勤務中に私の愛車が盗まれそうになった話の続きです。

 

前回の記事はこちら↓。

 

おしゃべりだけしていった頼りになる警察官(!)が去ってから5分ほどしたら、彼と彼のお母さんが到着。

大変だっただろうね、と彼がギュッと肩を抱いてくれました。

やっぱり彼がいるだけで安心度が増します。

彼のお母さんにも「来てくれてありがとうございます」とお礼を言う(といっても、英語には敬語とかないので、ただのサンキューなのですが)、「いいのいいの、特に何もしてなかったし。でも、ほんと災難よね!」と。


とりあえず、警察とのくだりを話し、車の状態を見せると、彼のお母さんが「お父さんを呼んだら、どうにかなるかも」と。
10分後に、彼のお父さんも到着。


鍵こそは使えないものの、点火装置をショートさせてエンジンをかけられるかも、とのこと。
映画で見るような、ワイヤーをバチバチさせてエンジンをかける方法。
彼のお父さん、すごいな。
彼と彼のお父さんで車の状態を確認し始めます。

この時点で、もうお昼の2時過ぎ。
日差しが暑い。
ましてや、お昼ご飯を外食にする予定だった私は、朝ご飯もろくに食べておらず、完全に弱り切っていました。

それを見越したのか、彼のお母さんが「男衆にまかせて、私と一緒にうちに戻る?」と聞いてくれました。
ありがたいお誘いでしたが、一応私の車だし、どうなるか見届けたいので、その場に残ることに。
彼と彼のお父さんに任せっきりにするのも悪いですしね。

彼のお母さん、居残ると決めた私に、冷たい飲み物を買ってきてくれました。
普段は苦手な炭酸飲料(レモンソーダ)だったのですが、めちゃくちゃおいしかったです。
冷たいのと甘いのが、疲れ切った体に沁みる~。
彼のお母さん、何から何まで優しすぎる。

さて、車のほうですが。
どうやらハンドルロックがかかってしまっているようで、ハンドルを一切回せない。
そして、ギアもパーキングから変えられない状態。

他にも彼と彼のお父さんでいろいろ話していましたが、車のことはよく分からないので。
とにかく、どうにもならないとのこと。

これはもう、レッカー車かなんかにけん引してもらわないとダメだ、ということに。
車をこの場所に置いておくのだけは避けるべき、というのが彼のご両親の意見でもありました。
修理が次の週になるのはよいとしても、自動車の整備工場に車を持っていかなければなりません。

しかし、土曜日なので、ほとんどの整備工場は閉まっています。
ネットで調べると、職場から1.5キロほどにある整備工場が土曜日でも開いているそう。
早速電話をすると、車を持ってきてもかまわないが、けん引はできないとのこと。

けん引業者にいくつか電話をかけてみたのですが…。
1件目:市外に出かけているので、4時間待ちになってしまう。
2件目:ハンドルロックがかかって、ギアも変えられない状態なら無理。
3件目:今すぐ来れるけど、料金は2万7千円(345ドル)。

2万7千円?!
1.5キロ先の整備工場に持っていくだけで、2万7千円?!
高い、高すぎる。

彼のお父さんもお母さんも「ぼったくりじゃん!」と憤怒。
しかし、他にどうすることもできず、高くても、2万7千円払うしかないのか、と彼と二人であきらめかけていました。
正直なところ、もう足掻くのはよそう、と彼も私も感じていたんです。


すると、彼のお母さんが「私の同僚の旦那さんが、自動車の整備工場を経営しているのよね。けん引するのにお勧めの業者さんがいるかどうか聞いてみる!」と。

早速、同僚に電話をかけてくれた彼のお母さん。

電話で何やら話している様子。
「ちょっと待ってね」と言ったかと思うと、彼と私のほうを向いて、「6千円(80ドル)でけん引してくれるって。で、その人の整備工場で週末の間、車を安全に保管して、月曜日に修理できるって言ってるけど、どうする?」と。

6千円でけん引してくれる?!
安い、安すぎる?!


彼も私も耳を疑いましたよ、はい。
そして、即お願いしました。
見知らぬ整備工場に修理を頼むより、彼のお母さんの知り合いの整備工場に修理を頼んだほうが安心ですし。

にしても、彼のお母さんのコネ、すごいな。
「車をけん引してほしい、って頼んでないのよ。いい業者知ってる?って聞いただけだから」と。
知り合いということで、きっと助けてくれたんでしょう。
とにかく感謝。

整備工場のおじさんは「一時間後に車を取りにいくから、車の鍵をかけて、家に帰っていいよ。車の鍵をもらいに家まで行くね」とのこと。
暑い中、駐車場で待たなくていいのはありがたいものの、盗まれそうになった愛車を残して、その場を去るのは少し心配でした。

