春日井市の保健行政は市民の皆さまの健康増進や地域医療を所掌する健康増進課や医療を提供する基幹病院の春日井市民病院を有しているなかで、国民健康保険事業の運営主体である保険者(保健医療年金課)でもありますので、市民の皆さまの健康増進と医療費削減(適正化)、国保財政の健全化を総合的に推進しなくてはなりません

本年度、私は、市の国民健康保険事業の運営に関する事項を審議する、春日井市国民健康保険運営協議会の委員を務めさせていただいております。7月26日の会議では、議会においても従来から取り上げているマルチペイメントネットワークシステムを利用した口座振替や糖尿病性腎症重症化予防事業等の提案を行い、また、本市の特定健診受診率が国・県平均を下回っていること等を課題提起しました。

 

〔質疑応答(要約)〕

議題(1) 国民健康保険事業の状況について

【末永けい】
保険税の収納率は年々向上してきてはいるが、手元の資料で平成25年、26年、27年度は県平均を下回っている。口座振替の原則化、マルチペイメントネットワークシステムを利用した口座振替の推進など支払い方法の選択肢が増えることは、被保険者にとって利便性が向上し、収納率向上にもつながると思われるが、どうか。

【保険医療年金課長】
収納業務につきましては、納期内に収めていただき、滞納させないことが重要です。近年は、様々な公金の収納支援サービスが開発されてきておりますので、それらの利用も含め、現在、効果的な対策について調査をしているところです。

 

議題(2) その他
① 春日井市国民健康保険データヘルス計画(第2期)及び春日井市国民健康保険特定健康診査等実施計画(第3期)

【末永けい】
特定健診の受診率について、本市の受診率が国や県の平均を下回っている要因をどのように分析しているか。

【保険医療年金課長】
春日井市は、すべての対象者に、自分が対象であることを意識していただけるよう受診券やチラシを送付しています。また、納税通知書へのチラシの同封、街頭でのキャンペーン活動等も行なっていますが、なかなか県や国の平均値まで達しないというのが現状です。そこで、昨年度に行なったアンケート調査の結果を見ると、特定健康診査を受けない理由として一番多かったのは「定期的に医療機関に通っている」からという回答でした。こういった方に対しては、医療機関にかかっていても、特定健診を受ける
ことが有意義であるということを周知していかなければならないと考えています。
【末永けい】
今、説明のあったデータヘルス計画に掲載されているアンケートで、対象者が最も知りたい情報は「健診の検査項目」となっている。対象者が受診するための強い動機となるので、健診の検査項目をこれまで以上にわかりやすく伝えていく必要があるが、具体的な対策は考えているか。

【保険医療年金課長】
対象者に送付している受診券には、検査項目を掲載していますが、より周知に努めてまいります。
【末永けい】
特定保健指導実施率の推移は、県平均は上回っているものの、国平均は下回っていて、平成26年度は24.2%、29年度見込では17.9%と右肩下がりとなっているが、この減少傾向の要因をどのように分析しているか。

【保険医療年金課長】
特定保健指導の実施率が下がり傾向にある市町村は他にもあり、よく言われる要因ですが、毎年特定健診を受けられる方で数値の良くない方は、改善しない限り翌年も特定保健指導の対象者となります。しかし、一度保健指導を受け翌年また対象となると「同じ内容ならばいいや。」と考え、指導を受けない方が一定数みえますので、実施率が上がりにくいということがあります。よって、特定健診を新たに受ける方を増やしていくことが必要であると考えています。
【末永けい】
データヘルス計画の44、45ページの特定保健指導の達成状況及び考察欄に、「利用機会の提供はできているが、健診と比べると利用できる機関が少ないことへの対策が必要である」とあるが、どのような対策をしていくのか、また、何か所くらいまで増やせば充足していくと考えているか。

【保険医療年金課長】
特定保健指導の実施機関数は、医師会等に協力を求めていくことを考えています。何か所まで増やせばよいかは、現在は想定していません。
【末永けい】
データヘルス計画の19ページの表12「被保険者一人当たり医療費上位5疾病」ですが、1位の糖尿病は春日井市の医療費は県平均と比べて3.7%、国平均と比べて7.2%高くなっており、高血圧性疾患につきましても、県平均と比べ7.4%、国と比べて3.9%高くなっている。これら2疾病について本市が高くなっている要因は何か。

【保険医療年金課長】
糖尿病や高血圧疾患の一人当たり医療費が高くなっている要因につきましては、これらの疾病にかかっている人数が多いものと捉えています。

【末永けい】
医療費削減の観点から、これら2つの疾病については、重点的な取組が必要なのではないかと思うが、どのように考えているか。

【保険医療年金課長】
糖尿病や高血圧疾患は、生活習慣病の事前防止、重症化予防が非常に大切ですので、まずは、御自分の体の状態や生活習慣について意識し気づくことができる特定健診を、少しでも多くの方に受けていただくことができるよう努めていきたいと考えています。
【末永けい】
例えば糖尿病性の腎症重症化予防事業を春日井市はやっていないと思うが、こういった取組もしてはどうか。

【市民生活部長】
ただ今委員からご意見をいただきましたが、今現在そういったことも検討をしているところですので、御意見として賜り、今後に生かしていきたいと思います。

ひらめき電球春日井市民病院は愛知県糖尿病性腎症重症化予防プログラム推進協力医療機関になっているにもかかわらず、春日井市国民健康保険事業において、糖尿病性腎症重症化予防事業が実施されておりません!
【末永けい】
データヘルス計画の48ページ、課題3「人工透析に係る分析から見える課題」の中で「生活習慣病の治療中断者もいるため、医療機関への受診状況の把握や受診勧奨が必要です」とされているが、すでにこういった方を抽出したうえで、ピンポイントで受診勧奨をするような取組みは始められているか、これから実施していくのか。

【保険医療年金課長】
中断者につきまして、現在は取組んではおりませんが、今後どのように対応していくか調査研究してまいります。

 

(参考)

愛知県国民健康保険運営方針

愛知県糖尿病性腎症重症化予防プログラム

平成30年度国民健康保険運営協議会議事録(7月26日開催)