ポストコロナを見据えた企業業績や雇用情勢への対応について
(1)経済情勢と先行きについて
(2)経済対策について
(3)事業計画や経営改善計画の見直しを迫られている企業について
(4)地域金融の状況について
(5)資金繰り支援と資本的支援について
(6)需要構造の変化について
(7)供給構造の変化について
(8)ポストコロナで求められる事業について
(9)事業承継・譲渡、M&A、廃業などについて
(10)雇用情勢について
(11)ポストコロナで求められる人材について
(春日井市議会 一般質問 末永けい)


末永けい

それでは,通告いたしましたポストコロナを見据えた企業業績や雇用情勢への対応についてお尋ねいたします。
 2020年4~6月期の実質GDPは,国内外における新型コロナ感染症の拡大と4~5月の緊急事態宣言の影響から,輸出や個人消費を中心に急激に減少し,成長率は前期比マイナス7.9%(年率マイナス28.1%)と,比較可能な1980年以降で過去最大のマイナスとなりました。その後,7~9月期の実質GDP成長率は,輸出,民間消費,政府消費がプラスに寄与し,前期比5.3%増(年率22.9%増)となっています。4~6月期の反動で7~9月期は大きく伸びていますが,回復している水準としては,前期の減少分の約6割にとどまっています。内閣府は,11月の月例経済報告(11月25日公表)において,基調判断を,「景気は新型コロナの影響により依然として厳しい状況にあるが,持ち直しの動きが見られる」としました。その後,景気ウォッチャー調査(12月8日公表)11月調査では,「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさが残る中,持ち直しに弱さが見られる。先行きについては,感染症の動向に対する懸念が強まっている」となっています。
 コロナショックは,金融経済ではなく,実体経済に直接影響が出ていることが特徴です。マクロの景気判断と実際のちまたの景気や市民の実感値が乖離していないか,地域の企業や働く方々が取り残されているような感覚になっていないか,注視する必要があります。
 直近の10月の有効求人倍率に目を向けますと,全国1.04,愛知1.02,春日井・小牧は0.98,愛知県の有効求人倍率は,7月に初めて全国を下回って以降,8月,9月,10月と続けて全国を下回っています。また,春日井・小牧の有効求人倍率は国や愛知県をさらに下回る水準で推移し,求職者数や雇用保険受給者数は,6月以降,前年同期比で大幅に増加し,景気の先行指標と言われる新規求人数は,昨年12月から前年同期比20~40%以上のマイナスが続いています。雇い止めや解雇だけでなく,正社員についても,ボーナスゼロ,基本給を大幅カットしている企業の状況も直接お聞きしています。
 これまで国や市などの経済対策や金融支援で急場をしのいだものの,今後,雇い止め,解雇,新規採用の抑制,希望退職,人員整理,事業の統廃合,倒産・廃業など,企業経営のかじ取りや雇用環境は厳しくなることが予想されます。市民生活・企業活動の身近な存在である自治体としては,地域経済の早期の回復を目指すために,企業の業績・投資活動,雇用情勢,市民の消費などの実態はどうなのか,これまで以上にアンテナを立て,必要な取組を行っていくことが重要です。
 そこで,小項目(1)経済情勢と先行きについて伺います。
 本年,4~6月期のGDP成長率は,過去最大の落ち込みとなり,一部では,コロナ以前の水準にGDPが回復するのは2022年という観測も出ています。企業は,景気の先行きを読みながら設備投資や採用を行っていますが,GDPや消費がコロナ以前の水準に戻るのはいつ頃と考えておけばよいのでしょうか。
 そこでお尋ねいたしますが,1点目,市内経済,景況感の市の現状認識と参考にしている数字などをお尋ねいたします。
