織機の基幹部品「リード」で国内シェア約7割、世界シェア2割を握る。
リード(筬=おさ)は薄い金属板を0・1ミリ程度の間隔で数多く並べたもの。くしのような微細な隙間に縦糸を通して整列させ、前後に動かしながら横糸を打ち込んで織物を仕上げる。繊維の密度を左右する織機の中核部品で、ステンレスの精密な加工技術を要する。
同社は中国やマレーシアなどアジア5カ国・地域に子会社や合弁工場を展開。このほかインドやベトナム、米国など6カ国では代理店を通して現地の織物メーカーに供給している。今後は世界の縫製拠点として存在感を高めるバングラデシュやパキスタンの成長性を重視。2~3年後をメドに両国に代理店網を広げるため、現地の専門商社などを開拓する。
販売網の拡充と併せて商品開発も強化する。近年、短時間で大量に織れる高速織機の普及が進み、軽量で耐久性の高い部品が求められている。同社はリードの構造を工夫して通常品より25%軽くした製品を開発中で、年内の商品化をめざす。6月にスペインのバルセロナで開かれた国際繊維機械展示会(ITMA)に出展し、技術を披露した。
繊維業界は衣料用に加えて自動車や土木分野など産業資材向けの需要も拡大傾向にある。市場の変化に対応した高付加価値品の開発力を高めるため、石川県中能登町の生産拠点で研究開発の人員増強を検討する。
『日本経済新聞』2019/09/05付。
http://www.takayamareed.co.jp/