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【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

今、戦略的にPRに取組む企業が売上を伸ばしている!
ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

 

■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 

 

インド発。

カシミール地方初の総合広告代理店が放った

勇気ある対テロリズムキャンペーン

 

|スゴい★PR《海外マーケティング最前線

 

 

 

 

 


読者の皆様、こんにちは。

 

 

 


今回は、インド北部とパキスタン北東部の国境付近にひろがる山岳地域カシミールの広告代理店が展開しているあるキャンペーンをご紹介します。

 

 

 

 


Picture:Screen shot from C&G Baby Club Sound Of Happy Official Website

 

 

 

' BlackSheep.Works '

 

 

'ブラックシープワークス’はカシミールでは初めての総合広告代理店/マーケティングエージェンシーです。

 

 


2016年7月にオフィシャルに業務をスタートしたばかりの同社を立ち上げたのは、カシミール出身のAsif Amin Tibet Baqual氏。彼の両親は医師になってほしいと思っていたのだそうですが、彼自身はマーベル社のコミックに傾倒するなど、いずれはクリエイティブの世界で仕事をしたいと常々考えていたのだそうです。

 

 

ライターやレポーター、コピーライターとして書く技術を習得し、広告代理店に勤務しながら、インドの首都デリーや果ては東アフリカでの勤務も経験したAsif Amin Tibet Baqual氏。いずれ独立・開業を考えるようになった際に、やはり離れた故郷を懐かしく思い、「カシミールでも広告代理店が成り立たないわけがない!」と決断し故郷へ20年以上ぶりに戻り、ブラックシープワークスの立ち上げとなったのです。

 

 

 

 

地元のいくつかの企業をクライアントとしてスタートした同社ですが、そうしたワークとは別にあるインパクトのあるキャンペーンとそのクリエイティブが話題になっています。

 

 

 

’Stand United Against Terror '

 

 

' テロに対してともに立ち向かおう '名付けられたキャンペーンでは、テロの標的となった都市とイスラム過激派組織・テロリスト/武装グループの名前を組み合わせたインパクトのあるクリエイティブがリリースされています。

 

 

 

 


Picture:Screen shot from BlackSheep.Works Official Twitter

 


まずこちらは、「パリ」と「イスタンブール」の二都市に「ISIS/アイシス」が組み合わさったもの。

 

 

 



Picture:Screen shot from BlackSheep.Works Official Twitter

 

 

続いてこちらは、チュニジア共和国の首都「チュニス」と「レバノン」に「ISIL/アイシル」が組み合わさったもの。

 

 

 



Picture:Screen shot from BlackSheep.Works Official Twitter


さらには、「バングラディッシュ」とシリア西部の都市「ホムス」に「Daesh/ダーイシュ」が合わさったもの。

 

 

 



Picture:Screen shot from ADVERTOLOG

 


そして最後は、「バリ」と「ダマスカス」に「ALQAEDA/アルカイーダ」が組み合わされました。

 

 

 

 

 

これらのクリエイティブでは、土地、人種、宗教にかかわらず、テロリストは攻撃を行っており、テロリストやテロリズムにはどんな傾向もバイアスもないというメッセージが示されています。

 

そしてだからこそ、我々も皆でともにテロに立ち向かうことが大切なのだと。

 

 

 

 

 

勇気あるキャンペーンを高い完成度のクリエイティブで世界に向けて発信しているブラックシープワークス。

 


同社に危険が及ばないように願います。

 

 

 


※BlackSheep.Works Official Website
http://blacksheep.works/

 

 

 


※ニュースソース

 

※BEST ADS ontv
http://www.bestadsontv.com/ad/82703/BlackSheepWorks-Stand-United-Against-Terror

※ADVERTOLOG
http://www.advertolog.com/brands/blacksheep-works-9173060/

※Campaign Brief Asia
http://www.campaignbriefasia.com/2016/10/blacksheepworks-kashmirs-print.html