 2点目,景気の先行きについて,GDPや消費がコロナ前の水準に回復するのはいつ頃なのか,市としてはどのように見ているのか伺います。
 3点目,一方で,市内企業は景況感や先行きについてどのように見ているのか。ヒアリングやアンケートなどの結果から市が把握しているところについて教えてください。
 続いて,(2)経済対策についてです。国や市の経済対策について伺います。
 コロナの影響による景気の急悪化に対して,事業継続や雇用維持の観点から,これまでに国は持続化給付金,特別定額給付金,雇用調整助成金,家賃支援給付金,春日井市では,感染症対策支援金事業,雇用安定支援事業などを行ってきましたが,事業継続や事業維持が困難な状況を一時的に回避するための一定の経済効果はありました。しかし,コロナの影響が長期化し,足元の厳しい景況感を鑑みると,再度こうした経済対策を行うことの是非について議論される余地もあると思います。
 そこで,今後,国や自治体として同じ規模の経済対策が必要な状況なのかどうか,御認識についてお尋ねします。
 続いて,(3)事業計画や経営改善計画の見直しを迫られている企業についてです。
 企業は,事業計画や経営改善計画を作成し,金融機関や投資家から資金調達を行っている中で,コロナショックにより多くの企業で資金繰りが悪化し,緊急融資が活用されています。しかし,足元でコロナ第3波が発生するなど,コロナの影響が想定以上に長引き,事業環境がマイナスシナリオになっていることから,事業計画や経営改善計画の見直しを迫られている企業が出てきています。
 そこで,事業計画や経営改善計画と比べてマイナスシナリオになっている企業はどのくらいあるのか,各企業はどのような経営改善策をとっているのか,市の把握状況についてお尋ねします。
 続いて,(4)地域金融の状況についてであります。
 さきの9月の自民党総裁選の際に,菅総理が,地方の銀行について,「将来的には数が多過ぎるのではないか。再編も一つの選択肢」と発言し,政府や日銀からは地銀の経営改革・再編支援の動きが出てきており,今,地域金融の在り方が注目されています。金融庁は,「地域金融機関は地域企業の真の経営課題を的確に把握し,その解決に資する方策の策定,実行に必要なアドバイス,資金使途に応じた適切なファイナンスなどを組織的・継続的に実施することにより,地域企業の生産性向上を図り,ひいては,地域経済の発展に貢献していくことが求められている」としています。
 そんな中で,さきの報道によると,2020年9月,中間決算では,地銀の6割の最終損益が,減益・赤字とのことです。もとより,銀行は,マイナス金利政策を受け,貸出し利ざや縮小など構造的な収益力の低下に直面している中で,コロナショックによる融資先の倒産などに備える与信費用,貸倒れに備えた引当金が増えて業績を下押ししているとのこと。リーマンショック時は,金融危機に端を発し,実体経済に悪影響を与えましたが,今回のコロナショックでは,実体経済が直接的に悪化し,その影響が長期化することで,債務者の返済能力の低下,返済負担に耐えられず倒産する企業,貸倒れ・不良債権の発生により金融システムの影響が出るリスクが懸念されています。
 こうした状況で心配なことは,新規の融資の審査が厳しくなったり,貸し渋りなどが発生していないかということです。地域経済と地域金融は不可分であり,企業活動が停滞することは地域経済にとっては大きな損失です。市としては,地域経済の核を担っている地域金融機関による金融仲介機能が十分に発揮されているのか,必要なところにお金が回っているのか,動向を注視することが必要です。
 そこで,1点目ですが,市として,地銀や信用金庫,信用組合などの地域金融機関の業績・動向をどのように把握しているのかお尋ねします。また,貸し渋りなど企業が融資を受けにくい状況が発生していないか,市の現状認識をお尋ねします。
