ウチの奥さんが、「是枝監督の映画やってるよ！」というので、「ん？今、そんなのやってた？」と思いながらホームページを覗いてみたら、「是枝裕和・西川美和の愛弟子 広瀬奈々子のデビュー作」という文字が… パッと見て、最初の是枝監督という文字だけ印象に残っちゃったみたいです…
ま、でも、貼られていたポスターも印象的だったし、ちょっと気になる作品だったので見てきました… 柳楽優弥・小林薫のW主演映画「夜明け」でございます… 是枝裕和・西川美和が立ち上げた制作集団「分福」から、満を持してデビューという注目の若手女性監督ということになるのかな？
公開に先駆けてのプレミア上映となった東京フィルメックスで、見事スペシャル・メンションを受賞、各国の映画祭から招待を受けるなど、その才能が評価されているみたいです…
これ、期待して以上によかったかな？ 監督自身のオリジナル脚本で、そんなに有名な俳優さんをたくさん使ってるわけでもない、たぶん、少ない予算で一生懸命作った作品、そんな印象かな？ 小林薫、柳楽優弥の演技を、じっくり楽しむことができる映画って感じでしょうか？ 堀内敬子さんも、いい役だったな…（結構、好きな女優さんの一人です）
だいたいの筋を紹介すると… 木工所を営む小林薫さんが、河辺で倒れている柳楽優弥くんを助けるところから物語が始まります… 亡くなった息子と同じ名前と知り、そのまま家においておき、木工所で勤めされることにするんだけど… 木工所の温かい仲間たちにも助けられ、寡黙だった彼は、だんだん心を開き初め、本当の親子のようになっていくんだけど… 街で起きたある事件の噂が流れはじめる…
ワケありの少年と、ワケありの大人が出会って、お互いに心を開いて、本当の親子のようになっていけるのか？ まわりとの関係は、どう変化していくのか？ ま、そんな感じでしょうか？ 「夜明け」というタイトルも、なかなか味があるというか、物語のそのものは、ほとんどが夜中、真夜中についての話、ラストは前向きになれるのか、夜明けが来るのか？的な感じの映画だと思います… 突然終わっちゃうような感じなので、余韻を楽しむというか、自分なりに解釈することを求められてる気がします…
何度も言いますが、柳楽優弥・小林薫の演技合戦というか、二人を見ていろいろ感じて欲しい… そんな映画ですね～ 地味かも知れないけど、良質な映画って感じです…
ぴあ映画生活の作品解説より
是枝裕和、西川美和の制作者集団“分福で“両監督の助手を務めてきた広瀬奈々子の監督デビュー作。ある秘密を抱えた青年と、決して忘れられない過去を内に秘めた初老の男が、何かを埋め合うようにして信頼関係を築いていく姿を映し出す。広瀬監督が自ら書き下ろしたオリジナル脚本を映画化し、柳楽優弥、小林薫が孤独な男たちの魂を体現する。
日本の映画らしい日本映画って感じでしょうか？ けして派手ではない、でも、そんなに重苦しくもない、味のある映画って感じがします… 柳楽優弥って俳優さん、かなり苦手意識があったんだけど、今回の映画での役はスゴくよかったです…
「夜明け」を迎えて、これから彼はどんな人生を歩んでいくのか、気になるところです…