医薬品・化粧品・医療機器の研究開発および製造・販売、とくにマイクロニードルと呼ばれる、微細な突起に美容成分を入れたパッチ状の化粧品を手がける。
マイクロニードルは古くから技術研究されており、海外では医療向けが中心で高価なものだが、同社は安価で大量に生産できるマイクロニードルの技術を確立し、化粧品に応用した。機能性化粧品のブームを受け、大手化粧品メーカーから通販化粧品メーカーまで多くの企業が参入する注目度の高い商品を生み出して成長した。ここ数年はOEMの依頼が急増し、2017年には第2工場を稼働して対応しているが、「生産が追いつかないくらいの引き合いがある」とのこと。
もともとコスメディ製薬は、京都薬科大学発のべンチャー企業。神山社長が研究していた皮膚から薬剤などを吸収させる「経皮吸収」の技術で最先端を走り、大手製薬会社に医療用粘着材の原料や製造技術を販売していた。経皮吸収に代わる、新たな薬剤の摂取方法の実用化を模索してマイクロニードルの可能性を検討し、人体に無害なヒアルロン酸を針の主成分にすることや、大量生産の技術も2年半ほどで開発できたところで、化粧品への応用を思いついたという。
医療用として実用化するには、あと5~10年はかかる。そのために必要な研究開発資金を稼ぐためだけでなく、医療用に応用しても安全であることを印象づけるためにも、化粧品事業は非常に重要。神山文男社長は「マイクロニードルにおける日本のリーディングカンパニーとして、技術面でもコスト面でも先行したい」と意気込む。
『日経ビジネス』2019/08/05日号。
https://cosmed-pharm.co.jp/