 2点目は,市内の金融機関の貸出金・融資額の推移について,コロナ前とコロナ後でどのぐらい変化があるのか,併せて,融資が増えている業種などについて伺います。
 3点目,市内の金融機関は,三菱UFJ,大垣共立,十六,三重,愛知,名古屋,中京,百五の各銀行,そして,岐阜,東濃,瀬戸,東春,岡崎の各信用金庫など,春日井市統計書によると企業総数は17,店舗総数は64ありますが,市が金融機関からヒアリングした地域金融の状況や市内企業の状況,課題などをどのように把握しておられるのかお尋ねします。
 4点目は,人口減少や少子高齢化といった社会構造の変化に加え,今回のコロナショックによって,地域金融機関に対して地方創生支援へのニーズが高まっていますが,春日井市は,既に一部の金融機関と地方創生に関する連携協定を結んでいます。金融機関との連携協定は,コロナ対応でどのような力を発揮しているのでしょうか。市と金融機関との連携協定の状況と,コロナショックを受けて,連携協定に基づいて具体的に何かしら実施していることはあるのかお尋ねいたします。
 続いて,(5)資金繰り支援と資本的支援についてお尋ねします。
 11月30日,金融庁は中小企業等の金融の円滑化に関する意見交換会を開催し,麻生大臣は,年末・年度末の資金需要に対して引き続きの支援を要請するとともに,今後については,目先の資金繰りだけでなく,経営改善・事業再生・事業承継・事業転換といった支援がますます重要になるとしています。
 国や自治体などの経済対策や緊急融資を活用して,事業継続と雇用維持のための急場はしのいだものの,コロナの影響が長引き,景気回復の見通しは不透明で,返済見込みはあるのか,返済に必要な利益確保ができるのかといったことが企業経営における不安材料になっています。資金繰りの不安は事業に専念できない状況を生み出しますので,資金繰りの不安を解消し,事業に専念できる環境を整備することが求められています。
 そこで,1点目,企業活動において,借入れに対する返済の見込み,資金繰りが厳しくなる可能性が高い業種など,市内企業の資金繰りの状況をどのように把握しているのかお尋ねいたします。
 2点目,返済猶予などのコロナ対応の金融支援の内容はどのようになっているのかお尋ねします。
 3点目,売上げが回復せず赤字になれば補填資金が必要で,赤字補填で借り入れする状態が続くと企業の自己資本は蒸発し,債務超過になって事業継続が困難になります。今後,コロナ対応の緊急融資の返済据置期間終了後など,企業の債務問題が表面化することは避けられません。そこで,金融支援策として,緊急的な資金繰り支援だけでなく,バランスシートの資本的支援にも関心が寄せられています。 続いて,(6)需要構造の変化についてであります。
 経済産業省は,「新型コロナウイルスの影響を踏まえた経済産業政策の在り方について」を公表しており,コロナ危機の性格を,「国境封鎖,外出制限等の移動制限により,供給ショックと需要ショックが併発」として,供給ショックについては,グローバルサプライチェーンの寸断,サービスの提供停止,需要ショックについては,対面サービスや人の移動に関連した需要の蒸発を挙げています。需要と供給のそれぞれの面で,各業界・業種で起きている変化を,市は,企業活動支援策・経済振興策を検討する上で把握しておくことが必要です。そこで,企業へのヒアリングやアンケートなどで見えてきた需要構造の変化を市としてどのようにつかんでいるのかお尋ねいたします。
(7)供給構造の変化について。
 こちらも同様に,供給構造の変化について,市としてどのようにつかんでいるのかお尋ねいたします。
 続いて,(8)ポストコロナで求められている事業についてであります。
