を流しているもの。




 

 

 
Picture:Screeen shot from BUSTLE


ベルギー国旗に「私はブリュッセルとともにある」という言葉を添え、ともに悲しみ、嘆き、そしてサポートする姿勢を示したもの。

 



 

また、ヨーロッパ各国をはじめ数多くの国や都市を代表する建築物がベルギー国旗の色でライトアップされました。



 


フランスのエッフェル塔。


 
Picture:Screeen shot from THE SUN



 


イギリスはロンドンのウェンブリースタジアム。



 
Picture:Screeen shot from THE SUN



 


ドイツベルリンのシンボルのブランデンブルク門。


 
Picture:Screeen shot from KTLA5




 

 

こちらでは到底紹介しきれない量の、個人、団体、企業、国家、あらゆる層からのこうしたメッセージ発信が今も続いています。

 



 


さて、そんな中にあって、ある企業の8年前の広告で使われたビジュアルが今回のテロ事件をきっかけに再び注目をされることになりました。



 

そのビジュアルがこちら。



 

 
Picture:Screeen shot from THE DRUM


 


写真の下部の方に見えるロゴでわかるかと思いますが、ビジュアルの持ち主はファーストフードジャイアントの一つ、Burger King/バーガーキング。



同社が遡ること2008年にニュージーランドで、 広告代理店Young & Rubicamに依頼して作成したものです。

 


 

人が中指を立てて「Fuck You!」と喧嘩を売るか、「くたばれ」とでも言っているかのようなこちらのビジュアルは、かなり挑戦的で攻撃的ですよね。



 

ではなぜ当時このようなキワドイ広告内容になったのでしょう?


そこにはもちろん理由がありました。

 

 


当時、ニュージーランドにある有料道路に入る前に利用できる最後のファーストフード店だったバーガーキング。



この有料道路を通って北へと旅する人たちの「道路が良いのは嬉しいけど、通行料は払いたくないなあ」という思いを表現したのだとか。

 

 

広告を詳しくみるとわかりますが、当時バーガーキングのこちらの店舗では、同店で10ドル以上商品を購入してくれたらお会計から2ドルオフ(=通行料)しますよというキャンペーンを実施していたのです。

 

 

 


さて、そんな広告がなぜこのタイミングで再注目されることになったのでしょうか?



 

 
Picture:Screeen shot from IBTIMES UK


 


写真をよく見てみてください。


 


中指を立てているように見えるのは、実際には人の指ではなく、フライドポテト。



そして、ベルギーと言えば、フリッツ( Frites )=フライドポテトの発祥の国であり、今でも街角に専門店が多数あり、各家庭でもフライヤーで調理するなどまさにフライドポテトは国民食。




 

そこで、テロには屈しないという姿勢や強い意志を示していると解釈できるこのビジュアルが注目されたのです。


 


 
Picture:Screeen shot from SCOUT

 


 


SNS上でたくさんの人が投稿に利用したこちらのビジュアル。


こうした形で昔の広告が再び世間に登場することになるとは、当のバーガーキングも制作者も知る由もなかったことでしょう。



 

※Burger King New Zealand  official website
http://www.burgerking.co.nz/


 

 

 

※ニュースソース


※THE DRUM
http://www.thedrum.com/news/2016/03/24/burger-king-new-zealand-ad-repurposed-middle-finger-brussels-attackers-twitter

※STUFF.CO.NZ
http://www.stuff.co.nz/business/78205560/old-kiwi-burger-king-advert-now-gives-finger-to-brussels-attackers

※BUSINESS INSIDER
http://www.businessinsider.com/people-are-sharing-a-burger-king-ad-following-brussels-attacks-2016-3

※Bandt
http://www.bandt.com.au/advertising/burger-king-ad-gets-resurrected-as-symbol-of-belgian-defiance

 


 


■編集後記■


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 


3月23日にベルギーの首都ブリュッセルで発生した連続テロ事件。

 


犠牲になった方々のご冥福をお祈りいたします。


また、被害に遭われた罪のないたくさんの人々、そしてそのご家族や
友人の方々のお気持ちを思うと心が痛みます。

 

 


当たり前のようないつもの暮らしが、ある日突然終わってしまうかも
しれないという可能性は、誰にでもあるものなのですよね。


そのことを改めて考えさせられる事件でした。

 

 