※The qunt
https://www.thequint.com/life/2016/07/18/after-nice-and-dhaka-kashmiri-ad-guys-tackle-terror-creatively

※The Economic Times
http://economictimes.indiatimes.com/magazines/brand-equity/the-story-behind-kashmirs-first-creative-shop-blacksheep-works/articleshow/54308469.cms

 


 

 


■編集後記■

 

 


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

 

今回は、インドはカシミール地方の新進気鋭のクリエイター集団によるキャンペーンをご紹介しました。

 

 

 

カシミール地方といえば、インドとパキスタン、そして中国などがその領有権をめぐって争っていて、カシミール紛争で多数の犠牲者を出したことがまず頭に浮かびます。

 


イスラム教とヒンドゥー教の宗教的な対立もあるなど、決して安定した平和な地域とは言い難いカシミールで、あえて広告代理店を立ち上げたAsif Amin Tibet Baqual氏。

 

 

その心意気、勇気、そしてあふれんばかりのクリエイティビティには感服です。

 

 


クリエイティブの一端に携わる者として、その姿勢、行動について改めて考えさせられたトピックスでした。

 

 

 


※にっぽんの熱いマーケターの連載コラム、アメリカ&世界各国の

旬なマーケティングニュースをタイムリーにお届け。

 

『にっぽんのマーケター』

 

http://nipponmkt.net/


 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 

 


英国発。

ベビーフードブランドが快挙!

史上初・科学的検証に基づいた

赤ちゃんをハッピーにする魔法の音楽が誕生

 

 

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読者の皆様、こんにちは。

 

 


今回は、イギリスで初めて科学的調査と実験に基づいて制作された、赤ちゃんをハッピーにする音楽についての話題をお伝えしたいと思います。

 

 

 


Picture:Screen shot from C&G Baby Club Sound Of Happy Official Website

 

 

 

 

世界中のお父さんやお母さんは、いつも赤ちゃんが幸せであってほしいと思うものですよね。

ところが実際は、赤ちゃんにだってハッピーではない時もありますし、その理由は親にだってわからないことも。

 

また、どうにか泣き止んでほしい、笑顔を見せてほしいと試行錯誤してみても、思った結果にならないこともあります。

 

 

 


しかし、ついに!ついに誕生したのです。

 

 

赤ちゃんをハッピーにする魔法の音楽が。

 

 

 

 

Picture:Screen shot from Cow & Gate

 

 

 


今回この魔法の音楽を作り出したのは、イギリスの乳製品・ベビーフードブランドの'Cow & Gate/カウアンドゲイト'です。

 

 

 

 

同社は、'Cow & Gate Baby Club'という妊婦さん、乳幼児までの子どもを持つ母親を対象としたポータルサイト・コミュニティフォーラムも運営しています。

 

 

お母さんからの困った!教えて!といった疑問・質問に応える、電話、メール、チャットで対応している24時間毎日対応のケアラインや、お母さん同士がコミュニケーションできるフォーラム、ウェブサイト上やメール配信などで様々な情報提供がなされています。

 

 

 

※Cow & Gate Baby Club Official Website
https://www.cgbabyclub.co.uk/

 

 

 

 


カウアンドゲイトは、赤ちゃんとその家族の幸せを願い大切にする企業として世の中にコミットしています。そこで、さらなる赤ちゃんのハッピーを実現するために今回の魔法の音楽に制作に取り組みました。

 

 

 

同社は、まず生後6か月から24か月の子どもを持つ親にアンケートを実施。

 


その結果、およそ2300人のイギリスのお父さん&お母さんから、赤ちゃんがもっとも喜ぶ「音」として、以下のようなものが挙がってきたのだそうです。

 

 

 

1:Sneezing /くしゃみ(51%)
2:Animal sounds/動物の声・音 (23%)
3:Baby laughter /赤ちゃんの笑い声(28%)

 

 

 

 

さらに、ウェブサイト上に、こんな音や音楽を聞かせたらうちの子は喜んだ!という音源のアップロード、シェアも奨励。

 

 