 需要構造の変化,供給構造の変化など,企業活動の前提が変わっており,ビジネスの従来の枠組み・ルールが新たなものに切り替わるゲームチェンジが起きているとされています。抜本的にビジネスモデルの見直しを迫られるなど,多くの企業において,ポストコロナに向けて,経営の在り方や製品開発,サービス内容を転換させている段階にあります。しかし,どういうふうに経営・組織・事業を転換させていけばいいのか苦慮されている経営者も大勢いらっしゃいます。
 1点目は,ポストコロナではどのような事業が顧客から求められているのか,また,経営者にはどのような経営スタンスが求められているのか,市の認識をお尋ねいたします。
 2点目,市は,経営者や企業に対してどのように情報提供・アドバイスを行っていくのか,考え方をお尋ねします。
 続いて,(9)事業承継・譲渡,M&A,廃業などについてお尋ねします。
 コロナの影響により,業界・業態によっては事業継続が厳しくなっています。しかし,地域経済を支えている企業が廃業していけば,雇用,技術・ノウハウが失われ,取引先,消費などへの影響もあり,地域経済の衰退につながりかねません。
 もとより,日本社会は,コロナ前から構造的に企業の後継者難が課題となっており,後継者がいないがために事業継続が難しく,売却を検討している企業がたくさんあります。そうした企業の中には,ぎりぎりで黒字を維持していたり,赤字経営を長年続けているケースもあります。東京商工リサーチによれば,2020年1月~11月の後継者難倒産は340件に達し,調査を開始した2013年以降,初めて300件台に乗せ,後継者不足の後継者難倒産が急増しているとしています。その一方で,企業の事業を譲り受ける買い手側の意欲も高まっており,事業承継・事業譲渡,M&Aなどの相談体制や承継企業とのマッチングが求められています。
 そこで,1点目として,事業承継・事業譲渡,M&Aを支援する取組をお尋ねします。
 2点目,事業環境が厳しい中,廃業を視野に入れている企業には,ある程度経営余力のあるうちに計画的に事業を終了することを支援する取組も重要です。なぜなら,廃業・倒産にも費用を要しますので,現預金のないところは立ち行かなくなるからです。事業を畳むのにもどうすればよいのか悩んでいらっしゃる経営者に対して,取引先との関係整理や事業用資産の処分,事業終了までの資金繰りなど,様々な面で専門家の支援やサポートが必要と考えられます。そこで,廃業などへの支援の考え方と相談体制についてお尋ねいたします。
 続いて,(10)雇用情勢についてです。
 先日,12月7日,新型コロナで就職内定率の低下や非正規労働者の雇い止めが起きている中,愛知労働局が経済団体に対し雇用の維持を要望したという報道がありました。今年10月末までの愛知県の大学・短大の就職内定率は68.9%と,昨年に比べて7.6ポイント低くなり,5年ぶりに70%を割り込み,さらに,非正規労働者の雇い止めなども起きている状況を受け,愛知労働局が,7日,愛知県経営者協会など5団体に対し,学生の採用活動の維持や非正規雇用の安易な解雇や雇い止めの防止を要請したとのことです。
 そこで,市内の有効求人倍率や雇用保険受給者数などの足元の雇用情勢や市内企業の解雇,雇い止めなど雇用調整の可能性がある事業所数をどのように把握しておられるのかお尋ねいたします。
 続いて,(11)ポストコロナで求められる人材についてお尋ねします。
 需要・供給構造が変容し,また,ポストコロナを見据えて,多くの企業が業態転換や新規事業を模索しています。そうしますと,企業が求める人材も変化していきます。こうした動きが今後も加速することにより,例えば,IT人材の需要が増加することなどが考えられます。ポストコロナにおいて求められる人材については,経営者や働き手双方にとって気になるところだと思いますが,企業ヒアリングやアンケートから見えてくる企業が求める人材について,市の認識をお尋ねいたします。

