旅の話はまだ先があるのだが、ここで確定申告のお話を。今年も確定申告の時期になった。しかし、そもそも無職の年金受給者が確定申告をする必要があるのか。また、やらないとどうなるかをおさらいし確定申告に臨もう。
この歳になると、一年に一度しかやらないことはそのやり方を忘れがち。去年の確定申告では過去に経験したことが無い結論が出て慌てたのに、それはどういう経緯だったのか詳細な部分は憶えていない。だからこうしてブログに記録して来年に繋げようと思う。
去年の確定申告では、それまで毎年わずかな額だが税金還付がされていたのに、逆に「税金を納めよ」という結果が出た。更に私を困惑させたのが、「納付額が少額だから払わなくても良い」というメッセージ。国税庁がそう言うのならありがたいが、何かデメリットはないか。私は自民党の国会議員ではないので、後々脱税したと摘発されないか心配だ。税務署に問い合わせると、確かに納付しなくても構わないと言われホッとした。しかし、住民税のことが新たに浮かび上がってきた。今まで確定申告をしていたことにより住民税の申告は不要だったので、住民税のことはノーマークだった。確定申告をしないとそれはどうなるのか。それが気になった。
長年、60数年生きて来て、そんな基本的なことすら知らなかった。サラリーマン生活は長く、毎年末になると年末調整のために色々と提出していたのに、ほぼ言われるままに関係書類を準備し提出していたので、税金の仕組みまで気にしていなかった。去年、税務署や市役所の市民税課に問い合わせ、その疑問が解けた。それはこういうことだった。
納付すべき所得税(国税)が極めて少額な場合は、確定申告は免除される。確定申告をしなければ納税額は決まらないので、納税も免除される(脱税ではない)。しかし、確定申告をしないと本来すべき申告情報は自治体と共有されないので、住民税の申告を自治体に対して行わなければならない。住民税の申告をしなくても自治体は年金受給者の給付情報は得ているので、それらを元に計算することになるが、生命保険や地震保険、医療費の控除情報までは把握していないので、本来なら所得から控除されるこれらの費用が反映されず、結果として住民税の額は高くなる恐れがある。よって、確定申告をしない場合は住民税の申告をした方がいいということだった。
ここまでは去年の今頃のおさらい。で、今年はどうするか。確定申告をしても、去年同様に所得税を納付せよ(但し、少額なので免除される可能性あり)となる恐れがあるから、最初から確定申告をすっ飛ばし、住民税の申告書を作成しようかと考えた。ただ、いずれにしても同様な手間が掛かる。ならば、ダメ元で確定申告書を作成(国税庁のHPで申告書が作成できる)することにした。
因みに、私が去年源泉徴収された所得税はたった2000円少々。年金はある額以上になると源泉徴収されるが、私の年金額はそこまで多くないので源泉徴収されていない。それ以外の収入は、市の某委員会に市民委員として会議に出席し、その日当が収入となっており、そこから源泉徴収された。その額が2000円ちょっと。だから確定申告の結果、運よく税金を還付されたとしても、最大の還付額は2000円少々にすぎない(支払った税金以上に還付されることは絶対に無い)。場合によっては、去年同様に税金を納付せよという結果が出るかもしれない。
自宅のテーブルに、公的年金や個人年金の支払証明書、生命保険や地震保険の控除証明書、医療費の領収書などをバーンと広げ、次々入力していく。年に一度しかやらない作業なので、何がどの項目に該当するのかあやふやで手こずる。特に医療費の領収書は数十枚もあり、これらを医療機関毎に入力しないとならない。こんな面倒なことを多くの国民が毎年本当にやっているのか。やらない人も多かろう。また用語が分かり難いし、証明書の字や数字は小さく判読し難いのも困ったもんだ。およそ1時間半掛けて入力完了。最後に収めるべき税金、もしくは還付される額が算出される。結果は「オオッ!」、源泉徴収された2千数数円の税金が還付されると出た。
令和4年の申告では数千円の税金を納付せよという結論が出たのに、今年はなぜ反対の結果になったのか。それが疑問だった。それを知りたくて、去年の申告書(結果的に提出せず)と比べてみた。するといくつかの要因がわかった。
・妻が年金給付されるようになり、私の年金にオンされていた加給年金が終了となり年金支給額が減った
・社会保険料(国民健康保険、介護保険)が増えた
・医療費が去年より多く、医療費控除額が増えた
去年との違いはこの位しかないが、この差で、去年の所得額>控除額が、所得額<控除額と逆転し、去年は納付だったのに今年は還付という結果に至ったのだろう。
以上、確定申告と住民税申告についてまとめるとこうなる。
①確定申告も住民税の申告もしない⇒所得税は納付しない(又は、還付されない)が、住民税が本来より高くなる恐れがある
➁確定申告はしないが、住民税の申告はする⇒所得税は納付しない(又は、還付されない)が、本来の住民税が算出される
➂確定申告をする(住民税申告は不要となる)⇒所得税を納付し(又は還付される)、本来の住民税が算出される
私の場合、去年の申告は➁だったが、今年は➂となった。また手間に関しては、①の場合は申告を一切しないから手間は掛からない。➁と➂は申告書作成の手間自体はほぼ同じで、提出場所が税務署か自治体の税務課の違いだけ。
これらのことはこの歳になってから知った。まだまだ日々新ただね。私は税の専門家ではないので自分の経験の範疇でしか話せず、まだ選択肢や条件はあるのかもしれないが、高齢になると物覚えが悪くなり、この程度のことですら来年のこの時期まで憶えていられるか自信が無い。だからこうしてブログを書きながら頭を整理し、来年のために記録を残している。まっ、ボケ防止のひとつかな。税金還付の大きさよりも、この効果の方が大きいかも。