これらの音は、実際にリリースされた音楽にも取り入れられています。

 

 

 

 

また、音楽の制作にあたっては、ゴールドスミス大学の心理学のドクターCaspar Addyman氏とプロフェッサーであるLauren Stewart氏、並びに同大学の乳幼児研究所の協力も得ています。

 

 

 

制作プロセスではまず、異なったテンポ、リズム、コードパターンや楽器、音を取り入れた4つの音楽が試作されました。これらを、50人を超える赤ちゃんに聞かせてその反応をモニタリング・検証。さらに改良を加えて出来上がったのがこちら"The Happy Song"です。

 

 

 


赤ちゃんをハッピーにする魔法の音楽をお聞きください。

 

 

 

" The Happy Song    "

 

 


https://youtu.be/XjpraGVs2Sg
 

 

 

 

出来上がったのは、2分半ほどの明るくキャッチ―で軽快な音楽です。歌詞の内容には、空や海、愉快な動物たちや乗り物の音などが含まれています。

 

 


たとえばこんな具合です。

 

 

 

Bring! Bring! On the bicycle
Beep! Beep! In the car
Ping! Ping! A submarine
Phew! Phew! Helicopter
A Choo-chopp train
An aeroplane
A "wee" down the slide
I just adore-dore-dore
You everyday more
Wherever we are

 

 

 



Picture:Screen shot from Cow & Gate Official Youtube Video

 

 

Picture:Screen shot from Cow & Gate Official Youtube Video

 

 

 


歌っているのは、 グラミー賞も受賞したミュージシャンImogen Heap(イモージェン・ヒープ)さん。制作には音楽コンサルタント会社のFelt Musicも参加しました。

 

 

 

 


初めて科学的に検証された「赤ちゃんがハッピーになる音楽」。そのメイキングの模様はこちらからご覧ください。

 


" The Happy Song - Making of   "

 

https://youtu.be/99ejy8NzYW0
 

 

 

 

 

※C&G Baby Club Sound Of Happy Official Website
http://www.soundofhappy.com/

 

 

 

 

※ニュースソース

※Mirror
http://www.mirror.co.uk/lifestyle/first-ever-song-created-guaranteed-9077162

※BETC
http://www.betc.co.uk/work/2016/10/17/the-happy-song

※Campaign
http://www.campaignlive.co.uk/article/cow-gate-creates-first-song-scientifically-tested-babies-happy/1412472

※The Stable
http://www.thestable.com.au/betc-london-creates-a-song-that-keeps-babies-happy-for-cow-gate/

※Goldsmith University
http://www.gold.ac.uk/news/sound-of-happy/

 


 

 


■編集後記■


 

 

読者の皆様、こんにちは。

 

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

 


赤ちゃんをハッピーにする音楽!

 

 

この記事を読んだとき、とても素敵なクリエーションだと思いました。

 

 

 

実際に音楽を聴いてみると、大人の私でも確かになんだかうきうきしてきそうな感じがしました。

 

 


今回の音楽制作に携わった専門家によれば、赤ちゃんが好む音としてくしゃみ、動物の声、ほっぺたにチュ、乗り物の音などがあるほかに、音楽自体にリズム感があってあまり長くなく、リピートが多いもの。また、途中にちょっとしたブレイク(無音)が入ったりするのも、飽きさせないポイントなのだとか。

 

 

 


赤ちゃんに笑顔になってほしい時、泣き止んでほしい時に、こんな音楽があると良いですよね。

 

 

 

 

 


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■今号のスゴい★PR事例■

 

 


ポルトガル発。

目に映る女性によって

男性の心拍数や挙動はどのように変わるのか。

ユニークな実験結果が導く真の美しさとは?

