真空装置製造を手掛ける。主力は半導体やフラットパネルディスプレー製造装置の受託製造。「まじめにモノづくりをする会社」を標榜している。
2023年度から、大手電機メーカー向け医療機器のOEMを本格化した。専用工場を22年末に新設し、医療機器製造所として登録。相手先企業の支援を受け、医療機器の完成品製造までを手掛けるようになった。
同社の主力は半導体やフラットパネルディスプレー製造装置の受託製造。20年度は売上高35億円の約7割を占めた。だが翌年度は需要減に見舞われ、21、22年度の売上高はそれぞれ18億円と22億円に低迷。この間、得意とする真空技術を安定需要が見込める医療機器に活用する技術開発を進めた。医療機器参入には県も許認可申請などをサポート。23年度は医療機器が新たな収益源に加わり、売上高36億円強とV字回復を達成したもようだ。
県は「メディカル・デバイス・コリドー推進計画」を20年度に始めている。県内中小製造業が持つ技術力を活用し、医療機器メーカーへの部材供給や受託製造の参入を促している。県内鉱工業の約6割は機械工業が占める。東京エレクトロンとファナックを代表とする生産用機械のウエートが、下請けなど関連企業も含めて大きい。県経済の成長をけん引するが好不況の波も大きく、多くの下請け企業は需要の波への対応が課題だった。
『日本経済新聞』2024/04/03付。
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