認定第3号平成29年度春日井市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算について質疑を行いました。

(2018.9.22本会議 末永けい 質疑)

末永けい

 1点目は,平成29年度に策定した春日井市国民健康保険データヘルス計画(第2期)では,中分類による疾病別統計,被保険者1人当たり医療費上位5疾病において,平成28年度(2016年度)は,上位2疾病の1位である糖尿病の本市の被保険者1人当たりの医療費は,愛知県平均から3.7%高く,国よりも7.2%高い状態でした。第2位の高血圧性疾患では,愛知県平均から7.4%,国平均から3.9%高くなっておりました。
 平成29年度においては,データヘルスの結果において,1人当たり医療費上位2疾病である糖尿病と高血圧性疾患の1人当たり医療費は,それぞれ県平均や国平均と比較してどのような状況になりましたでしょうか。お尋ねをいたします。
 2点目は保健事業についてお尋ねいたします。
 疾病予防費の予算執行率が65.8%,不用額2,024万円,特定健康審査等事業費の執行率は82.5%,4,000万円と低くなっております。人間ドック及びがん検診等受診者数,特定健診受診者数が見込みを下回ったとのことですけれども,それぞれの当初の見込み人数と実績人数,近年の受診者数は増加傾向なのか減少傾向なのかお尋ねをいたします。また,受診見込みの積算根拠をお尋ねいたします。

(野村英章市民生活部長)

 初めに,医療費についてでございますが,平成29年度の被保険者1人当たりの医療費につきましては,糖尿病に係るものが,春日井市1万7,851円,愛知県1万8,924円,国1万7,973円で,高血圧性疾患に係るものが,春日井市1万3,287円,愛知県1万3,503円,国1万3,909円でございます。
 次に,保健事業についてでございますが,人間ドック,がん検診等,特定健診受診者数につきましては,人間ドックは見込み4,650人に対して実績4,596人,がん検診等は見込みの延べ人数が4万1,470人に対して実績延べ2万4,955人,特定健診は見込み1万9,610人に対して実績1万7,052人です。
 過去の推移につきましては,人間ドック受診者数はほぼ横ばいでありますが,特定健診及びがん検診につきましては,被保険者の減少に伴い,受診者数は減少しております。
 また,見込み人数の積算根拠につきましては,過去の受診者数の実績,最近の伸び率,対象者数の動向などを勘案しております。

 

末永けい

 糖尿病や高血圧性疾患の被保険者1人当たりの医療費は,2017年度では県や国よりも本市のほうが低くなっているという状況がわかりました。そこで,本市においては,1人当たり医療費上位2疾病である糖尿病や高血圧性疾患に対してどのような保健事業を行ったのかお尋ねをいたします。
 それから,保健事業についてでございますけれども,がん検診と特定健康診査受診者数が見込み人数よりも受診した実績人数が大きく下回っている要因についてお尋ねをいたします。

(野村英章市民生活部長)

 初めに,国民健康保険の保険者として行う糖尿病,高血圧性疾患に対する保健事業としましては,特定健診の結果によって,特定保健指導の実施,基準値を超えた方への生活習慣病重症化予防に関するパンフレットの送付,さらに医療機関の受診が望ましいと判断した場合には,電話等による受診勧奨を行っております。
 また毎年,糖尿病,高血圧症のいずれかを主題としまして国保健康講座を開催しております。これらは対象者は国保の被保険者になりますが,市全体にも啓発は必要であることから,例えば世界糖尿病デーにあわせまして市民病院などの関係機関と連携し啓発イベントなどを開催するなど,さまざまな事業を実施しております。
 次に,見込みと実績の差異の要因につきましては,がん検診については,予算積算時までの当該年度の実績と,前年同時期の実績の比較から受診者の伸びを見込んだところ,実際には被保険者の減少などにより受診者数は減少いたしました。がん検診は部位ごとに積算しており,複数の部位において実績が見込みを下回り,それを合計した結果でございます。
 特定健康診査につきましては,特定健診の対象者数が見込みより少なかったことが要因と考えております。

 

末永けい

 国保の保健事業についてなんですが,一例なんですけれども,私はことしの2月議会や7月の国民健康保険運営協議会の場において,愛知県下の他の自治体の取り組みや平成29年度策定の本市のデータヘルス計画を見る中で,本市ではまだ実施のない糖尿病性腎症重症化予防事業の導入について所見をお聞きしてきたところです。
 そこで,この平成29年度に策定しましたデータヘルス計画で出てきた課題とか,29年度の国保の決算の結果を受けて,市として新たな保健事業の必要性についてはどのような所見をお持ちなのか,具体的なものがあれば教えてください。
 続いて,がん検診,予算と見込みの立て方についてなんですけれども,例えば平成29年度のがん検診受診者数見込みは4万1,470人に対して,実際の利用者数は,平成27年度が約3万人,平成28年度が3万人を下回り,平成29年度は2万5,000人を下回っています。
 受診勧奨も当然必要なんですけれども,一方で,予算と決算の見込みと実績の乖離が大きく,執行率も低いので,予算の立て方をもう少し精度を高めることはできないでしょうか。平成29年度決算や近年の受診者数の傾向を受けて,どのような所見をお持ちなのか,お尋ねをいたします。

(野村英章市民生活部長)

 初めに,今後の国民健康保険に係る保健事業としましては,被保険者の方が健康に対する意識を持ち,健康づくりに取り組むことができるよう,現在行っている保健事業を含め効果的な保健事業を検討してまいります。
 次に,特定健診等の受診者の見込みと実績の差異につきましては,今後も被保険者数の動向等を精査し,見積もりをし,予算を組み立ててまいりたいと思います。

 

【関連】

春日井市国保保健事業

春日井市国民健康保険運営協議会

 

【末永けい関連質問】

糖尿病性腎症重症化予防事業がようやく予算化されました

市民の皆さまの健康増進と医療費削減(適正化)、国保財政の健全化に向けてできることはたくさんある!

他市町で実施が進んでいる糖尿病性腎症重症化予防事業を導入し、医療費を適正化することを提案しました