 

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読者の皆様、こんにちは。

 

 

 

ボディーソープや洗顔料、ヘアケア用品などのアイテムを中心に、世界中で人気のパーソナルケアブランド'Dove/ダヴ'

 

 

ユニリーバが保有する鳩のマークでおなじみのダヴは、イギリスが起源。現在では、世界80か国以上でその商品が販売されています。

 

 

読者の皆様の中にも、ダヴブランドのアイテムを使用しているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

 


Picture:Screen shot from Dove US Pinterest

 

 

 

 


ダヴといえば、2004年にスタートさせた'The Dove Real Beauty Campaign’という世界規模で展開したマーケティングキャンペーンが有名です。

 

 

当時はまだ、"Viral/"という言葉が定着していなかった頃ですが、同ブランドのこのキャンペーンはSNS等の情報拡散力を利用して、短期間で爆発的な情報の共有・拡散と該当サイトやページへのトラフィックを集めたものの一つとされています。

 

 

 


Picture:Screen shot from NIKITAMENDIRATTA

 

 

 

 

キャンペーンには、これまでのビューティー関連広告ではあまり見かけることのなかった被写体が多く登場したことも、多様な美の在り方を表現した大きな特徴です。

 

 

スリムな人からふっくらした体系の人。肌の色もさまざまで、そばかすがある人や、しわがたくさん刻まれている人も。

 

 

 


2004年以来、真の美しさはすべての女性に宿っておりそこに決まりはないという姿勢で、女性にもっと自信を持ってほしいと様々な手法でメッセージを発信してきたダブ。

 

 

キャンペーンにはもちろん賛否がありましたが、2004年以来現在でもその根幹にある"全ての女性は美しい"という姿勢は継続してブランドのアイデンティティとなっています

 

 

 

 

そんなダブがポルトガルで展開している最新の試みが、またまた世界中で話題になっています。

 

 

 

'REAL BEAUTY BEATS'

 

 

 

と名付けられた今回の試みでは、心臓の鼓動、ドキドキするといった意味を持つBEATSで表されていますが、ポルトガルの男性たちに心拍計を装着してもらいある実験が行われました。

 

 

 


椅子に座り心拍計を着けた男性の前には、大きなスクリーンがセットされています。実験ではまず、スクリーン上に容姿端麗な女性モデルの写真が映し出されます。

 

 

 


Picture:Screen shot from ADWEEK

 

 

 

モデルたちに対してのコメントや誉め言葉を発する男性たち。中には、女性の秘密めいた雰囲気や冷たい感じ、フレンドリーではなさそうだと感じた人もいました。

 

心拍数も落ち着いています。

 

 

その後、モニターに映し出される写真が変わります。

 

 

 


Picture:Screen shot from adnews

 

 

 


次に映し出されたのは、実験に参加した男性の姉妹、妻、子どもなど、本人にとても近しい人たちのスナップ写真でした。

 

 

すると、男性たちの表情、動き、言葉にも変化がみられるようになります。

 

 

そして、心拍数も上昇。愛する人たちの写真によって心を揺さぶられている、感情に訴えかけられていることが数値に表れたのでした。

 

 

 

 


目に映る女性によって男性の心拍数や挙動はどのように変わるのか。ユニークな実験の模様はこちらからご覧ください。

 

 

" DOVE BELEZA REAL - REAL BEAUTY BEATS   "

 

 

https://youtu.be/wBwkjSRfHtw
 

 

 

 


こちらの動画は、Youtube上で公開から1週間で100万回以上の視聴を記録しました。

 

 

 

 

 

※Dove Portugal Official Website
http://www.dove.pt/pt/

 

※DOVE BELEZA REAL Official Website
http://www.dovebelezareal.pt/

 

 

 

 

※ニュースソース

※ADWEEK
http://www.adweek.com/adfreak/dove-straps-heart-monitors-men-see-how-they-react-models-and-their-loved-ones-173841

※Adland
https://adland.tv/commercials/dove-beleza-real-real-beauty-beats-2016-344-portugal

※Marketing Interactive
http://www.marketing-interactive.com/dove-proves-real-beauty-trumps-eye-candy/

※Campaign
http://www.campaignlive.co.uk/article/dove-portugal-real-beauty-beats-black-ship/1410869#

 


 

 


■編集後記■

 