私の職場からは、私たちの家よりも、彼のご両親の家のほうが近いので、そちらへ向かいました。
コーヒーやクッキーを出してもらって、ちょっとリラックス。
一時間後、整備工場のおじさんが、若いお兄さんと一緒に、車の鍵をもらいにやってきました。
おじさんもお兄さんも、めちゃめちゃ感じよく、土曜日に駆り出されたにもかかわらず、嫌そうな顔は一つもせず。
とりあえずお礼を言い、鍵を引き渡しました。

30分後、私たちの家まで送ってもらうついでに、私の職場の前を通ると、無事にトレーラーに乗せられた私の愛車をちょうど見ることができました。
これで一安心。

私たちを家まで送ってくれた際、彼のお母さんは「スーパーにでも行く?車が直るまで、何か必要だったり、どこかに行きたかったら、連絡くれていいからね」と言ってくれ、もう感謝の気持ちでいっぱいでした。

我が家に戻ったのは夕方5時過ぎ。
さすがに、疲れもあってか、どんよりした気分でした。
次の日の日曜日には、気持ち的には元に戻った感じでしたが。

月曜日のお昼ごろに、これぐらいの値段になるよ~、と整備工場から電話。
火曜日の午前中に再度電話があり、修理が完了したとのこと。
火曜日のお昼時に、彼のお父さんにお願いして、整備工場まで連れてってもらいました。

修理代はけん引の料金も含めて、4万2千円ほど。(524ドル)。
思ったより安くて助かりました。

というか、けん引だけで、2万7千円払うかもしれなかったのを思うと、修理代とけん引代、合わせて4万2千円なんて安いもの。
無事に車を引き取り、水曜日からは平常の日々に戻りました。

今回の件は、彼のご両親に本当感謝。
「あんたの父さん母さんに、いっぱい頼っちゃったよ。土曜日だったのに、悪かったなぁ。」と彼に呟いたら、「そんなん気にせんでいいって。」ってさ。
でも、車がない状態で、私の職場まで彼を連れてきてくれたり、修理が終わった時、整備工場まで連れてってくれたり。
修理代が安く済んだのも、彼のお母さんのコネがあったからであって。
「人とのつながりは大切よね」と彼のお母さんも言っていました。

うん、確かに。

彼のご両親の助けがあってこそ、この窮地(?)を小さなダメージのみで抜け切れたわけですし。
ましてや、彼がいなかったら、自分一人でこの件を解決しなきゃいけなかったわけですし。
彼のご両親に感謝、そして、彼がいてくれてよかったなぁ、とも思いました。

車への被害はあったものの、車自体は盗まれなかったし。
私や彼に危害があったわけでもない。
修理代も割と安く済んだ。
修理代込みでも、先月の家計は黒字だし。
土曜日から火曜日の間、車がなくても普通に過ごせたし。

大変な目にはあいましたが、そんなにひどくなかったかな、と。
考えようによってはね。

最悪なフラットメイトシリーズの時にもそう書いたのですが、それなりにスムーズに物事が進んだほうだと思います。

それに、炎天下の中、「これブログのネタになるわ」なんて考えている冷静(というか不謹慎)な自分もいて。
彼にボソッとそう呟いたら「そうだね、いいネタになるね」と、彼も同意。

また、前回の記事にも書いたように、ニュージーランドは前よりも荒れてきてるなぁ、と感じます。
今回の件も、車の状態を見たときにパニックや焦りはなく、「あぁ、とうとう私の車がやられたかぁ~」と思った自分がいて。
驚いたは驚いたけど、そんなにびっくりしてなかったなぁ、と。

犯人に対して、イラっとはしましたけどね。
彼のお父さんお母さんも似たような経験、数回あったって言ってたし、
オペレーターさんが言ってたように、ごく普通にあるんだろうなぁ、こういうこと。

そして、私の職場は、ちょっと微妙な場所にありまして。
あまり安全とは言えないご近所さんなのです。
(なんでこんなところに公文教室を開いたのかは謎です。)
財布や携帯を見えるように持ち歩くのはやめたほうがいい、と彼に言われたこともあるし。
「中で待ってなさい、外に出てきちゃダメだよ」と子供に言う親もいます。
公文教室の隣にあるコインランドリーで、なにかいざこざがあり、罵声が飛び交い、パトカーが数台来たこともある。

だからね、仕方ないといえば仕方ない。
まぁ、これからはできる限り自転車通勤にします。
自転車は建物の中に保管できるので。
今回の件は、車が使える日にも、頑張って自転車通勤をする動機になるので、ダイエット的にはいいのかも?

(窮地に立たされないと運動しないんですよ、ワタクシ。)

ではでは、私事ではありましたが、読んでくださった方、お付き合いありがとうございました。
次回の投稿からは、また一時帰国の記録になります。