ケンタッキーフライドチキンが「大統領選挙に行こう!」とPR!!?? | 【スゴい★PR】PRの本場アメリカ発 最新情報&事例

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ということでPRの本場アメリカを主に海外メディアに取り上げられた最新PR事例を中心にブランディングやマーケティングの成功(時には失敗)事例をお届けしています。

【今週のHOTメラメラニュース From the USA】


アメリカ大統領選の最中、ファーストフードカンパニーが、「選挙に関心を持とう」「選挙へ行こう」と人々に呼びかけ!
メッセージは、「あなたは共和党?それとも民主党?それともまだ決まっていないの??」



【今週のサマリー】時計時間の無いアナタはここだけチェック!



日本でも有名な、あの「KFC(ケンタッキー・フライドチキン)」が、3種類のTシャツ販売を通して、社会貢献活動を行っている。
しかも二段仕立ての巧妙さである。その手法とは、「共和党支持」「民主党支持」「未決」の3種類のTシャツを制作。オンライン及び、候補者の出身地にあるブティックで販売。それによって、人々の選挙への関心を喚起し、
投票活動を促進するという第一段。そして、その売り上げを自社の「奨学金制度」に還元する事によって、若者の育成をサポートするという第二段である。
KFCの看板商品には「WING」があり、KFCによれば国民は「美味しいから」こそKFCを選び、購入をしている。そこで選挙においても、国民には「RIGHT WING(共和党)」か「LEFT WING(民主党)」か、どちらか「美味しい政党」を選んで欲しいと訴えているのである。


とんちの効いた面白い手法である。


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【ニュースの裏側目


アメリカでは大統領選挙がヒートアップしてきている。民主党の大統領候補もオバマ氏に決まり、ついに共和党マケイン氏との間で熾烈な選挙戦がスタートしたばかりである。

私たちからすると、アメリカでは日本よりもまだまだ有権者の選挙への関心が強いように感じる。TVのニュースなどで映し出される映像は、熱狂的な党員集会であり、また若者達が議論をしている場であったりする。
しかし、実態はそうでもないのであろうか…!?

さて、そんなアメリカで、人々の選挙への関心を喚起させる試みに取り組んでいる企業がある。それは、白髪・白ひげのカーネル・サンダース氏(本名:Harland David Sanders)、でおなじみの「ケンタッキーフライドチキン
(以下:KFC)」だ。


 ※KFC Official Site:http://www.kfc.com/


ファーストフード会社が「選挙に行こう」とPRしている!!??

一体どんな取り組みを行っているのか?


KFCは、3種類のユニークなTシャツの販売を開始した。


そのTシャツを着れば、全員が自分の支持する政党を表明することができるというものだ。選挙活動時にスタッフが着用しているウェアというと、どうしても「ダサい」ものをイメージするが、今回のKFCのものは、通常のそれよりもオシャレで少々ユニークに仕上げてある。


ではそのTシャツとはどんなものなのか?


共和党支持者(ジョン・マケイン候補者(senator John Sidney McCain III)支持者)には、赤のTシャツだ。正面にはシンプルに、「RIGHT WING」という文字と、レトロバージョンのカーネル・サンダース氏のイラストがプリントしてある。
ちなみに、ご存じの通り「RIGHT WING」とは「Republican(共和党支持者)」のことである。その他にも、「The Political Right」「The Right」などとも呼ばれている。
そう、ここで「RIGHT WING」を採用したのが小気味よい。なぜかというと、英語で鳥の手羽先は「(Chicken) WING」。アメリカのKFCにはもちろん、「WINGS」カテゴリーのメニューがあり、KFCは、「私達の創始者、カーネル・サンダースは「WING」のエキスパートだ」と発信している。


対する民主党支持者(バラック・オバマ候補者(senator Barack Hussein Obama, Jr.支持者)には、水色のTシャツだ。正面には先の共和党支持者向けと同様のデザインで、「LEFT WING」という文字とサンダース氏のイラストがプリントされている。
「LEFT WING」とは「Democrats(民主党支持者)」のことであり、「The Political Left」、「The Left」とも呼ばれている。