産業部長(足立憲昭君) それでは,大項目1,ポストコロナを見据えた企業業績や雇用情勢への対応についての御質問に順次お答えさせていただきます。
 初めに,小項目1,経済情勢と先行きについてでございます。
 景況感の把握については,全国及び地域の日銀短観,日本政策金融公庫による全国中小企業動向調査などを参考にしています。また,新型コロナウイルス感染症拡大後は,市内企業に対するアンケート調査を継続的に実施し,市内経済の現状把握に努めております。
 企業の景況感,先行きについては,日銀短観などでは9月時点で持ち直しの兆しがあるとの判断でしたが,11月に実施した市内企業アンケート調査結果では,第3波の影響により,7割以上の企業で新型コロナウイルスの感染拡大が企業活動にマイナスの影響を及ぼしていると回答され,そのうちの7割以上の企業において売上げが減少しており,まだ多くの企業が先行き不透明と認識していると思われます。
 本市としましては,今後の新型コロナウイルスの感染拡大の動向次第ではありますが,企業の中には,コロナ禍の中で事業活動を継続するための新たな動きが見られるものの,引き続き厳しい状況にあると認識しております。
 次に,小項目2,経済対策についてでございます。
 支援金の再実施については,感染拡大の初期における一時的な支援と考えているため,現段階においては考えておりません。雇用安定支援補助金については,さきの質疑でお答えしたとおり,総合的に判断してまいります。
 次に,小項目3,事業計画や経営改善計画の見直しを迫られている企業についてでございます。
 個別企業の事業計画や経営改善計画の動向については,把握しておりません。
 次に,小項目4,地域金融の状況についてでございます。
 市内の金融機関の経営状況については,マイナス金利の影響により収益が減少しているものが見られるものの,堅実に推移しているものと認識しております。特に,企業への融資状況については,国のセーフティーネット保証や県のつなぎ融資制度といった支援策の充実により,今年の3月から融資件数は増加傾向にあり,貸し渋りは発生していないと理解しております。
 市内の金融機関の融資額の推移については把握しておりませんが,コロナ禍において融資が増えている業種として,市によるセーフティーネットの認定状況によれば,市内の事業所割合に比べ,建設業の割合が高くなっております。金融機関へのヒアリング内容については,業種を問わず多くの企業が融資を利用し,コロナが影響した廃業・倒産はほとんど見られないと,9月の訪問の際に聞いております。
 本市と連携協定を締結している金融機関は現在2行で,特にコロナに関連して実施しているものはありません。
 次に,小項目5,資金繰り支援と資本的支援についてでございます。
 借入れに対する返済の見込みについては,市内の金融機関に確認したところ,国のセーフティーネット保証や県のつなぎ融資制度も企業の年商などを目安としているため,企業の売上げを大きく上回るような融資は行われていないと考えられますが,コロナの影響が長期化した場合,収益が改善せずに返済に困る企業も出てくると考えております。返済据置きなどの措置については,日本政策金融公庫のセーフティーネット貸付は最大3年,県の制度融資は最大5年の据置期間が設定されております。なお,現在のところ,免除等の支援策はありません。
 財務体質が悪化した企業に対する支援については,国の資本性劣後ローンの制度があるため,市では考えておりません。
 次に,小項目6,需要構造の変化についてでございます。
 需要の変化については,新しい生活様式を踏まえ,感染防止・非接触に関する商品・サービスへの需要が大きくなっていると認識しております。
 次に,小項目7,供給構造の変化についてでございます。
 供給の変化については,企業としても,新しい生活様式に対応した新商品・サービスの開発を積極的に進める動きが見られます。現在,国では,製造業に対して,今後,企業間の協業・提携の加速化やサプライチェーンの強化・多元化とともに,企業変革力の強化に資するデジタル・トランスフォーメーションの推進が求められております。
 次に,小項目8,ポストコロナで求められる事業についてでございます。
 本市としては,企業の事業継続のためには,企業が新たな生活様式に対応した新たな事業展開や見直しを積極的に図っていくべきと考えております。このため,今後も引き続き,新たな事業に取り組む企業に対する支援を行うとともに,必要な情報について,ホームページやメールマガジン,商工会議所報などを活用し,発信してまいります。
 次に,小項目9,事業承継・譲渡,M&A,廃業などについてでございます。
 事業承継,M&Aについては,既に,県があいち事業承継ネットワークを設置して,事業承継などの支援を行っております。本市としては,事業承継などの要望がある事業者には,本ネットワークによる個別支援の利用を勧めてまいります。また,経営状況が悪化し,財務上の問題を抱えているものの,事業の将来性が明確な中小企業に対しては,国が設置している愛知県再生支援協議会の窓口を紹介しております。廃業や倒産に伴う経費の支援については,国の事業承継補助金があるため,市では考えておりません。
 また,相談体制として,商工会議所の専門家派遣事業を活用いただきたいと考えております。
 次に,小項目10,雇用情勢についてでございます。
 有効求人倍率については,さきの質疑でお答えしたとおりです。
 市内企業の解雇,雇い止めの状況については,11月9日に厚生労働省から発表された「新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報について」において,雇用調整の可能性がある事業所数が,愛知県で累計1,514件となっていますが,個別のハローワークの数字については公表できないとのことでした。
 次に,小項目11,ポストコロナで求められる人材についてでございます。
 企業における必要な人材については把握しておりませんが,今後,企業アンケートやヒアリングを実施する際の参考にさせていただきます。