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■今号のスゴい★PR事例■

 


シンガポール発。
肉汁ジュージュー"シズル感"で
ユーザーを虜にし集客を図る創業50周年レストラン
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読者の皆様、こんにちは。


 

今回は、シンガポールで人気の老舗レストランが展開している美味しいキャンペーンについてご紹介したいと思います。


 


1967年に創業し、今年2016年に50周年を迎えるレストランチェーンがこちら。


 

" Jack's Place/ジャックス・プレイス "


です。



 

 
Picture:Screeen shot from 1888 Press Release



※Jack's Place  official website
http://jacksplace.com.sg/




 

中国の海南省からの移民してきた創業者のSay Lip Hai氏は、当初イギリス海軍付きのコックとして腕を磨いたのだそうです。

その後、1967年に自身のレストラン"Cola Restaurant and Bar"をオープン。


 

そして、彼の転機となったのは彼の提供したステーキの出来に感動したあるイギリス人夫婦との出会いでした。


 

実は、Mr Jack Hunt's pubというパブ(最終的には"Jack’s Place Steak House"となった)を所有していたこのイギリス人夫婦。彼らの要望で、パブへの料理のケータリングサービスをスタート。




さらに数年が経過し、イギリスへ帰国することとなったオーナー夫婦。それをきっかっけに彼らからレストランを購入したSay Lip Hai氏がビジネスを引き継ぎ、現在では16店舗を構えるまでになっています。


 

 
Picture:Screeen shot from Jack's Place Official Website


 

ジャックス・プレイスの看板メニューは、アメリカ産やニュージーランド産の質の高いプレミアムビーフを使用したスペシャルステーキ。

こちらが、熱々の鉄板でカスタマーに提供されます。




ところで皆さん、熱々のステーキがテーブルに運ばれた場面を想像してみてください。
ステーキの肉汁が鉄板の上で奏でるなんとも言えない食欲をそそる音。


これを英語では、"sizzle"、"sizzling"という言葉で表現します。

ちなみに、日本の広告業界を発信源として使用され始めた"シズル感"という食品の瑞々しさや鮮度などを伝える言葉の語源もこの英単語です。



 

そしてこの"sizzle"こそが、ステーキを食べる醍醐味の一つかもしれません。

 

そこで人々の食欲を掻き立てるシズル感=ステーキが鉄板上で奏でる音に注目し、同レストランが打ち出したキャンペーンがこちら。



 

" Steak and Symphony "

 

 
Picture:Screeen shot from Jack's Place Official Facebook Page




 

キャンペーンの目玉イベントとしては、最優秀者には500ドル分のジャックス・プレイスでの食事が提供される、ユーザー参加型のコンテストが実施されています。





エントリーの方法は簡単。



何でも良いので"ホット"なものの隣に自分がポジションを取り、そしてシズル音を発生(発声)させたビデオをインスタグラムに#JacksPlaceSymphonyのタグを付けて投稿するだけです。

 

 
Picture:Screeen shot from Jack's Place Official Facebook Page




 

ちなみにエントリー者は、インスタグラムに作成したビデオを投稿したら後は結果発表を待つだけ・・・ではありません。


シンガポール国内のジャックス・プレイス店舗に出向いて、スタッフに投稿したインタグラムのビデオを見せると、無料でサイドディッシュのCurly truffle friesがもらえるという嬉しいおまけもあるのだとか。



 

 

"  Steak and Symphony "キャンペーンの告知動画はこちらから。



" Jack's Place - Steak and Symphony  "


https://youtu.be/ADVfXH7C4VI

 




さて、数年前からレストランイメージの改善、メニューの刷新に着手しているジャックス・プレイス。

今回のキャンペーンに合わせても、お得な限定メニューが登場しています。



 

 
Picture:Screeen shot from Jack's Place Official Facebook Page


 

4月13日までの平日月曜日から木曜日は、ニュージーランド産のサーロインステーキのランチセットが9ドル99セント。

通常はステーキのランチセットメニューは15ドル以上する設定のためかなりお得になっていてシンガポールっ子も注目しているようです。


 

 

それにしても、美味しそうなシズル音を口で奏でるのは意外に難しいように感じますが、最優秀者の作品はどんな独創的なホットでシズリングな動画になるのか興味津々です。

 


 

 