では、まだ支持を決めかねている人はどうしたらいいのか…。


そんな人にもうってつけのTシャツがもちろん準備されている。白地のTシャツで、正面には、「RIGHT WING,LEFT WING:TASTES THE SAME TO ME」とプリントされている。
直訳すれば、「右か、左か。私にはどっちも同じ味だ」となる。要は、「右側=共和党」か「左側=民主党」を支持するか、今はどちらを選んでも同じという意思表示なのである。


要は、「美味しいチキン(WING)を選びましょう!それならKFCへ」というKFCの思いと、「美味しい政党(WING)を選びましょう!それなら投票所へ」という啓蒙活動を掛け合せているのである。


KFCは今回のTシャツの販売を通して、


「アメリカ国民がどちらのWINGを選ぶかに関わらず、私達は全ての人々が投票所へ足を運び、投票を行うことを奨励します」


と発信している。


これらのTシャツは、KFCのホームページ上から購入できるほか、候補者の出身州のブティックでも購入が可能だそうだ。


・AKIRA in Chicago (IL)
・Divas Boutique in Tempe (AZ)
・Grand Central Clothing in Tucson (AZ)
   ※IL(イリノイ州):オバマ氏、AZ(アリゾナ州):マケイン氏


※商品ページサイト:http://www.shopkfc.com/


これらのブティックには比較的若者が来店する。それもあり、ブティックの店長は、

「Tシャツファンであるとか、Tシャツが快適だからという理由だけではなく、「若者」がこのTシャツを着ることで、選挙期間中に彼らの選挙への関心と意思を、「クール」なスタイルで示すことができるという点で、優れている」
と語っている。


両党を支持する若者達がこのTシャツを着る、またはTシャツの存在を伝えるという行動によって、選挙への関心がどんどん高まっていくことを、KFC側もTシャツを販売することに賛同したブティックも期待しているのである。

実はこの「若者」も、キーワードだ。それはなぜかというと、今回のTシャツ販売の売り上げは、同社が実施している「KFC Colonel’s Scholars」の基金に充填されるからだ。
この奨学金制度は、これから大学進学を控えた高校生を対象に、彼らの大学生活をサポートするものであり、開始から3年目を迎えている。2008年は100人の学生が奨学金を受け取っているそうだ。


KFCは今回のTシャツ販売という手法を通して、人々の選挙への関心を喚起し、選挙への参加を啓蒙するとともに、その売り上げを学生への奨学金制度に還元するという、2つの社会貢献活動をやってのけたのである。
Tシャツのデザインが本当に「COOL」かどうかはさておき、企業のしゃれっ気と遊び心をも感じさせる、なかなかのPR活動である。


【PRの切り口】


 「アメリカ大統領選挙」という既に国民の関心が集まっている、旬かつ 話題性のある事象のパワーを上手く利用しながら、時流に乗ったPR活動 (社会貢献活動)を行った好事例だ。
 特定の候補者や政党を、資金でサポートするという、「ダーティー」と 取られかねない手法ではなく、そもそも「選挙へ行こう」という行動を 啓蒙しようとしている点も、好印象を与えている。
 また、その際に「若者受け」を考慮し「オシャレな手法」(アメリカ では「COOL」な手法)を意識した点も面白い。

 


【今週の目ウロコ度】


4ウロコ

フグフグフグフグ


「一挙両得」科目

 


【編集後記】

 
【スゴイ★PR】編集担当の秦泉寺(じんせんじ)です。

 皆さんは選挙の権利、きちんと行使をしていますか?
 昨今では、「不在者投票」(事前投票)も浸透してきたようですが、 それでも投票率の低下にはなかなか歯止めがかからないようです。
 国や選管、自治体などが「投票に行こう」とPRしてはいますが、 いま一つ響いてこないんですよね。今回のKFCのように、私たちにとって 身近な企業が、ちょっと「ユニーク」な手法で私たちにアプローチをしてくれると、もう少し違ったインパクトを与えられるかもしれません。
 ただ、有名人のポスター起用などではない手法でお願いしてみたいですが。


 ※ブログも好評(?)更新中 http://ameblo.jp/sugoipr/
 


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