１２月議会で提案された、雇用安定支援補助金（国の雇用調整助成金１０％相当額を春日井市が上乗せ支援）の追加補正予算に関連して、国の雇用調整助成金や市による10%上乗せ支援事業(雇用安定支援補助金)があるなかで、ハローワーク春日井管内(春日井小牧)で有効求職者数は前年同期比25%増、雇用保険受給者数は前年同期比50%増になっており、その要因と対応策などについて質疑を行いました。
（春日井市議会 質疑 末永けい）
末永けい
まず，第109号議案 令和２年度春日井市一般会計補正予算（第６号），７款商工費，新型コロナウイルス感染症対策雇用安定支援事業，春日井市の事業名で言うと春日井市雇用安定支援補助金１億7,000万円についてお尋ねいたします。
本事業は，新型コロナウイルス感染症に係る特例措置により，令和２年４月からの休業等について，国の雇用調整助成金（緊急雇用安定助成金含む）の支給決定を受けていること，かつ，市内に事業所を有する中小企業者が補助金の対象になり，雇用調整助成金支給決定額の10分の１相当額を補助する市の制度です。
当初１億3,000万円の補正予算が組まれていましたが，今回はさらに１億7,000万円の増額補正ということで，まず１点目なんですが，補助金の申請状況，予算額の見積り，根拠，内容についてお尋ねします。
２点目は，市は本事業の目的を雇用確保と事業継続としておりますが，市内企業の解雇，雇い止め，派遣切り，希望退職などの発生状況と倒産，休廃業等の発生状況についてどのように把握しているのかお尋ねします。
３点目は，本事業の評価，効果分析，また，確保されている雇用者数はどのような状況なのかお尋ねいたします。
産業部長（足立憲昭君） それでは，私からは，第109号議案，第７款商工費，新型コロナウイルス感染症対策雇用安定支援事業の御質問にお答えいたします。
雇用安定支援補助金につきましては，国の雇用調整助成金の12月までの延長に伴い本補助金を延長したため，11月末現在で556件，約１億6,900万円の申請を受けております。このうち，予算分430件，約１億3,000万円分については11月17日時点で交付を完了しており，126件，約3,900万円分が未交付となっております。対象期間別では，５月の休業分が最も多く，そこをピークとして徐々に対象件数が減少してきているものの，４月から８月末までの休業分は12月末まで，９月以降の休業分は４か月後まで申請可能であり，当該対象期間の申請はまだ増えると予想されます。この傾向から，12月までの休業を対象とした場合の申請金額を合計３億円と試算し，不足分の１億7,000万円を今回予算計上しております。
市内企業における解雇や企業の休廃業につきましては，金融機関へのヒアリングを行ったところ，ほとんど認められませんでした。このため，本補助金により，事業目的の市内の雇用確保と事業継続に対する効果はあると考えております。国や市の施策で多くの雇用が守られており，企業へのアンケート調査におきましても，本補助金は大変好評をいただいております。
末永けい
まず，第109号議案の７款商工費について，２回目の質疑を行います。
まず，１点目ですが，これまで，国の雇用調整助成金や市の上乗せ支援である本事業で手厚い支援になっていると思います。企業からも好評とのことです。しかし，実際は，直近の９月，10月，ハローワーク春日井管内（春日井・小牧）で，有効求職者数は前年同月比25％増，雇用保険受給者数は前年同月比40％から50％も増加しており，雇用確保という観点から，ケアできていない事業所もあるのではないかなと推測いたします。市として，この要因をどのように分析するのかお尋ねいたします。また，対応策について伺います。
２点目，需要ショックで売上げが回復しない中で，企業経営は逼迫しており，また，今日現在，コロナ第３波が発生しているなど，今後も厳しい雇用情勢が予想され，予断を許さない状況です。先日の報道によれば，国は雇用調整助成金の特例措置を来年２月末まで延長することを決めましたが，来年３月以降は，雇用情勢が大きく悪化しない限り，上限額や助成率を段階的に縮小，段階的に元の制度に戻していくとしています。そこで，市としては，いつまでこの雇用安定支援補助金を続ける考えなのか，めどや目安はあるのか，所見をお尋ねいたします。
産業部長（足立憲昭君） それでは，私からは，第109号議案の２回目の御質問にお答えいたします。
雇用保険の受給状況につきましては，雇用保険の給付金の初回受給者についてハローワーク春日井に確認したところ，外国人労働者の雇い止めが多く見られた直後の７月は563件で，10月には365件と減少傾向です。本市の有効求人倍率は，前年同月と比較すると減少しておりますが，本年の６月と比較すると増加しております。
また，本年10月の雇用保険給付金受給者数は増加していますが，休業の理由については公表されていないため，様々な離職理由があると思われますが，市としては詳細を把握しておりません。
また，本補助金の実施時期につきましては，国の雇用調整助成金が来年２月までコロナ特例の継続を決めておりますが，その後制度の見直しを図るとの報道があります。このため，国の動向も見つつ，実施時期や内容等を検討してまいります。
本市としましては，今後も国や市の新型コロナウイルス対策につきまして，商工会議所とともに，企業への周知を図ってまいります。
【参考】
【末永けい関連質問】
【有効求人倍率】愛知は初めて全国を下回る中、春日井小牧は6月0.95、７月0.94と一段と厳しい
コロナの影響による需要低迷を受け、事業継続と雇用確保のために必要な中小企業支援策とは