※ニュースソース


※Singapore Promotions
http://singpromos.com/dining-restaurants-food/jacks-place-9-90-nz-sirloin-steak-set-lunch-14-mar-13-apr-2016-174356/

※THE SMART LOCAL SINGAPORE
http://thesmartlocal.com/read/jacks-place-symphony

※MARKETING INTERACTIVE
http://www.marketing-interactive.com/jacks-place-celebrates-50th-jubilee-sizzling-campaign/

※1888 Press Release
http://www.1888pressrelease.com/jack-s-place-celebrates-50th-anniversary-jubilee-in-2016-us-pr-580405.html

 

 

 


■編集後記■


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 


何回かあった寒の戻りもどうやら落ち着き、本格的な春の到来を感じさせる日差しを感じるようになってきましたね。


これで一気に桜をはじめとした様々な木々の芽吹きや開花が加速し、たくさんの色でカラフルで賑やかな景色が戻ってきそうです。

 


そうなると楽しみ(?)なのが、お花見ですよね。


昼間の暖かな日差しの中でお弁当を広げて花見酒。はたまた夜桜を眺めながら一杯。まさに至福の時。

 

そこで重要になるのが、お花見の場所。
良い場所を巡っては、熾烈な場所取り戦争が勃発するこの時期。


その昔、お花見の場所を確保するのも、組織の下っ端としての重要な任務だったことをふと思い出しました。

 


皆さんは、お花見に絡んだどのような思い出や笑い話、苦労話をお持ちですか?

宴席での話題がつきた時にはお題として是非どうぞ(笑)。

 

 


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■今号のスゴい★PR事例■

 



アメリカ発。
"B抜きワード"利用の言葉遊びで若い女性にリーチ。
ミツバチの保護と販売増をW実現するバーツビーズ
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読者の皆様、こんにちは。



 


"BURT'S BEES/バーツビーズ"


 

というブランドをご存知ですか?



 

女性の方なら店頭や雑誌で多くの方が目にしたことがあると思いますし、実際にブランドの製品を使用したことがある、愛用しているという方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

正解はこちら。




 
Picture:Screeen shot from MARSHLAND PHARMACIES



※BURT'S BEES  official website
http://www.burtsbees.com/

 



 

バーツビーズは、アメリカ生まれの人と環境に優しいナチュラルパーソナルケア(自然派化粧品)商品のブランドなのです。

 


 

ブランド名に「BEES/ビーズ」と入っているように、ミツバチ(ハチミツ)と縁の深い同ブランド。

おじさんの顔(創業者がモデル)とミツバチの絵のパッケージでもおなじみです。



 


バーツビーズの起源は、1984年の米メーン州での誕生に遡ります。

最初からコスメを製造していたのではなく、事業の始まりは、創立者の一人Roxanne Quimby(ロクサーヌ・クインビー)が、同じく創立者のBurt Shavitz(バート・シャビッツ)が営んでいた養蜂業のハチミツを作る過程で出てくる副産物のミツロウを利用して、キャンドルを作り販売したことです。



 

 
Picture:Screeen shot from ROCKIN MAMA



 


ちなみに創業当初のオフィスは、年間賃料150ドルの廃校の一室だったそうです。




その後、1989年位ニューヨークのブティックから数百個のキャンドルの注文が入ったことをきっかけに事業が拡大し始めた同ブランド。

ちょうどそれと時を同じくして、クインビーがバートが所有していた19世紀に書かれた養蜂やホームメイドのパーソナルケア製品レシピについて記載されている本を読んだことがきっかけとなって、石鹸や香水、そして現在ブランドを代表するプロダクトとなっている「ビーズワックスリップバーム」などの生産・販売もスタートさせました。




 

日本へは一度上陸するも惜しまれつつ2014年8月に販売終了していましたが、2015年10月からは「ブルーベル・ジャパン株式会社」が新たな代理店となり日本再上陸、そして去る2016年3月9日にルミネ新宿店に日本初のブランドショップがオープンし、今また話題になっています。



 


さて、アメリカのみならず世界各国の女性に誕生以来30年以上にわたって愛されている同ブランドは、アメリカにある3施設から出るごみはゼロを達成していたり、パッケージには使用済みリサイクル物(PCR)をなるべく多く利用する、またThe Greater Good基金という非営利慈善機関を立ち上げ、ミツバチの保護、サステイナブルな農業のサポート、現在本社のあるノースカロライナ州ダーハムの地域社会のサポートなどを行うなど、その社会貢献性、環境保護を重視しまた実践するブランド姿勢も支持されています。


