No.1852☆(株)クレスト(東京都港区) | 日本が誇る【すごい会社】

日本が誇る【すごい会社】

規模は小さくても、有名でなくても、日本一あるいは世界一の会社が我が国にはたくさんあります。製品やサービスの供給を通じて、我々の生活を豊かにしてくれる会社が我が国にはたくさんあります。そんな会社を、新聞・雑誌記事から抜粋してご紹介しています。

 

看板・ディスプレーの製作・施工、ガーデニング・雑貨店の運営などを手掛ける。

「きれいな看板作り」ではなく「顧客企業の売り上げ増」を目的に据え高利益体質へ転換。横ばいの市場の中でもIT活用を進め、新規事業を立ち上げる事業モデルで成長図る。

同社が開発したデータ分析用カメラ「esasy(エサシー)」。マネキンや看板のそばの目立ちにくい場所に数台仕掛けておくと、リアルタイムで店の前を通る客や入店する客を数え、客がどんな看板やディスプレーをどれだけの時間見ているかを計測し、客の年齢・性別を推測する。こうした情報をレジの売り上げデータと組み合わせることで、看板がターゲットの客層を狙い通りに引き付けているか検証できる仕組み。店舗内外の数カ所にカメラを設置すれば、通行客の何割がショーウインドーを見て入店し、入店客の何割が店内看板に興味を持ち、そのうち何割が商品を買ったかが分析できる。看板やディスプレーを更新する前後でデータを比較すれば、入店率・購買率の向上につながるデザインや配置のヒントも得られる。

広告に対する視聴者の反応や売り上げへの貢献をデータで確かめる手法は、ウェブ広告の世界では「広告効果測定」と呼ばれる。同社はこの考え方を物理的な看板やディスプレーなどの「リアル広告」の分野に取り入れた。頭打ちになっていた祖業の看板・ディスプレー事業をIT化による効率化で伸ばし、エサシーを使った新規事業を生み出して次の成長分野を見つけたクレスト。この経験を「レガシーマーケットイノベーション」という事業モデルとして捉え、経営理念の一つとして掲げる。

『日経ビジネス』2019/08/05号。
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