No.2777☆(株)ナスタ(東京都港区) | 日本が誇る【すごい会社】

日本が誇る【すごい会社】

規模は小さくても、有名でなくても、日本一あるいは世界一の会社が我が国にはたくさんあります。製品やサービスの供給を通じて、我々の生活を豊かにしてくれる会社が我が国にはたくさんあります。そんな会社を、新聞・雑誌記事から抜粋してご紹介しています。

 

宅配ボックスメーカー。

所定労働時間の最大1割を社会課題の解決につながる活動に費やすことを認める。社員の自主性を養って組織力を底上げするとともに、定着率を高める狙いがある。

同社の取り組みは約400人の全社員が対象で、社会貢献活動に所定労働時間の最大1割まで使用することを可能とする。時間の割り当て方は社員に任せる。平日の午前や午後を定期的に使ったり、一度にまとめて取得したりするケースを想定している。同社の年間就業日数は約250日で、社員は最大25日前後を社会貢献に使うことができる。例えば能登半島地震の復興支援など、地方に行く必要がある時は出張費を支給することも検討する。

会社からも高齢者の孤立、子供の貧困といった社会問題へのアプローチを提案するが、時間を割く活動は基本的に社員に申告してもらう。ナスタの事業に支障を来さなければ、他社への業務支援やイベントでの講演も「社会貢献」とみなす。上長への報告は必須で、活動後はリポートの提出も求める。社会的な意義の大きさやアイデアの新鮮さなどを基準に、半年に5~10人の「優秀賞」を決めて各30万円の活動奨励金を支給する。取り組みにかける費用は給与分を含めて年5億円程度になるとみている。

ナスタは新型コロナウイルスの感染が広がった2020年に単月最終赤字を計上した。業績の回復を狙って目標とする数値管理を徹底したところ「有望な若手が2桁規模で退職した」(同社)。働きがいや愛社精神を高める狙いで社員に「重視したいこと」を聞いたところ、社会貢献への関心が高かったという。

『日本経済新聞』2024/05/21付。
https://www.nasta.co.jp/