 

しかし、2006年頃からミツバチの数が激減しているという報告が各所からなされ、「CCD/蜂群崩壊症候群(ほうぐんほうかいしょうこうぐん)」というミツバチが原因不明で大量失踪する現象を指す言葉が出てくるなど、同ブランドにとっても大切なミツバチの存在が脅かされている現実があります。


そうした状況に対し、継続的にミツバチの保護活動やその支援を行っている同ブランドが、SNSを使ってユーザーを巻き込みながら現在展開しているのが、


 


"  Bring Back The Bees "


 

というキャンペーン。


 


 
Picture:Screeen shot from BURTS BEE'S Official Website



 


そして、ミツバチたちに戻ってきてもらおう(個体数を増やそう)というキャンペーンのゴールを達成するための方法が、なかなかユニークで話題になっています。



キャンペーンを告知する場面では、


 

"  Let's Lose The B's "

 


すなわち、アルファベットのBを使うのをやめようと、ユーザーに呼びかけている同ブランド。



上の写真でもよくみるとわかりますが、「BURT'S BEES」と書かれているべき、左上の赤字のロゴから「B」が消えています



 


同じように、ユーザーにはSNSに投稿をする際に、いつもの単語や文章から「B」のところを抜いた形で投稿し、そしてハッシュタグ#BringBackTheBeesとつけてもらおうとしています。

そして指定のハッシュタグがつけられた投稿一つにつき、1000の花の種を同ブランドが寄付し植えつけることで花を増やし、そして送粉者であるミツバチを増やそうというのです。

 

 

 
 
Picture:Screeen shot from BURTS BEE'S Official Website



 


また、6月30日まで展開される今回のキャンペーンに合わせて、「B」の部分がうすーくプリントされたユニークなパッケージの限定リップバーム(1つ3ドル)も登場。

ワイルドチェリー、ピンクグレープフルーツ、ココナッツ&ペアーという3種類のフレーバーは、いずれもミツバチの介在なくして存在しないものだから選ばれたのだそうです。


こちらの商品も、1点購入される毎に、同じように1000の花の種が寄付されるとのこと。

 

 


 
Picture:Screeen shot from BURTS BEE'S Official Website


 


同ブランドがキャンペーンを通じて達成したいゴールは、10億本の野の花を咲かせること。



既に続々とキャンペーンの主旨に賛同したツイートやインスタグラムへの投稿がなされているようですし、ゴールへの到達がいつになり、また喜ぶミツバチたちのダンスがより多くみられるようになるのかが楽しみです。


 

 

"  Bring Back The Bees "キャンペーンの告知動画はこちらから。

動画タイトルから「B」が抜けているのは、書き間違いではございませんので念のため。


 

" A ig idea from urt's ees   "


https://youtu.be/5L_VSb9rJ_0

 

 

 


※ニュースソース


※People
http://stylenews.peoplestylewatch.com/2016/02/24/behind-the-scenes-of-lea-michele-and-burts-bees-partnership/

※InStyle
http://www.instyle.com/news/lea-michele-new-burts-bees-campaign

※teen VOGUE
http://www.teenvogue.com/story/lea-michele-burts-bees-interview

※Media Post
http://www.mediapost.com/publications/article/270885/burts-bees-plays-alphabet-game-to-save-furry-inse.html

 


 


■編集後記■


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。


 

2011年3月11日から今日でまる5年。

皆様は、どのように一日をお過ごしですか?

 



いつもでしたら、日々の些細な事や私事を書き連ねるこちらの編集後記ですが、今日ばかりはそれをするのもどうしたものかと考えてしまいます。



 

震災発生時、私は東京におりました。

会社の建物から外へ出て待機し、そしてその後自宅まで歩いて帰ることとなり、同僚と励まし合いながら帰宅。

そしてはじめて目にしたテレビ画面から流れてくる、津波と大惨事の映像。


その時のことを、今でも忘れることはありません。


 


私たちに今できること。
たったこれだけのことと言われるかもしれません。



この記事を更新した後に、Yahoo!で「3.11」と検索したいと思います。

 


" 3.11、検索は応援になる "

http://fukko.yahoo.co.jp/

 


 

 

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