 


 

読者の皆様、こんにちは。

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 


10月に入り一気に秋が深まったことを、朝夕の気温で感じるようになりました。

紅葉がはじまり、秋の行楽シーズンもピークを迎えますね。

 

 

 

我が家は、例年10月から12月にかけてはイベントが目白押しの怒涛の3か月となります。

 


ハロウィン、サンクスギビングデー、クリスマスと毎月アメリカ人の大好きなホリデーがあることはもちろん、職場の行事やプライベートのイベントごともこの3か月に集中しているのです。

 

 

 

その中で、昨年に引き続き今年もチャレンジを決意したことが、1か月以内で水泳241ラップを達成するというイベントです。

 

1ラップが100mですので、24100mを泳ぐことになります。

 

 

 

30日もあるのだから、毎日泳げばたったの8ラップ(800m)ずつでしかないと、単純割をすると楽そうにも見えるのですが、実際にはこれがなかなかの苦行。

 

 

開始数日ですが、プールの水の冷たさもあって、既にプールに向かう足が重くなってきています。

 

 

 


上位達成者には、2016年版の特製Tシャツが授与されます。昨年いただいたTシャツは一度も着ないままにタンスに眠っていますが、今年もこのTシャツを目標に頑張って達成したいと思います。

 

 

 

まあ、スポーツの秋ともいうことですし、ねぇ。。。

 

 

 

 

 

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マレーシア発。

病魔と闘う11歳の少年の夢を叶えた

マレーシアの人々とレゴ&レゴランドマレーシア

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読者の皆様、こんにちは。

 

 

 

 

今回はマレーシアから心温まるトピックスをご紹介したいと思います。

心優しいマレーシアの人々と、ある企業の素早い決断と行動力によって、ある少年の夢が叶えられました。

 

 

 

 


Picture:Screen shot from asia one

 

 

 

 

写真に写っている男の子は、マレーシアのクアラ・セランゴール町に住むMuhammad Danish Maarif君(以下ダニッシュ君)、11歳です。

 

 


実はダニッシュ君の体は、末期の癌(osteosarcoma/骨肉腫)に侵されているのです。

 

 

 


クアラルンプールの病院で治療を受けていたダニッシュ君ですが、彼の癌は全身に転移しており、先週ついにこれ以上病院では手の施しようがないとドクターから伝えられたため病院を後にし、その後は自宅で静かに時間を過ごしています。

 

 

 

 

 

さて、ダニッシュ君が小さなころからずっと大好きなもの、それが「LEGO/レゴ」です。

 

デンマークの玩具会社のプラスチック製の組み立てブロック玩具のレゴは、全世界にたくさんのファンがいるのはご存知の通りです。

 

 

ダニッシュ君もレゴで遊ぶのが大好きな男の子で、とりわけ病気になって以降は、病室での時間をやり過ごすためにも、レゴは欠かせないアイテムだったのだそうです。

 

 

ダニッシュ君の母親によれば、ダニッシュ君は多くを望まない男の子で、欲しがるものといえばレゴだけだったそうです。

 

 

 

 

 

そんなレゴの大ファンであるダニッシュ君の夢は、マレーシアのジョホールバル近郊にあるアジア初のレゴランド'LEGOLAND® Malaysia Resort'でした。

 

しかし、彼の体はとても弱っているため、病院のドクターからもレゴランドを訪れることは止められていました。

 

 

 


こうした状況の中、ダニッシュ君が病魔と闘っていることや現在の病状と、彼のレゴに対する熱意やレゴランドに関する夢について知った、周囲の知人たちが立ち上がりました。

 

 

 Wan Shahriza Wan Ab Rahmanさん、MaryAnne Isaac Ethanさん、Maz Waheedさんの3人が共同オーガナイザーとなり、ダニッシュ君の夢をかなえてあげようと動き出したのです。

 

 

 

”Legoland For Danish”

 

「ダニッシュにレゴランドを」

 

 