末永けい

 まず,(3)の事業計画や経営改善計画の見直しを迫られている企業について,2回目の質問を行います。
 1回目では,個別企業の事業計画や経営改善計画の動向については把握していないということでしたが,コロナの影響の長期化によって,当初の事業計画や経営改善計画と比べてマイナスシナリオになっている企業についてはどうしたらよいのか。そういった企業に対しては,市はどのような支援をしていくのか御所見を伺います。

産業部長(足立憲昭君) 小項目3の2回目の御質問にお答えさせていただきます。
 経営状況が計画どおり進んでいない企業については,国の新型コロナウイルス関連のセーフティーネット融資,雇用調整助成金,市の雇用安定支援補助金,専門家派遣などの支援制度の活用を促すとともに,引き続き,企業や商工会議所からのニーズを基に必要な施策を検討してまいります。

末永けい

続いて,(4)地域金融の状況について2回目の質問を行います。
 現在,市は2つの金融機関との間で地方創生に関する連携協定を結んでおり,協定内容として,企業支援及び雇用の創出などが盛り込まれております。コロナショックを受けて具体的な取組はないとのことですけれども,地域経済が悪化している状況だからこそ,金融機関にこれまで以上に力を発揮していただく必要があると思います。市と金融機関が連携し,具体的な取組を行う考えについて所見を伺います。

産業部長(足立憲昭君) 小項目4の2回目の御質問にお答えさせていただきます。 連携協定を締結している金融機関はもとより,市内の金融機関と必要なコロナ対策の検討に向けた情報共有等を図ってまいります。

末永けい

続いて,(6)需要構造の変化について,(7)供給構造の変化について,2回目の質問を行います。
 需要構造と供給構造などの世の中の変化を受けて,ポストコロナでは企業そのものの価値が変わっていきますので,機動的に業態・事業転換などを行う企業を支援することが,地域経済の回復・成長につながります。
 国は,先日,12月8日,財政支出40兆円,事業規模73.6兆円の追加総合経済対策を閣議決定し,中小・小規模事業者の経営転換等に係る支援を盛り込んでいますが,市内企業の業態転換への支援についての,今後の市のスタンスや考えている施策等についてお尋ねいたします。

産業部長(足立憲昭君) 小項目(6),(7)の2回目の御質問にお答えさせていただきます。
 業態転換への支援については,新しい生活様式に対応した新製品・サービスへの支援の必要性について,商工会議所からも要望を受けておりますので,必要な施策を検討してまいります。

末永けい

続いて,(10)雇用情勢について2回目の質問を行います。
 2点あるのですが,まず1点目ですけれども,ハローワーク春日井管内,春日井・小牧の有効求人倍率は依然として低水準で,厳しい雇用環境が続いています。コロナの前は,愛知県も春日井・小牧も有効求人倍率は全国を上回っていましたが,10月時点でそれぞれ全国を下回っています。その要因について,市の見解をお尋ねいたします。
 2点目,コロナの影響による需要構造・供給構造の変化によって,人手不足企業と過剰人員企業が発生しています。例えば,大手航空会社では,客室乗務員が他業種に出向しているなどの報道がありますように,過剰人員企業から人手不足企業への労働移動のニーズがあります。私は,9月議会において雇用維持のための労働移動の仕組みをつくれないか提案させていただきましたが,労働移動の仕組み,人材マッチングの検討状況,市内企業の動きについてお尋ねいたします。

産業部長(足立憲昭君) 小項目10の2回目の御質問にお答えさせていただきます。
 愛知県,春日井管内の有効求人倍率が全国に比べて低い理由については,第5回定例会でお答えしたとおり,新型コロナウイルス感染症の影響により,本社一括採用している一部の事業者が採用を控えていることが要因と聞いております。
 人材マッチングに関しては,商工会議所が新型コロナウイルス感染症緊急求人掲示板を設置して人材のマッチングを図っています。また,中部経済産業局の委託により,一般社団法人中部産業連盟と公益財団法人産業雇用安定センターが連携して人材マッチング事業を実施していますので,人材マッチングを希望する企業に対しては,そちらの事業の活用を案内しております。
 なお,雇用情勢の悪化により,新卒・既卒の新規採用については,いわゆる買い手市場となっていることから,本市では,来年度の採用者を4名追加し,現在募集を行っております。

末永けい

最後に,(11)ポストコロナで求められる人材について2回目の質問を行います。
 足元では働き手の求職活動にも変化が生じておりまして,デジタル化などに対応して,キャリアチェンジやスキルアップの必要性を感じている方も少なくないと思います。そこで,企業がポストコロナ時代に求める人材の確保や人材育成を支援する考えについて,市の検討状況をお尋ねいたします。

産業部長(足立憲昭君) 小項目(11)の2回目の御質問にお答えさせていただきます。
 企業や商工会議所からのニーズを基に,必要な施策を検討してまいります。


【末永けい関連質問】
有効求職者数は前年同期比25%増、雇用保険受給者数は前年同期比50%増です。要因と対応策を問う。
【有効求人倍率】愛知は初めて全国を下回る中、春日井小牧は6月0.95、7月0.94と一段と厳しい
コロナの影響による需要低迷を受け、事業継続と雇用確保のために必要な中小企業支援策とは