幼い頃、近所に子供を褒めるのが上手なおばあちゃんがいた。その日も子供たちの頭をなでながら「M子ちゃんは鼻筋の通ったべっぴんさん」「F子ちゃんはお目めパチパチかわい子ちゃん」と褒めていたが、私の番が来てふと言葉が詰まった。

 

 私1人だったら、口から出任せに褒めることが出来るが、子供は正直で残酷だ。下手に褒めたら「うそー。かわいくなーい」などと言い出して、この子が傷つくと思ったのだろう。「美子ちゃんの髪は、ほんにきれいか。市松人形のごたる」と言ってくれた。

 

何とうまく切り抜けたことだろう。家に帰って喜んで報告する私に、母の返事はひと言「ふーん」。母は優しい人であったが、妙に素っ気ないところもあった。惨めな気持ちになりかねなかった私に、母は気付いていただろうか。

 

 6歳だった私に、頭をなでながら言ってあげたい。「良かったねえ。おばあちゃんも本当に美子ちゃんの髪、きれいと思っとったよ」

 

今では白髪が増え、髪の量も減り、昔の面影はない。天国のおばあちゃんに今の私を褒めてって言ったら、困るだろうなあ。困った顔見たいなあ。

 

 

 やさしいおばあちゃんや昔の情景が目に浮かぶように生き生きと描かれています。昔の自分に声を掛けてあげるなんてなんと切なく素敵なことでしょう。みなさんもこういうひと時をいかがですか。

 

 寺田美子さん(58) 熊本市の作品

熊本日日新聞2018.4.10朝刊「おんなの目」より引用

震災ストレスと歯の喪失

テーマ:

 先日の新聞に地震により家が壊れた高齢者では歯の喪失が多いとの記事が日本老年学的評価研究チームより発表されました。東日本大震災に住家が壊れた住民は歯の喪失を経験する方があったということです。

 これは奇しくも当院で経験した「熊本地震による患者さんの口腔疾患との関係」に一致します。ストレスにより患者さんたちに歯の破折や顎関節症、歯周病の急性増悪が増えたことを昨年の日本心療内科学会で発表しましたが、東北でも同様のことが起きていることを知り意を強くしました。日本老年学的評価研究チームの研究は社会学的見地からのもので、そのメカニズムまでの考察は行われていないのですが、震災ストレスで歯を失うという結果は、これまでの研究の方向性を間違っていないと感じました。

写真はイメージ。本文と関係ありません。

 

大分県にある高塚地蔵尊にお参りに行きました。

 昼食に日田名物の焼きそばを食べようということになり、ガイドブックに載っていたお店を尋ねました。

 お店に到着するとすでに10数人の行列ができています。せっかく足を運んだからには待つのを覚悟で並びます。みな観光客らしい感じです。食べ○○等を検索すると高得点でますます期待が高まります。

 それにしてもなかなか行列が前に進みません・・・。

 そして待つこと1時間。ようやく店内に入れました。席に座ってしばらく待つと待ちに待った焼きそばが出てきました。お腹すき過ぎ。ソースの照りの出た麺をガブっと頬張ります。思わず「うっ・・・!」となって隣の妻の顔を見ます。同じ顔をして彼女も見ています。「!?」・・・「!?」。無言の会話です。そそくさと食事を済まして外に出ます。

 焼きそばの麺硬かったね。歯茎に刺さったよ。味も想像したものと違ったね。そういえば出てくるお客の誰一人笑顔がなかったし。店内に家族連れが多かったのに全く会話もなかったね。おいしいものを食べるとみんな笑顔になるというのが妻の信条です。

 食事は好みが異なるので評価が分かれますが、我が家では残念な結果となりました。

おいしいものを食べるとみんな笑顔になる」の言葉には思わず納得がいきました。