プロジェクトは、ダニッシュ君がレゴランドを訪れることができないのであれば、レゴランドにダニッシュ君の元へ来てもらおうという思いで名付けられました。

 

 

 


3人は、ダニッシュ君にたくさんのレゴを届けてあげたい。彼の自室をたくさんのレゴに囲まれて、まるでレゴランドにいる気分になれるようにしてあげたいと考えました。

 

そこで、SNSなどで人々にレゴをダニッシュ君の元へ送ってくれるようにと呼びかけ始めたのです。

 

 

 


この呼びかけはインターネットを中心にどんどん拡散されていき、9月26日にメディアでニュースとして取り上げられました。

 

 

 


そしてこのニュースを見たレゴマレーシア並びにレゴランドマレーシアリゾートが、ダニッシュ君の夢を叶えてあげるためにアクションを起こしたのです。

 

ニュースを聞いてすぐに彼の両親と主治医にコンタクトを取り、現在のダニッシュ君のコンディションで最大限何をしてあげられるかと考え、すぐさまそれを行動に移しました。

 

 

 

 

 

ニュースに取り上げられてからたった2日後の9月29日。ダニッシュ君に大きなサプライズが届けられました。

 


レゴマレーシアとレゴランドマレーシアリゾートは、ランドの人気キャラクターである、Lego Darth Vader/レゴダースベイダー、Lego Builder/レゴビルダー、Lego Policeman/レゴ警察官の3キャラクターとともにたくさんのプレゼントを持って彼の元を訪れたのです。

 

 



Picture:Screen shot from asia one

 

 


Picture:Screen shot from MARKETING

 

 

 

 

プロジェクトに共感したマレーシアの人々や、レゴマレーシア、レゴランドから届けられたたくさんのプレゼントがダニッシュ君の部屋に届けられました。

 

 

そして、ランドの人気キャラクターだけでなく、ダニッシュ君がスターウォーズを好きだということを聞いた地元のスターウォーズファンのグループからも、コスプレをした人々が彼の部屋を訪れました。

 

 

 

 

 

これまでにも、同社に個別に寄せられた手紙などに対して状況に応じて小さな贈り物などの対応は行ってきたとのことですが、今回のような大きな取り組みは、レゴマレーシアにとって初めてのことだったのだそうです。

 

 

 

今回の対応で高い評価を受けたレゴマレーシアですが、同社のカントリーマネージャーのDick Yoong氏は以下のようなコメントを発表しています。

 

 

"The real heroes are the parents and the doctors who are supporting these children in the hospitals, as well as the parents who are running the support groups.
 They are the real heroes because they are the ones who make the difference in the lives of these children day-in, day-out."

 


「真のヒーローは、こうした子どもたちをサポートしている親御さんたちやお医者さんなのです。そしてもちろん、サポートグループを運営している親御さんたちもヒーローです。
 なぜなら彼らこそが明けても暮れても毎日毎日、子どもたちの生活にポジティブな変化を起こしているからです。」

 

 

 

 

 

ダニッシュ君の元へレゴランドがやってきた、その模様はこちらでもご覧いただけます。

 

 

" Cancer patient's Lego wish comes true  "

 


https://youtu.be/k3OBG5XZTnM
 

 

 

 

 

※LEGOLAND MALAYSIA RESORT Official Website
http://www.legoland.com.my/

 

 

 

 


※ニュースソース

 

※The Star
http://www.thestar.com.my/news/nation/2016/09/29/boy-fighting-cancer-gets-visit-from-legoland-and-lego-malaysia/
http://www.thestar.com.my/news/nation/2016/09/26/bring-legoland-to-cancer-patient-muhammad-danish/

※The Malay Mail Online
http://www.themalaymailonline.com/malaysia/article/when-legoland-came-to-cancer-boy-danishs-home

※MARKETING
http://www.marketing-interactive.com/lego-helps-to-fulfill-cancer-childs-wish/

※asia one
http://health.asiaone.com/health/patients-stories/boy-fighting-cancer-gets-visit-legoland-and-lego-malaysia

