平成31年第1回春日井市議会定例会

第7号議案平成31年度春日井市国民健康保険事業特別会計中、医療費適正化・保健事業啓発,糖尿病性腎症重症化予防事業(歳出4款1項1目)について議案質疑を行いました。(末永けい本会議質疑2019.3.4

末永けい

 糖尿病性腎症重症化予防事業については,これまで他市では実施されておりましたが,本市では取り組みがございませんでした。私は,市民の健康と医療費の削減のために,さまざまな機会を捉えて実施の要望を行ってきました。少々遅きの感はございますけれども,実施する予算が計上されたことは大変よかったなと感じております。
 本市の国民健康保険の保健事業には,これとは違って,今,現行,生活習慣病重症化予防事業というのがありますけれども,新たに今回実施する糖尿病性腎症重症化予防事業との違いについて御説明をお願いいたします。また,生活習慣病重症化予防事業については今後どうなるのかお尋ねします。
 それから,この糖尿病性腎症重症化予防事業の対象となる要件と対象者の見込み人数,さらに,事業の具体的な内容について,それぞれお尋ねします。

 

(野村市民生活部長)

 初めに,本市国民健康保険における生活習慣病に関する重症化予防事業につきましては,現在,脂質異常,糖尿病などを含めた生活習慣病全般に関して,疾病の発病及び重症化の予防を目的としており,31年度も引き続き行ってまいります。一方,糖尿病性腎症重症化予防事業は,糖尿病を起因とする腎臓機能の低下を予防することに特化したものとなっております。
 次に,糖尿病性腎症重症化予防事業の対象者につきましては,糖尿病が重症化するリスクの高い医療機関未受診者や受診中断者または糖尿病の治療中の患者のうち腎症が重症化するリスクが高い方で,計30人を見込んでおります。
 次に,糖尿病性腎症重症化予防事業の内容につきましては,愛知県糖尿病性腎症重症化予防プログラムをもとに,個別の状況に応じ,かかりつけ医や専門医との連携を図りながら保健指導を行うほか,医療機関を受診していない人には受診勧奨を行ってまいります。

 

末永けい

 愛知県糖尿病性腎症重症化予防プログラムにおいて,春日井市民病院は協力医療機関になっております。春日井市民病院では糖尿病教室や腎臓病教室などの取り組みも行っており,スペシャリストがそろっていると思いますので,国民健康保険事業との密な連携で市民の健康と医療費の削減につなげていくことを期待しております。市民病院とはどのように連携していくのか,所見をお尋ねします。
 それから,先ほど予防事業の対象となる要件や見込み人数をお答えいただきました。この糖尿病性腎症重症化予防事業を行うことにより,どの程度の医療費削減効果を見込んでいるのかお尋ねします。
 最後に,附属資料(上図)を見ますと,この予防事業について「事業委託」というふうに記載されております。この事業については,市が直で実施する方法とか,委託するにしても,サービスを担う主体はいろいろと考えられると思うんですけれども,他の市町の委託の状況や本市の考え方をお尋ねします。関連しまして,予防事業の対象者は継続して保健指導を受けていただくために,保健指導を受けやすい実施場所を工夫して考える必要があると思いますが,その点についても所見を伺いたいと思います。

 

(野村市民生活部長)

 まず,春日井市民病院についてでございますが,市民病院には糖尿病・内分泌内科及び腎臓内科があり,専門医だけでなく,薬剤師,糖尿病の認定看護師,管理栄養士等の医療スタッフも充実していることから,事業の推進に当たって専門的な見地からの助言等を受けることができると考えております。
 次に,糖尿病性腎症重症化予防事業により,人工透析の医療費は1人当たり月額で約40万円必要といわれておりますので,人工透析への移行を予防することによりまして財政面においても負担軽減が図れるものと考えております。
 次に,糖尿病性腎症重症化予防事業の実施については,積極的に推進すべき事業であり,糖尿病に関する専門的な経験・知識のある医療技術者の体制が既に整っている団体等への委託を考えております。また,県内市町村の状況につきましては,対象者の範囲や事業の内容もそれぞれ異なりますが,平成30年度において糖尿病性腎症重症化予防に関する何らかの保健指導を行うとしている38市町村のうち12市町村が委託と聞いております。実施場所につきましては,保健指導は6カ月間の予定をしておりますので,保健指導を受けられる方の通いやすさなどを考慮してまいります。

 

(参考)

愛知県国民健康保険運営方針

愛知県糖尿病性腎症重症化予防プログラム