2020年9月議会において春日井市議会に上程されたR2年度春日井市一般会計補正予算中、

【新型コロナウイルス感染症対策】ビジネスマッチング支援(中小企業者向け)

の各事業について質疑を行いました。(春日井市議会 本会議 末永けい)

末永けい

それでは,通告のとおり質疑を行います。 

第93号議案 令和2年度春日井市一般会計補正予算(第5号)についてでございます。 

先般,愛知労働局が9月1日に発表した7月の愛知県の有効求人倍率(季節調整値)は1.07倍で,1963年1月の統計開始以来,初めて全国平均1.08を下回ったとのことです。また,愛知県で1.1倍を切ったのは2012年2月以来8年5か月ぶりとのこと。コロナ禍の影響は愛知県のものづくり中心の産業構造により強く表れているといえます。さらに,春日井市と小牧市を管轄するハローワーク春日井の発表によれば,当地の状況はさらに悪く,季節調整を行っていない原数値ですが,有効求人倍率は6月0.95,7月0.94と1倍を割っており,我が市を取り巻く地域経済は,非常に厳しい企業業績,雇用情勢であることがうかがい知れます。雇用の確保,事業継続の観点から,早急かつ有効な経済対策が求められている状況です。 

まず,7款設備投資特別促進事業1億5,000万円について伺います。 

市は本事業の目的を新型コロナウイルス感染症の拡大の影響に伴う需要低迷の中,雇用の確保及び事業の継続を図るためとしています。本事業の必要性について,どのような背景,目的があるのか。また,どのような効果を狙うのか,詳細について伺います。 

また,平常時において市当局は企業訪問を行っていると思いますが,コロナ禍においては企業訪問を控えていた場面もあると思います。しかし,急激に景況感が悪化するときこそ,企業ニーズをより的確・スピーディに把握することが求められます。企業訪問が十分にできていないにしても,メールなどで広くアンケートを行うことなどはできると思います。聞き取り業種が偏っていないか,十分な調査が行われているのかという点が気になりまして,コロナ禍において企業ニーズの把握をどのように進めているのかという点について伺います。 

また,足元の企業業績や雇用情勢を鑑みて,どれぐらい助成することで企業がまた立ち直ることができるのか。一時的なのか,一定期間助成を続けたいと思っているのか,見通しについて伺います。 

それから,予算額1億5,000万円の根拠についてですが,想定件数,助成額,予算の積算根拠について伺います。 

それと企業の設備投資への助成についてですが,これは既に既存の施策(設備投資事業助成金)があります。それらの利用状況と既存施策と本事業の関係性について伺います。対象業種についてですが,なぜ製造業と物流業だけにするのかという点についても考え方を伺います。 

それから,コロナ禍で需要が低迷しているという点についてですけれども,単純な疑問として,需要低迷していて,モノ(製品や商品)が売れない状況なのに,なぜ設備投資なのかということです。むしろ,今の状況では製造業などでは全体的に設備の稼働率は低くなっているのではないか。設備は余っているのではないかと思われます。モノが売れない,設備が余っているのに設備投資をしようという企業ニーズはあるのかという点についてお尋ねします。 

最後に,雇用確保の観点ですが,雇用についても需要低迷しており,モノが売れないわけですから,工場などの稼働が落ちており,従業員の雇い止めや休業状態になっている会社もあります。そんな状況で企業はどのような設備投資を行うのか。また,設備投資がどのように雇用確保に結びつくのかという点についても併せてお尋ねします。 

 

続いて,商工費のビジネスマッチング支援事業1,200万円について伺います。 

市は本事業の目的を,新型コロナウイルス感染症の拡大の影響に伴い,需要の低迷による既存取引先からの受注減に対応し,雇用の確保及び事業の継続を図るとしています。販路が製造業のピラミッドや既存の取引先だけでは,取引先が業績悪化すれば発注も減るわけですから,十分な売上げが立たず,多くの事業者において新たな取引先確保が経営課題になっていると思います。こちらは事業内容と事業目的が合致するだろうと素直に理解できます。そこで,本事業の背景,目的,また,どのような効果を狙うのか詳細に伺います。 

それから,こちらの事業についても,コロナ禍において企業ニーズをどのように把握されておられるのか伺います。 

それから,事業の必要性について,こちらも一時的なのか,一定期間助成を続けるべきと考えているのか,見通しについて伺います。 

助成対象者については,インターネット上のビジネスマッチングサイト,クラウドファンディング,金融機関のビジネスマッチングサービスによる新たな受注獲得に取り組む中小企業者とのことですが,具体的にはどのようなサービスを利用する場合に助成されるのか伺います。BtoB,BtoCなど,どのようなマッチングを想定しているのかについて伺います。 

それから,それらのサービスについてどれぐらいの手数料がかかるものなのか。想定件数など予算額の積算根拠についてお尋ねをいたします。

産業部長(足立憲昭君) 

それでは,第93号議案,第7款商工費の新型コロナウイルス感染症対策の設備投資特別促進事業及びビジネスマッチング支援事業の御質問に順次お答えさせていただきます。 

初めに,設備投資特別促進事業についてです。本事業の背景や目的は,新型コロナウイルス感染症の影響に伴う需要低迷の中,市内企業の事業の継続及び雇用の確保を図るため,直接的に大きな影響を受けた飲食業者や小売業者,サービス業者などへの支援に続き,業況が厳しくなっている製造業者や物流業者の設備投資を支援するものでございます。 

次に,企業ニーズの把握につきましては,市が8月中旬に企業訪問や来庁した企業からの聞き取りを約40社に行ったところ,現在は厳しい経済環境であるが,雇用を維持・確保していくためには,今後の景気回復時の受注拡大に向けて設備の新設や改良を支援してほしい。助成要件の緩和や助成率のアップをしてほしいなどの声がありました。 

次に,既存の設備投資事業の活用状況につきましては,令和元年度の実績は申請件数が37件,交付額は約1億4,000万円となっております。このため,今回は最低設備投資額を1,000万円から10分の1の100万円,助成率を1.4%から約14倍の20%とし,中小企業や小規模事業者に活用しやすくしております。 

次に,予算額の根拠としましては,現在の制度から大幅な申請企業の増加が見込まれることから,1社100万円が150社として1億5,000万円を見込んでおります。なお,本事業が一時的なのか一定期間なのかという点に関しましては,現時点においては,新型コロナウイルス感染症の影響に対応した時限的な措置と考えております。 

続きまして,ビジネスマッチング支援事業についてです。本事業の背景や目的は,企業ニーズの把握において新型コロナウイルス感染症の影響による既存取引先からの受注減が大きいという声に対応し,市内企業の事業の継続及び雇用の確保を図るため,新たな販路拡大に向けてのビジネスマッチングサービスの利用を支援するものでございます。 

次に,助成対象となる具体的な経費は,インターネット上で企業間の受発注を結びつけるビジネスマッチングサイト,不特定多数の方からインターネットサイトを通じて資金を募り,物品やサービスなどの提供を行うクラウドファンディング,銀行等の金融機関により販売先の紹介を受けるビジネスマッチングサービスサイトへの掲載手数料やマッチングの成約手数料となります。 

次に,予算額の根拠としましては,既存制度のマーケティング事業や他市の事例を踏まえ,1社上限を40万円としており,1社40万円が30社として1,200万円を見込んでおります。なお,一時的なのか一定期間なのかという点に関しましては,先ほどと同じく,現時点においては時限的な措置と考えております。