※FMT NEWS TODAY
http://www.freemalaysiatoday.com/category/nation/2016/09/26/race-to-bring-gifts-of-lego-to-dying-11-year-old/

 

 

 

 

 


■編集後記■

 

 


 

読者の皆様、こんにちは。

 

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

 


私が今回ご紹介したトピックスをニュースサイトで初めて読んだとき、これは紹介しなければ!シェアしなくちゃ!と即座に決断しました。

 

 


人々の優しさと迅速かつ一途な行動力によって実現した、少年の夢を叶えるプロジェクト。

 

 


プレゼントを届けた人々は、少年の喜ぶ姿や笑顔から逆に元気や感動をもらったと話しているのも印象的でした。

 

 

 

 

何かしてあげたい、何かできるかなと思ったときに、それを実際に行動に移すこと。

 

その大切さや、そこから生まれる可能性と広がりについて考えさせられました。

 

 

 

 

 


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■今号のスゴい★PR事例■

 

 

 

 

 

 

英国発。

障害を持つ人をメインキャストに

ユーモアたっぷりに仕上げたCMで

好感度UPのチョコレート菓子ブランド

 

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読者の皆様、こんにちは。

 

 

 


今回は、イギリスで人気のチョコレート菓子、モルティーザーズがオンエアして話題になったチャレンジングなCMをご紹介したいと思います。

 

 

 

 


Picture:Screen shot from Maltesers Official Website

 

 

 


モルティーザーズの販売開始は1937年。イギリスのほか、アイルランド、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどで人気のチョコレート菓子です。クリスプなモルトをミルクチョコでコーティングしたチョコボール菓子で、発売当初は"energy balls"と呼ばれ、ダイエットに敏感な女性をターゲットにしていたのだそうです。

 

 

 

 

さて、今月初旬に開催されたリオパラリンピックに合わせて、イギリスではChannel 4が同社が展開する'Year of Disability'キャンペーンの一環として主催した、'Superhumans Wanted competition'というCMコンテストが実施されました。

 

 

 

コンテストの勝者には、パラリンピック開会式の中継放送中のCM枠(100万ポンド(130万ドル、およそ1億3000万円)相当)が贈られることになっていたもので、CM内容の条件として障害やハンディキャップ(disability)を持った人々が持つ才能やタレントが取り上げられていることがありました。

 

 

 


そしてそのコンテストで90作のエントリーの中から見事グランプリを獲得したのが、モルティーザーズでした。

 

 

 


Picture:Screen shot from Maltesers Official Youtube Video

 

 

 

 

現在、"Look on the light side"というキャンペーンを継続的に実施しているモルティーザーズ。"物事や人々の明るく楽しい一面を見よう、見つけよう!"とメッセージを発信しています。

 

 

モルティザーズは、この基本コンセプトをキープしながら、障害やハンディキャップを持つ人とその多様性、彼・彼女らが持つ親しみやすくファニーでユーモアあふれるキャラクターに焦点をあてた3つのCMを制作しました。

 

 

 

 


まずは、こちらのCMをご覧ください。

 

 

 

公園のピクニックテーブルで3人の女友達がゴシップ話に花を咲かせています。

 

 

" NEW Maltesers Ad | New Boyfriend "

 


 

 

 

 

話題の中心にいる女性は、実際に脳性麻痺を持つ女優のStorme Toolisさんです。彼女が、新しいボーイフレンドとイチャイチャしていた時のことを話しています。

 

2人のムードが高まったときに、発作が発生してしまったという彼女。女友達が、それはタイミングが悪かったね・・・と同情しかけたところ、ボーイフレンドはがっかりしなかったと彼女は言います。

 

そして、モルティーザーズの袋を握って、発作の震えによって起きたことではありますが、性的な動作を連想させる動きで袋の中身をぶちまけます。そして、3人は驚きから爆笑に・・・というストーリーです。

 

 

 

 

 

続いてはこちら。四肢にハンディキャップを持つ女性が、友人の結婚パーティーに参加した時の話をしています。

 

 

" NEW Maltesers Ad | Dance Floor "

 

 

 

 

参加者が楽しくダンスをするフロアで、あろうことか新婦の足を車いすでひいてしまったことを、チョコボールを長財布で叩き潰しながらユーモアたっぷりに暴露しました。

 

 

 

 


そして、3つ目のCMがこちら。

 

 

" NEW Maltesers Ad | Theo's Dog "

 

 


 

 

 

 

友人の男性の家を訪れた、聴覚に障害を持つ女性。友人の飼い犬がじゃれて彼女にジャンプしてきて、彼女の補聴器を食べてしまったというストーリーを手話で話しました。

 

明日中には返してくれると言われた補聴器ですが・・・苦笑ですよね。

 

 

 

 

 

実はいずれのストーリーも、実際にハンディキャップを持つ人から寄せられた実話に基づいたもの。演じるキャストも、障害者を支援する団体の協力を得て実際にハンデディキャップを持つ人から選んだのだそうです。

 

 

 

そのメイキングはこちらでどうぞ。

 


" Maltesers | Look on the Light Side of Disability | Behind the Scenes "

 

 


 

 

 

 

 

オンエア後は、概ね「よくやった!」、「とても賢い手法」、「最高!吹き出さずにはいられなかった。」など、モルティーザーズの挑戦を称える評価が障害を持つ人、そうでない人両サイドから、SNS上に続々と寄せられていました。

 

 

 


Picture:Screen shot from Maltesers Official Facebook Page

 

 

 

 

モルティーザーズを有する英マーズチョコレート社のVPであるMichele Oliver氏は、今回のチャレンジングなアプローチについて以下のようにコメントしています。

 

 

 

“As one of the UK’s biggest advertisers, we have a responsibility and a role to play in reflecting diversity in everyday media. This is a first step for us."

 


「イギリスでも主要な広告主の一つとして、我々にはあらゆるメディアに多様性を反映する責任があるのです。これはその第一歩です。」

 

 

 

 

 

※Maltesers Ofiicial Website
https://www.maltesers.co.uk/

 

 

 

 


※ニュースソース

 

※METRO
http://metro.co.uk/2016/09/08/channel-4-disability-joke-went-down-well-6116012/

※Daily Mail UK
http://www.dailymail.co.uk/femail/article-3779344/Cheeky-Maltesers-advert-sends-viewers-frenzy-female-star-makes-rude-hand-gesture.html

※CREATIVITY
http://creativity-online.com/work/maltesers-dance-floor/48908

※Campaign
http://www.campaignlive.co.uk/?src_site=brandrepublic

 

 

 

 

 


■編集後記■

 

 


 

読者の皆様、こんにちは。

 

 


スゴい★PR編集担当の秦泉寺 明佳です。

 

 

 


今回ご紹介したCM3作品をご覧になって、読者の皆様はどんな感想を持たれましたか?

 

 

 

CMがオンエアされるや否や、様々な反応がイギリス中から寄せられたのは言うまでもありません。

 

 

ハンディキャップを持つ方が体験した、面白おかしい&ちょっぴり恥ずかしいエピソードをユーモアたっぷり、しかも性的な内容を伴って、ブラックジョーク交じりに展開したCMがこれまでにあったでしょうか。

 

そしてこれらのCMが、多数の人が注目しているパラリンピック開会式の中継時のCM枠で放映されたのですから、テレビ局、制作会社、企業、それぞれの強い決意と意志が感じられますよね。

 

 


私は、「わー、こんなCMが作れる&流せるなんてスゴい!(でも大丈夫かな・・・)」と、すぐに弱気になってしまいましたが、世間の反応は概ね好評価だったようです。

 

 

 

 

 


アメリカでは見かけないモルティーザーズですが、モルトをチョコレートで包んだチョコボール、私の好きなタイプのチョコ菓子なんですよね。商品も、機会を見つけてぜひ手にとってみたいところです。

 

 

 

 

 

 

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